- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130141239
作品紹介・あらすじ
死と向きあうとき,死にゆく人びとへのケア,死別の悲しみへのケアがますます重要である.親しい人の死に直面し,また自らの死へ不安を抱え,人びとは日々生きてゆく.誕生以前や死後までもひろがるその人生のイメージを,生と死が織りなすライフサイクルの視点から考える.
感想・レビュー・書評
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10章最高!再読すべし
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20100802
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東京大学出版会からでている、全5巻(第2巻と第5巻は未刊行/2008.10現在)のうちの第3巻。先日も紹介しましたが、ようやく読了。
サブタイトル"ライフサイクルと死"となっており、第1部は、死生学とのかかわりで社会学には何ができるか、社会学が人間の生と死の問題をどのように扱ってきたか(武川、西平両氏、はじめにより)の考察。第2部は、心理学・生物学・教育学の視点からのライフサイクルの姿を観ている。
ざっとよんでみて・・・やはり私は社会学はよくわからない。いや、よ〜わからへんネン(関西人ではないです)的な感じ。よけいにわかりませんかね(笑)私の脳みそでは、先生方が果てしなく考察されている"日本語"がわからないんですよ。専門用語ではなく、ただの日本語の使い方なんですが、なんというか・・・んで?・・・んで??・・・・と自問自答しながら読むからおもろくない。ほんまに。(ちなみに私は九州人です)
なので、正直第1部の考察されている内容がいまひとつ十分に理解不能。しばらくしてからまた再度読むことにしよう。第1部で度肝を抜いたのは以下。
-6章、副田義也教授〜共産主義と大量死〜死を題材に何かを考えるとき、必ず、絶対避けられないこの歴史的な出来こと、事実。正面から向き合わなければ死に関しては正直何も告げられないような気がします。マルクス主義、スターリン、レーニン、トロツキズム、ナチスドイツ、強制収容所。私が生まれる30数年程度前の話なのに、もう数百年も前の話のような・・。知ることの大切さは十分認識しているが、知ってしまうということの悲しさや哀しさがあります。社会との結びつきが大きいということで、この第1部に入っていますが、このあとの第2部の内容とは視点も論点もまったく違うので驚きますが、私が唯一社会学の中で歴史的な大量死について感心をもっています。出てくる数字が尋常ではない。数百万単位の人たちの虐殺。心が痛くなる内容、感覚もなくなりそうだ。なんと黒いどす黒い時代だったのだろうかと。
そして、第2部のライフサイクルですが、魂からシュタイナーのライフサイクル論まで、幅広く。正直びっしり中身が濃いように思えます。ライフサイクルとはいえ、各々の教授が考察するライフサイクルがそれぞれ納得いくような内容でおもしろい。
-7章、西平直教授〜死により完了する一個人の人生としている。祖父母から親からその子供、そして孫世代への世代継承サイクルと称しているライフサイクル論はおもしろい。すべては大きなつながりを持つと。
-8章、横湯園子教授〜魂のケアと心のケア、う〜ん題目からして興味心身。魂ととはなんぞやから入る。魂=ソウル(SOUL)魂の回帰は何度もくるのか、そんな話から入る。そして、ジョーン・ロビンソンの『思い出のマーニー』という児童文学のこの小説の紹介をしている。なかなか興味深い内容。そこにみえるのは実存するマーニーなのか、わたしの想像なのか・・。とちょっとわくわく巻がある小説だが、ここに自分の心を通して様々なことをみて気が付かせてくれるそんなお話のようです。ちょっと手にしてみたくなりました。もしかしたら、私たちも一度はそんな不思議な気持ちになったことがあるのかも。
-9章、やまだようこ教授〜たましいのイメージと循環するいのちで、たましいとは?から。この方の研究はこういったイメージとか描画による事象を中心においた命の研究をされているような感じだが、大変わかりやすい。様々な基本構図のモデルを引き出して考えいく内容で、どんどんひきつけられます。たしかに、人が死んだら、おばけになってきえるという気体系と天使になって最後は鳥になるという動物系にわかれているなあと。気体系は浄化してそのあとは地にふりそそがれ人間が再生される。動物系は、輪廻転生でまた別の生き物になって再生される。そこから始まる理論がとてもおもしろい。どの国のどんな宗教にあろうとも、人が死んだあとの構図をかかせてみると以外にみんな同じようなものを描くとか・・・。ふふーん♪