- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130633543
作品紹介・あらすじ
この本で相対論は学べません。ましてや人生は学べません。でもちょっぴり楽しくなれるかもしれません。物理屋の視点でつづる、痛快エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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「言語学バーリ・トゥード」関連本。
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「言語学バーリ・トゥード」で紹介されていて、興味を持ったので読んでみた、第一線の宇宙物理学者によるユーモア・エッセイ。「言語学バーリ…」同様、東大出版会からの出版で、同出版社同著者の著作には『解析力学・量子論』などが並んでいて違和感バリバリ。中身はアホっぽい文章(と註釈)の中にも、「科学とはなにか」とか「物理学的な世界観」という話題から敷衍されて「高校の科学教育はどうあるべきか」などの議論が展開されるなど、深淵な思想がある。
大学時代は物理そっちのけで複素解析だの微分幾何学だのを履修していて、物理学からの要請を抜きにしていったいどういうモチベーションでそういう科目を勉強できたのか、今思うとまったく謎だ。あらためて物理を勉強してみたいなぁと思った。 -
須藤靖さんのエッセイ集一冊目.万人向けとはいわないが,つぼにはまれば,こちらもなかなか面白い.
○×の国際性の話やサンドイッチに注文の話なんかに共感してしまった.
式はほとんどないが横書きで,脚注いっぱい.
東大出版会は脚注のたくさんある本を作り慣れているのか,毎日新聞社から出版された二冊目よりはるかに脚注が読みやすい.
最後の応用編にある(真面目な)「高校物理の教科書」という文章に強く共感した.今の高校の理科って,私たちの頃より格段に難しい.特に生物.社会でも歴史の教科書なんかもひどいと思う.とにかく要求される知識の量が半端ではない.ほんとうに高校でそんなに教える・学ぶ必要があるのかな. -
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面白かった。
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物理学者須藤靖(理物のセンセイ!)のエッセイ集。どちらが本文だか分からなくなるほど充実した脚注付き。
『この本で相対論は学べません。ましてや人生は学べません。でもちょっぴり楽しくなれるかもしれません。』とカバー折り返しにあるが、全くそのとおりの本。かの土屋賢二先生のエッセイを思わせる理屈っぽい(褒め言葉です)筆致、さらに随所に物理学の味付け・・・とかなり私好みの仕上がり。ユーモアたっぷりで、気軽に笑って読める。勿論それだけではなく、日本の理系教育に対する提言など考えさせる話題もしっかり散りばめられている。この辺りのさじ加減が丁度よかった。
こんな本も出せるんだな、東大出版会よ。
最近就職のことも考えて工学部に進もうかと思い始めていたというのに、こういう本を読んでしまうと理学部/物理学科への憧れがまた強くなるなぁ。本当に悩む。 -
〈指折り数えて〉エッセイ◎
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宇宙論という捉えがたい学問の専門家が見た人類の行動および物理学の考え方*1.基礎編は思わぬ展開でかなり面白い,まいった.応用編は一般の人に戻って,なるほど.最後はきれいに軟着陸でき,よかった.
*1 脚注が無いと深い意味が理解できない特殊な本. -
長文のレビューが消えた。
考えたことを備忘録的に。
笑いは非常識(非一般性)から生み出されるので、常識(一般性)を知らない人は自覚的に笑いを生み出せない。この著者は、その点すごい。
同じようなことは多くのことに当てはまって、幸せに浸るには不幸を知っていることが必要だし、悪に浸るには正義を知っていることが必要。だから赤ちゃんは、幸せにも悪にも浸れない。