職場学習論―仕事の学びを科学する

著者 :
  • 東京大学出版会
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レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130402507

作品紹介・あらすじ

人は職場で「他者」とどのようにかかわり、学び、そして成長するのか?人材育成に有効な職場の原動力を、ビジネスパーソンに必要な3つのキーワード「業務支援」「内省支援」「精神支援」から解き明かす。仕事における能力向上をデザインするための一冊。業績向上や社内コミュニケーションの改善をめざす人材育成担当者、「仕事の学び」を向上させたいすべてのビジネスパーソン必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • ”酒井穣さんがメルマガで激賞していたため購入。「組織」よりもミクロな「職場」での「他者とのかかわり」による学習がテーマ。

    <読書メモ>
    ・本書は(中略)「人は生きている限りにおいて常に学び続ける、あるいは、変わり続ける」という「人間観」に従って、のちの議論を進める。(p2)
    ★職場において人々が他者から受けている支援を3つの種類に分けた。「業務支援」「内省支援」「精神支援」の3つである。(p47)
    ★「職場」で向上させられる17の能力(p72)
     1)業務能力向上
      ?業務を工夫してより効果的に進められるようになった
      ?仕事の進め方のコツをつかんだ
      ?苦手だった業務を円滑に進められるようになった
      ?より専門性の高い仕事ができるようになった
      ?自分の判断で業務を遂行できるようになった
     2)他部門理解向上
      ?他者や他部門の立場を考えるようになった
      ?他者や他部門の業務内容を尊重するようになった
      ?他者や他部門の意見を受け入れるようになった
     3)他部門調整能力向上
      ?複数の部門と調整しながら仕事を進められるようになった
      ?初めて組む相手ともうまく仕事を進められるようになった
     4)視野拡大
      ?より大きな視点から状況を捉えるようになった
      ?多様な観点から考えるようになった
     5)自己理解促進
      ?自分のマイナス面を素直に受け入れることができるようになった
      ?以前の自分を冷静に振り返られるようになった
     6)タフネス向上
      ?精神的なストレスに強くなった
      ?精神的に打たれ強くなった
      ?我慢することを覚えた

     #新人が入社してからの成長を経年で追っていくのによさげな指標。10段階くらいで、本人、指導者、指導責任者でつけたらプチ180度診断として使えそう。

    (追加予定)”

  • 2940円購入2011-03-31

  • 企業現場で当たり前としてしまっていることを科学的に検証してくれるアカデミックには敬服する。
    私の探求するテーマである「カリキュラム思考」について、多くの示唆をいただいた。
    越境学習と学びの生態系については、文献をあたっておきたい。
    [more]

    【読書メモ】
     ・ 組織学習(アージリスとショーン) 「組織メンバーの個人を通じて行われる行動・価値観の修正や再構築のプロセス」
        ?シングルループ学習 既存の価値や判断基準に基づきつつ、そこで生起しているエラーや矛盾を修正する活動 ⇒正しく行っているかを問う学習
        ?ダブルループ学習 既存の価値観や判断基準そのものを問題として、それらの変革を行うこと ⇒正しいことを行っているかを問う学習
     ・ アンラーニング(学習棄却) 組織の中に賃貸する、内外環境に照らして不適切になってしまった既存知識・組織ルーチンの限界を認識し、それらを解除し新たな学習を行うレディネスを確保すること p33
     ・ バブル崩壊後の「終身雇用」「年功序列賃金」「職能資格制度」等の雇用政策の転換によって、OJTやOff-JTといった人材開発施策の実施が低下傾向にある一方で、企業の競争優位を支えるために企業のコアコンピタンスのひとつである人材開発の重要性が増している p45
     ・ 人間の本質は、ひとりひとりの個人に内在する抽象物ではない。現実には、人間の本質は社会の諸関係の総体である。(Marx)
     ・ 研究を行うことは、何らかの問題を解決すると同時に、「新たな問題領域」を「発見」することでもある。 p155
     ・ 越境学習する人々のニーズ キャリア、イノベーション、ネットワーク、フレンドシップ、プロフェッショナルボランティア、アントレプレナー、アビリティ、セルフラーニング、ラーニングニーズ、アンザイエティ p163
     ・ 学びの生態系(Learning Ecology)における学習支援のあり方
        ?偶発性
        ?更新性
        ?無境界性 企業・組織の境界は日々不可視なもの、折に触れ再編成されるものとして把握されている。境界が不可視化する中で、どのような学習経験(カリキュラム)を一人一人の学習者が所持することができるか
        ?共振性
        ?触発性
     p165
     ・ 企業というのは教育学の「辺境」である
     ・ また、人材育成、あるいは、職場の学習は、経営学の「辺境」である
     ・ 教育学と経営学――筆者は、ふたつの領域の「辺境」にある、ぽっかりとあいている中空の領域を探求したいと願った
     ・ 一般には、学問にはふたつのオリジナリティが必要である。「探求したい領域」と「探求する支店」だ。中空の領域を、どのような「まなざし」で見つめるか。 p170

     
    【目次】
     序 職場の中の学習をとらえる
     1 「職場における学習」の背景をさぐる
     2 職場における他者からの支援
     3 職場における能力向上
     4 誰からのどのような支援が能力向上に資するのか?
     5 職場コミュニケーションと「能力向上」:業務経験談に着目して
     6 「職場における学習」を振り返る

  • 他者との繋がりをデザインする。
    支援の構造を解き明かすと見えてくるスパイラル。

  • 図書館本 336.47-N33 (10010015738)

  • 「経営学習論」と比べるとインパクトはいまひとつ物足りなかったが、この手の理論を科学的検証も交えながらまとめている本は少ないので、有益だった。

  • 自分がぼんやりと考えていて、うまく言語化できていなかった「職場における自己と他者」についての事柄が言語化されていて、「これだよこれ!」とワクワクしながら読み進めた。
    支援の形や互酬性規範のような、自分の中では一緒くたにまとめられていた関係性のカテゴライズを発見し、なるほどと感心した。

  • 学術的な方面から、職場教育に関して述べている本。
    結果だけみても良いし、中の統計的な部分を追っても面白いかもしれない。

  • どんな人からトレーニングを受け、その効果について統計学的に整理している。職種としては営業職とITエンジニアでは得られる効果が歴然と異なるのが面白い。

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著者プロフィール

立教大学経営学部教授

「2020年 『サーベイフィードバック入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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