未来をはじめる: 「人と一緒にいること」の政治学

著者 :
  • 東京大学出版会
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本棚登録 : 180
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130331081

作品紹介・あらすじ

友だち同士から国際政治まで,互いに異なる人たちがどうしたら一緒に暮らしていけるのか.各地で頻発するテロ事件,英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生,そして日本社会や東アジアの行方.変わりゆく世界のなかで,政治の根本を考え抜く5つの講義.

「人と一緒にいる」のは素晴らしいことであると同時に,時としてつらいことでもあります.自分とまったく同じ人間は,世界のどこにもいません.当然,人と人には,いつも「違い」があります.「違い」があるからこそ,人と一緒にいることはおもしろいし,楽しいけれど,時には対立が起き,すれ違いが生じます.講義では,このような基本的感覚からスタートして,「政治」というものを考えてみようとしました.(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  • 女子高校での政治学の特別講義を書籍にしたもの。

    高校生向けとあって、「ひとといること」を軸に今の国際情勢から国内政治、民主主義とはなにか、選挙とはなにか、といったことを、思想家や社会学者の事例を挙げながら易しく(かといって易しすぎず)説いている。

    大人が読んでも十分に生きる知恵になる本。じっくり読みすぎて、3週間もかかってしまった。

    ルソーがかなり面倒くさい人だったということを初めて知った。(笑)

    この次にファクトフルネスを読もうと思う。

  • flierでの紹介で興味を持ち購入。
    思った以上に幅広く政治のことを取り上げていて、1講目から大変面白く読むことができた。豊島岡女子でやっただけあり働き方のことについての女性からの意見など、勉強になることが多かった。また世代別選挙区制度というのも、正直初めて知った。
    最後の座談会は等身大な感もありつつ皆しっかり意見が出ていて、自分もこの子達と議論できるようにしていきたいと感じた。

  • 政治学の入門書。都内の女子校での講義をベースにしたもの。トランプ大統領や電通の自殺の件など、国内外の時事問題を具体例として扱いつつ、政治学の話題に繋げていっている。とくに第4章の選挙制度の話が面白かった。できれば、現代政治の重要な要素として官僚制についても話題にしてほしかったところ。
    いずれにせよ、わかりやすい政治学の入門書としてお勧め。イラストも内容理解に役立つ。

  • 平易な言葉で社会の仕組みを解説している点は素晴らしい。
    様々な制度を根本から見直してみましょうと、出張講義で問いかけ。周囲との関係を、経済と政治につなげて考える。
    東京大学の戦後の学問系譜。

    経済をベースにすると個人が主体となり、地政・宗教・思想・文化の違いが見落とされてしまうので、家族・会社・地域・国を守りバランスを取ることが議論されなくなってしまう。
    平和教育内だけで語ることの危険性を感じる。
    人と生きる現実を考えるのであれば、譲り合えない価値観の取り扱い、最も大事な要素が欠けてしまった感あり。

  • 今年最初の読了本。元日に読むのにふさわしい、希望に満ちたタイトルである。

    東大社会科学研究所の教授で政治学者の著者が、東京・豊島丘女子学園の高校生・中学生を対象に行なった、全5回の「政治学講義」をまとめたもの。

    高校生・中学生が相手なのだから、どこまでもやさしく噛み砕いて教えなければならない。そのために著者が取った方法は、一般の政治学概説書の言葉のレベルを下げるようなやり方ではない。
    「そもそも政治とは何か?」という問いかけから講義が始まり、「政治とは本来、互いに異なる人たちが共に暮らしていくために発展してきたものです」と著者は定義する。

    以降、そもそも民主主義とは何か? そもそも多数決は正しい方法なのか? ……などという、政治の根源に向き合うような問いかけがなされ、著者はその問いを生徒たちにじっくり考えさせる。「ソクラテスの産婆術」を思わせる見事な手際で……。

    豊島丘女子学園の生徒たちが、また非常に優秀で利発な子揃いであり、打てば響く感じのやりとりがなされていく。一般公立校ではこうはいかないだろう。

    中高生はもちろんのこと、大人にとっても読み応えある、異色の政治学入門である。

  • 出前授業の書き起しだが面白い。再読希望。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000140325

  • もっと若い、学生の頃に出会いたかったなあと思う本。中学生、高校生にオススメ。
    巻末の参考文献もチェックしたい。

  • 女子高生に政治学を講義し、その内容を書籍化した本。すごくわかりやすくて面白かった。政治学を難しいからいいや、と思考停止しないで、世界をちょっとずつでもより良くするために考えていかなければならないんだな。ヴォルテールの『カンディード』を読んだばかりだったので、ルソーとヴォルテールが揉めてたことを思い出した。いいキャラしてるよね。身内にいたら大変そうだけど、著作読んでみたくなった。

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著者プロフィール

宇野重規(うの しげき)
1967年、東京都生まれの研究者。東京大学社会科学研究所教授。専門は政治思想史、政治哲学。
1991年東京大学法学部卒業。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。著書に、『デモクラシーを生きる―─トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社、1998年)、『政治哲学へ―─現代フランスとの対話』(東京大学出版会、2004年)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社選書メチエ、2007年)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波 新書、2010年)、『民主主義のつくり方』(筑摩選書、2013年)、『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)、『政治哲学的考察―─リベラルとソーシャルの間』(岩波書店、2016年)、『保守主義とは何か―─反フランス革命から現代日本まで』(中公新書、2016年)ほか。
近刊に、『未来をはじめる』(東京大学出版会、2018年)。

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