超大国・中国のゆくえ5 勃興する「民」

  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130342957

作品紹介・あらすじ

急速な経済成長の陰でさまざまな矛盾を抱え,引き裂かれる中国社会.社会の断裂はどのように乗り越えられるのか.格差の構造や揺れ動く言論空間,そのなかで苦闘する人々の姿に迫ることを通じて,社会変革を阻む要因を抉り出し,中国社会のゆくえを考える.  【シリーズ全5巻/第4回配本】

感想・レビュー・書評

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  •  庶民や活動家、ネットユーザーの個別事例が多く取り上げられているので読みやすい。前半は、新保教授による少数民族や農村部の教育・就職の問題。少数民族文化の危機や留守児童、教育格差の問題は日本のメディアですらしばしば目にする。他方、民族の固有文化よりも漢語・英語教育に力を入れたり都市に出て行ったりするのは、必ずしも当局の押し付けでもなく、将来を見据えた当事者自身の選択であることは少し切なくも感じる。恵まれているとはいいがたい彼らだが、その一方で少数民族優遇への漢族の不満、農村出身者を見下す都市住民のこともしばしば聞く。
     後半は阿古准教授又はその夫君の他の論稿にも共通する、中国国内の言論空間と当局の弾圧の問題。「こうした状況を抜本的に変えていくには、法の支配を徹底させ、民主化を進める制度改革を行うほかはない」「長期的に持続可能な発展を見据えるならば、本格的な政治改革が必要不可欠だろう」とある。総論としてはそうだろう。しかし、自分が中国の為政者や官僚なら、一体何をどこから、どれだけ手を付ければよいのか。社会実験というにはあまりに壮大で失敗が許されない難問である。さすがに本書でも「急進的な改革は現実的ではなく・・・漸進的な変革を模索するほかはない」と書いてはいるが。

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著者プロフィール

早稲田大学教育・総合科学学術院教授。
東京大学大学院教育学研究科博士課程教育行政学科社会教育専攻(単位取得中退)。博士(教育学)。
主な著書・論文:
『教育は不平等を克服できるか』(共著)岩波書店、2010年。
『我的教師之路』(中国語)(編著)教育科学出版社(北京)、2014年。
『中国エスニック・マイノリティの家族――変容と文化継承をめぐって』(編著)国際書院、2014年。
『超大国・中国のゆくえ5 勃興する「民」』(共著)東京大学出版会、2016年。
The Lifestyle Transformation of Hui Muslim Women in China: A Comparison of Modern and Islamic Education, SHIMBO Atsuko, Journal of Contemporary East Asia Studies, Routledge,28, April 2017, pp.1-21.

「2018年 『日本占領下の中国ムスリム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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