- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130320924
作品紹介・あらすじ
ガバナンスの概念はどのように重要性をもつようになったのか.民主主義の変遷を基礎にした政治的考察から,日本社会を舞台にした経験的考察を加え,ガバナンスが二十一世紀の政治を把握する強力な概念のひとつになっていることを解き明かす.
感想・レビュー・書評
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ガバナンスという言葉の曖昧さに対する答えを求めて図書館で借りる。
ガバナンスを構成するのは1, 主体(Agent)あるいは利害関係者(Stakeholder) 2, 状態空間を規律(Discipline)するあるいは攪乱するなにか 3,状態空間の存在が公共善()ないし公共悪()であること の三要素。ガバナンスを必ずしもポジティブな目標をもつとは限らない。状態空間の役割を防衛しようとするときには遵守ガバナンス(compliance governance),変更しようとするときは戦略的ガバナンス(strategic governance)と呼ばれる時もある。
SNSの利用者が少ないことを日本社会の特徴として捉え、その理由を英語力の低さともう一つ「徳川的遺産としての擬似身分社会が、組織や団体という中間組織の強さが次第に形骸化しつつも、一定の強い所属意識を残しているために、新たな中間組織を仲間づくりという個人の選択で作っていく仕組みの利用者が、さらに小さくなっていく」という点にもとめているのはユニーク。
チェチェン政府の大統領ジョハール・ドゥダーエフは携帯電話番号を情報機関に知られ、電源を切っても出る微弱電波で位置をつかまれ巡航ミサイルに爆死させられた(p44)
巻末中によるとソースはこれChechnya: From Nationalism to Jihad by James Hughes
結局ここでも引用されているハンチントンの「文明の衝突」は一度読まないといけないんだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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