- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130628143
作品紹介・あらすじ
技術が社会に多大な影響を与える高度技術社会の現在,企業に求められる新しい経営学とは? 米国・日本での大学や企業セミナーなどでの講義経験をふまえ,技術と経営の両面からバランスよく体系立てて書かれた初の「標準的」教科書.学生はもちろん,現代社会を生きる企業人の必読書.
感想・レビュー・書評
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本書を出発点として近い将来に技術経営学の確立してほしいという意味をこめて、「技術経営論」というタイトルにした、とあります。
本書では、技術経営の領域として次の7つの領域で捉えて、それぞれ1章づつを割いて過去の研究実績などを踏まえて論旨を展開しています。
1. 技術戦略
2. 技術マーケティング
3. イノベーション
4. 研究開発
5. 技術組織
6. 技術リスクマネジメント
7. 知識マネジメント
最初はこの領域分類が正しいのか具体的なイメージも湧かずに疑問でしたが、それぞれ読み進むうちに領域分類の意図がわかってくるような気がしてきます。
「おわりに」で、「本書の全体構成を決めるのに、それだけで試行錯誤の2年間がたってしまった」とあります。確かに領域分類も含めて章立ては非常に重要だと思います。少し論旨が追いにくいところがあったりしますが、力作で優れた本だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りた。
技術経営の本2冊目。前回が自分と合わなかったのに対し、こちらの本はすごく読みやすく感じた。
全体的に「一般的な経営論」を説明してから、「技術経営の場合はどうか」という流れ。また、そもそも技術とは何か、などを定義した上で話が進むので、何を説明しているかが分かりやすい。
最後にある章ごとのまとめも非常に簡潔で、とても良かった。 -
技術経営(MOT;Management of Technology)に関する本をいくつか読んでみましたが、この本が一番良いと思います。技術経営とは?というところから始まり、技術戦略、技術マーケティング、イノベーション、研究開発、技術組織、技術リスクマネジメント、知識マネジメントなど、技術経営論を全て網羅した内容です。第4章にイノベーションについて書かれており、この中でクリステンセンの「ジレンマ論」とキム&モボルニュの「ブルーオーシャン」について、その違いを論じている部分があったりします。MOTに興味があったら、これから読むと良いと思います。
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技術経営論の底本。網羅的、系統的であり、将来への示唆に富んでいる。
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技術経営のこれまでの考え方、今後の考え方について上手くまとめ、しっかりとした議論を提案している。特に、第3章技術マーケティングで、技術により顧客に新たな機会を提供するという視点は、製品の一部といった部分でなく機会と拡げたビジョニングからの一貫したマーケティングの重要性を説いているとして興味深かった。また、第8章知識マネジメントで、経験を重要としてコンピューターの技術によりマネジメントを促進させる視点も面白かった。