- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130302098
作品紹介・あらすじ
生命科学や創薬研究ラボの観察をとおして,科学研究における知識産出の動態を詳細に比類ない精度でとらえる現代科学論.研究組織の戦略選択,技術革新との関係,国家的な政策とラボ運営,巨大プロジェクトにむけられる期待の動き,そして組織事故やリスク管理…….科学の実践がもつ諸問題をミクロからマクロまで対象とする.
感想・レビュー・書評
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請求記号 407/F 84
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著者:福島真人
装丁:松田行正+杉本聖士
カバー装画:武田史子《過去への彷徨》1991年
【書誌情報】
価格:3,900円+税
出版年月日:2017/12/28
ISBN:9784130302098
版型:4-6
頁数:398
生命科学や創薬研究ラボの観察をとおして,科学研究における知識産出の動態を詳細に比類ない精度でとらえる現代科学論.研究組織の戦略選択,技術革新との関係,国家的な政策とラボ運営,巨大プロジェクトにむけられる期待の動き,そして組織事故やリスク管理…….科学の実践がもつ諸問題をミクロからマクロまで対象とする.
http://www.utp.or.jp/smp/book/b307816.html
【目次】
はしがき [i-iv]
目次 [v-xiv]
凡例 [xiv]
序章 実験室を観察する――科学技術の社会的研究の道程 001
序 科学と社会を再考する 004
ラボラトリーと社会の間 003
2 社会と「自然」 011
3 アクター・ネットワーク理論の修正 020
4 科学技術の推進力と慣性 025
5 持続する課題 030
結語 032
I 研究実践のミクロ分析
第1章 リサーチ・パス分析――研究実践のミクロ戦略について 039
序 戦略としての研究過程 039
1 リサーチ・パスの基礎概念 040
2 リサーチのゴール 042
3 リサーチ・パスの諸形態 049
結語 058
第2章 組織としてのラボラトリー ――意味と調整のダイナミズム 061
序 集合的行為としての研究実践 061
1 モノと意味の交錯としての組織 063
2 ラボをめぐる文脈 065
3 創薬基盤に向けた組織化? 068
4 公的表象と私的リサーチ・パス――工程表では見えないもの① 070
5 リサーチの工程化という困難――工程表では見えないもの② 080
結語 085
第3章 知識移転の神話と現実――技能のインターラクティブ・モデル 089
序 知識は移転するのか? 089
1 技能の階梯――インターラクティブ・モデル 091
2 ラボでの知識の動態 095
3 知識移転の具体例 100
結語 106
II 研究実践のマクロ分析
第4章 研究課程のレジリエンス――逆境と復元する力 111
序 研究テーマの栄枯盛衰――天然物化学のケース 111
1 「古さ」の逆襲――テクノロジーと研究過程 114
2 制度的前提――農芸化学を中心に 120
3 レジリエンスの発現 124
結語 131
第5章 ラボと政策の間――研究,共同体,行政の相互構成 135
序 研究と政策の相互関係を観る 135
1 政策の作られ方――イシューからアジェンダへ 136
2 事例研究――ケミカルバイオロジーの形成過程 143
3 理論的考察――研究、共同体、政策 149
結語 154
第6章 巨大プロジェクトの盛衰――タンパク3000計画の歴史分析 157
序 日本版「ビッグバイオロジー」の肖像 157
1 『ゲノム敗北』とその後 158
2 プロジェクトの成否――期待と失望のダイナミズム 161
3 研究分野と制度的背景 165
4 NMRパーク計画――第一フェーズ 169
5 NMRパーク計画の変容――第二フェーズ
6 計画の国家プロジェクト化――第三フェーズ
7 期待/境界物/国際競争 197
結語 193
第7章 知識インフラと価値振動――データベースにおけるモノと情報 197
序 研究を支える知識インフラ 197
1 インフラ概念の基本問題 198
2 創薬基盤の問題 205
3 知識インフラとしての天然物データベース 209
4 仮想ライブラリー ――未来の知識インフラ? 213
5 データベースを支えるもの218
結語 220
III リスク,組織,研究体制
第8章 科学の防御システム――組織的「指標」としての捏造問題 229
序 組織事故としての不祥事 22
1 組織とその病理――組織事故研究の枠組み
2 研究室統治――科学の防鎯システム I 233
3 レフリー制度――科学の防御システム II 237
4 追試――科学の防鎯システム 239
5 組織事故と防御システムの問題
結語 247
第9章 因果のネットワーク――複雑なシステムにおける原因認識の諸問題 251
序 危機管理と複雑なシステム 251
1 組織事故認識の問題 252
2 納得の構造 255
3 認知/法――法的責任論との関係 258
4 組織、ネットワーク、個人 263
結語 201
第10章 身体,テクノロジー,エンハンスメント――ブレードランナーと記憶装置 269
序 エンハンスメント概念を再構築する 269
1 身体とレジーム――新たな分析枠組みの提案 270
2 国際スポーツにおけるエンハンスメント問題 275
3 記憶とデジタル・テクノロジー 281
4 二つのレジーム/二つのエンハンスメント 289
結語 292
第11章 日常的実験と「実験」の間――制約の諸条件を観る 295
序 実験の多様な顔貌 295
1 学習の実験的領域――その源泉 296
2 ラボと工場 301
3 情報インフラと技術的制約 305
4 制約の働き 307
結語 310
附論 リスクを飼い馴らす――危機管理としての救急医療 313
序 現実の危機管理――その可能性と問題点 313
1 リスク、危機、事故 314
2 救急医療のダイナミズム 317
3 救急医療の組織的特性 319
4 危機管理組織としての救命セン
ター 321
5 来るべき体制への模索 324
6 危機管理組織をめぐる諸問題 327
結語 330
あとがき [335-338]
参考文献 [11-40]
索引 [1-10]