日本のメリトクラシー: 構造と心性

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  • 東京大学出版会
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  • / ISBN・EAN: 9784130511063

作品紹介・あらすじ

博士論文;博士論文

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  • 1

  • 4410円購入2010-09-27

  • 【目次】
    目次 [i-iv]
    はじめに [001-008]

    第一部 分析視角
    1章 伝統的アプローチ――機能理論・葛藤理論・解釈理論 011
    1 メリトクラシーの機能理論的説明 
    2 機能理論的説明の修復と綻び 
    3 メリトクラシー葛藤理論的説明 
    4 社会的再生産理論 
    5 メリトクラシーの解釈理論的説明 
    6 伝統理論の死角 

    2章 ニュー・アプローチ――増幅効果論と冷却論 047
    1 トラッキングと卜ーナメント移動 
    2 キャリア・ツリーとトーナメント移動
    3 増幅効果論と能力の社会的構成
    4 ディレンマとしてのメリトクラシー
    5 ゴフマンとクラークの冷却論
    6 縮小と再加熱

    第二部 経験的分析
    3章 受験と選抜 085
    1 学歴社会と受験社会
    2 傾斜的選抜システムと加熱
    3 層別競争移動と加熱
    4 制度としての受験生

    4章 新規大卒労働市場と選抜 121
    1 市場能力と選抜システム
    2 テータと調査
    3 新規大卒者の採用方式
    4 正規分布効果と楔型クォーター率効果
    5 魅惑戦略と選抜戦略
    6 類別主義に埋め込まれた新規大卒労働市場

    5章 内部労働市場と選抜 155
    1 地位達成モデルとキャリア・モデル 
    2 新規学卒同時採用と「ともぞろえ」昇進 
    3 昇進パターン 
    4 リターン・マッチと加熱 
    5 高学歴ホワイトカラー冷却 

    6章 学歴ノン・エリートと冷却 191
    1 文化葛藤論と地位不満論 
    2 調査校の概要 
    3 X校の生徒文化 
    4 「低位」同質的社会化 
    5 現地化と二次適応 
    6 したたかな適応と完璧な冷却

    第三部 結論
    7章 日本のメリトクラシー ――疑惑・戦略・狼狽 229
    1 社会的再生産理論再考
    2 メリトクラシーの日本型疑惑と戦略
    3 日本型メリトクラシーと人間像

    あとがき(一九九五年六月 竹内洋) [269-270]
    事項索引 [iii-v]
    人名索引 [i-ii]

  •  業績能力社会、特に学歴社会を中心に綿密に分析した書。
     それが機能理論と葛藤理論で成り立ち、社会統制装置となっている点を筆者は指摘。例えば、弁護士や医者になるためには専門的教育が必要。そのためには大学へ行かなければならない。ただ、大学へはIQなどとは無関係に、社会経済背景の高い者が行ける。また、そういった人たちは少数になり、支配者層になり、連帯し、他者を排除することによりメリトクラシー社会(学歴社会)が成り立つ。
     そんな感じで、ポスト工業社会によるハイパー・メリトクラシー前の学歴社会をつぶさにみていく。

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著者プロフィール

1942年、東京都生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授などを経て、現在、関西大学東京センター長。関西大学名誉教授・京都大学名誉教授。教育社会学・歴史社会学専攻。著書に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会、第39回日経経済図書文化賞)、『革新幻想の戦後史』(第13回読売・吉野作造賞)『清水幾太郎の覇権と忘却』(ともに、中公文庫)、『社会学の名著30』(ちくま新書)、『教養主義の没落』『丸山眞男の時代』(ともに、中公新書)、『大衆の幻像』(中公公論新社)、『立志・苦学・出世』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『教養派知識人の運命 阿部次郎とその時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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