- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130402507
感想・レビュー・書評
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自分がぼんやりと考えていて、うまく言語化できていなかった「職場における自己と他者」についての事柄が言語化されていて、「これだよこれ!」とワクワクしながら読み進めた。
支援の形や互酬性規範のような、自分の中では一緒くたにまとめられていた関係性のカテゴライズを発見し、なるほどと感心した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
職場で「人は、どういった支援を受けて成長するのか」についての研究論文のような本です。
結論としては、業務支援、内省支援、精神支援を受けていて、それぞれが効果があることが示されています。それぞれの支援とは、
◆ 業務支援
自分にはない専門的知識・スキルを提供してくれる
仕事の相談にのってくれる
仕事に必要な情報を提供してくれる
仕事上の必要な他部門との調整をしてくれる
自分の目標、手本となっている
自律的に働けるよう、まかせてくれる
◆ 内省支援
自分について客観的な意見を言ってくれる
自分自身を振り返る機会を与えてくれる
自分にない新たな視点を与えてくれる
◆ 精神支援
精神的な安らぎを与えてくれる
仕事の息抜きになる
心の支えになってくれる
プライベートな相談にのってくれる
楽しく仕事ができる雰囲気を与えてくれる
このアンケートには富士ゼロックス総合研究所(FXLI)との共同研究が含まれているとのことです。
本書を論文として見た場合、かなりの完成度だと思います。
また、本として見た場合も、素人でも読みやすい良書と思います。
けど、何か現実と合っていないんですよねぇ。これだけじゃないというか。
確かに、アンケートで聞かれたらこう答えると思うのだけれど、支援は「パーソナリティとの組合せ」で効いてくるものだと思うから、一般論として正しくても個別のケースにはなかなか合致しないと言いますか……。
鵜呑みにさえしなければ、面白い本ではあるし読む価値は大と思います。 -
職場での学びを、研究すると難しいんですよね。
この本は、今までの研究の歴史も書いてくれています。
それに続いて、職場での学習についてインタビュー調査やアンケートをしておられます。
それによると、職場では人は、
・業務支援
・内省支援
・精神支援
の三つの支援をうけてるのだそうです。
また、能力の向上については、
・業務能力向上
・他部門理解向上
・他部門調整能力向上
・視野拡大
・自己理解促進
・タフネス向上
など、6次元の項目が概念としてあげられるのだそうです。
これらの学習を、誰が支えるか?
として、上司、先輩、同僚からの各種の支援が組み合わさって、成長するフィールドが形成されるのだそうです。
ちょっと最初が難しかったですが、読むと引き込まれました。
最後は、ラーニングバーをされているだけあって「越境学習」についての考察もあります。
職場だけじゃい学習が流行ですよね?
朝活とか、ワークショップとかね。
それはどこに位置するのか、どのような要素を学べるのか・・・
研修医の学習フレームを調べてみたいなぁ。
ま、誰も興味ないかもしれないけど・・・ -
指導教員である中原先生の本。職場の中で学習を科学するといった内容。そのときに大事な視点は、職場における「他者」の役割。自分の成長は「どんな人がどういう支援をしてくれたことによってなされたのか」について明らかにしている。
指導教員の本なので調査の概要や結果については既に知っていたが、先生がここ5年くらいにやっていた研究をこのようなカタチでまとめたのだなということが、そのプロセスを見ていただけに感慨深かった。詳しくはあとでブログに書く。 -
チョーお奨め。
人事、採用、教育等に関わる方必読。