職場学習論―仕事の学びを科学する

著者 :
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130402507

作品紹介・あらすじ

人は職場で「他者」とどのようにかかわり、学び、そして成長するのか?人材育成に有効な職場の原動力を、ビジネスパーソンに必要な3つのキーワード「業務支援」「内省支援」「精神支援」から解き明かす。仕事における能力向上をデザインするための一冊。業績向上や社内コミュニケーションの改善をめざす人材育成担当者、「仕事の学び」を向上させたいすべてのビジネスパーソン必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • とある人の講義スライドに出てきた本。
    職場での学習を科学した本ということで気になって読んでみました。

    読んでみたの感想は、本というより、論文のダイジェスト版って感じ。
    研究者ではない一般のビジネスマンにとっては、
    研究の結論だけつまみ食いするので充分元が取れるような気がします。

    面白かったのが、職場での学習が起こる原動力に3つの支援ー業務支援、内製支援、精神支援ーがあるということ。
    確かに言われてみればその通り!
    あまり言語化したことはなかったけれど、
    社内で新人や後輩を育てたことのある人は、
    無意識の内にこの3つの支援を行いながら、新人を育てていたはず。

    そして、驚きと言うか興味深いのが、
    ・上司は業務支援をたくさんしているが、部下の能力向上にはあまり寄与していない。
    ・一方、上司は精神支援が少ないが、精神支援が部下の能力向上に与える効果は高い。
    これって、いかに(日本の)上司が部下を育てるのが下手かってことか。。

    じゃあ、業務支援と能力向上の相関があるのは、誰からの支援かと言うと、同僚・同期とのこと。
    なるほど、自分の場合は同じ仕事をしている動機は少なかったけれど、
    確かに同じチームの年の近い先輩にはよく助けられたものです。

    全部をしっかり読むというよりは、各章の最後のまとめだけでも読んでおくと、
    職場の・自分のチームの部下育成に対する考え方が精錬される本だと思います。

  • ”酒井穣さんがメルマガで激賞していたため購入。「組織」よりもミクロな「職場」での「他者とのかかわり」による学習がテーマ。

    <読書メモ>
    ・本書は(中略)「人は生きている限りにおいて常に学び続ける、あるいは、変わり続ける」という「人間観」に従って、のちの議論を進める。(p2)
    ★職場において人々が他者から受けている支援を3つの種類に分けた。「業務支援」「内省支援」「精神支援」の3つである。(p47)
    ★「職場」で向上させられる17の能力(p72)
     1)業務能力向上
      ?業務を工夫してより効果的に進められるようになった
      ?仕事の進め方のコツをつかんだ
      ?苦手だった業務を円滑に進められるようになった
      ?より専門性の高い仕事ができるようになった
      ?自分の判断で業務を遂行できるようになった
     2)他部門理解向上
      ?他者や他部門の立場を考えるようになった
      ?他者や他部門の業務内容を尊重するようになった
      ?他者や他部門の意見を受け入れるようになった
     3)他部門調整能力向上
      ?複数の部門と調整しながら仕事を進められるようになった
      ?初めて組む相手ともうまく仕事を進められるようになった
     4)視野拡大
      ?より大きな視点から状況を捉えるようになった
      ?多様な観点から考えるようになった
     5)自己理解促進
      ?自分のマイナス面を素直に受け入れることができるようになった
      ?以前の自分を冷静に振り返られるようになった
     6)タフネス向上
      ?精神的なストレスに強くなった
      ?精神的に打たれ強くなった
      ?我慢することを覚えた

     #新人が入社してからの成長を経年で追っていくのによさげな指標。10段階くらいで、本人、指導者、指導責任者でつけたらプチ180度診断として使えそう。

    (追加予定)”

  • 2940円購入2011-03-31

  • 他者との繋がりをデザインする。
    支援の構造を解き明かすと見えてくるスパイラル。

  • 図書館本 336.47-N33 (10010015738)

  • 自分がぼんやりと考えていて、うまく言語化できていなかった「職場における自己と他者」についての事柄が言語化されていて、「これだよこれ!」とワクワクしながら読み進めた。
    支援の形や互酬性規範のような、自分の中では一緒くたにまとめられていた関係性のカテゴライズを発見し、なるほどと感心した。

  • 学術的な方面から、職場教育に関して述べている本。
    結果だけみても良いし、中の統計的な部分を追っても面白いかもしれない。

  • どんな人からトレーニングを受け、その効果について統計学的に整理している。職種としては営業職とITエンジニアでは得られる効果が歴然と異なるのが面白い。

  • プレイフルラーニング関連2013-1-20

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著者プロフィール

立教大学経営学部教授

「2021年 『中小企業の人材開発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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