精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険

著者 :
  • 東京大学出版会
4.26
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本棚登録 : 151
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130633642

作品紹介・あらすじ

新米魔術師になって数か月.ガレットの前にはさらなる波乱万丈の運命が待ち受けていた――『白と黒のとびら』第2弾は,チューリングマシンがテーマ.主人公をはじめとする様々な登場人物とともに,「計算」の本当の姿、またそれにまつわる数々の話題に親しもう.【上下巻】

感想・レビュー・書評

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  • 一言で言うととても面白かった。自分が今まで読んだ本の中で、ここまでストーリーと学問を美しく融合させた読み物はなかったと思うほどに、物語も、学問も、両方とも面白かった。学問の方については、最後こんなところまでこれるんだと感動すらした。作りが巧妙で非常に素晴らしいと思った。

  • 2017.2記。

    最初に書いておくが「めちゃくちゃ面白い」。

    チューリングマシン、より簡単に言ってコンピュータとは要するになにか。本書は、二進法、実行と停止、遷移図など、「計算」をつかさどる原理や仕組みについて、魔法使いの弟子が「いにしえの呪文を解読する」という物語の形を借りて解説。それがまた壮大な陰謀との戦いに仕立て上げられているのだからすごい。難点があるとすれば、論理式の解説部分が面白すぎて、恋や冒険のパートを読み飛ばしたくなるところだが、実はそれが理解のヒントになっていたりもするから侮れない。

    著者は言語学が専門のようで、計算とは何ぞや、を突き詰める過程では数学よりも言語が全面に出てくるところも典型的文系の私には鮮烈。それでいて、例えば「暗号理論」の部分では整数論の奥深さを垣間見られる。暗号化するより復号化(解読する)ほうがずっと難しい理由が「累乗(で暗号化する)よりも累乗根(で元に戻す)のほうがずっと計算が大変だから」という直観的な理解とか、個人としての収穫の一つ。

    蛇足だが、物語の輪郭は村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」だと予想する。というか併せて読み直せば相当の発見がありそう。そうか、計算士と記号士との戦いってのはこれか・・・と。「チューリングをめぐる冒険」というタイトルも「羊をめぐる冒険」からインスパイアされていそうだし。

  • 前作にも出てきた学者の友人たちと協力して、陰謀を暴いていくガレットたち。崩壊してしまった魔法をガレットが救えるのか。それにしても、前作のあんなところが伏線になっているとはなあ。

  • (特集:「先生と先輩のすすめる本」)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00538919

  • ガレットはティルを助けに浄罪界に行く。学術院のユフィンとガレットは破壊の書の謎を解くことに懸命になる。そして、ハウェイの子孫との戦いが始まった。今回はチューリング・マシンをめぐる話題である。

  • 値段はするけどストーリー、ふつうに楽しめる。
    長期的な恋だ。あーつら。

  • 2018.8.18市立図書館 →2020.4.3購入
    上巻を読み終え興奮冷めやらぬまま次を予約。ここまで別々に進んでいたガレットの成長物語とユフィン&ヴィエンの物語がいよいよ合流して、国全体を巻き込んだひとつの大きな歴史的陰謀の謎解きとなる。チューリングマシーンのしくみ(計算やコンピュータの基礎)に沿って展開する冒険は英雄によるとじこめられた乙女の救出という古典的な筋書きながら登場人物とともに手に汗握り心躍るものだった。数学の部分はある程度とばしても物語そのものは楽しめて、人によってうまくいけば数学的なことにも大いに親しめる作品なので、やはり図書館で400番台(数学書)の棚にあるのはちょっともったいない。
    登場人物が個性豊かでキャラが立っているので、(実写化はきびしいとおもうけれど)アニメ化はできるんじゃないかな…。

    (以前借りてとっくに読了している長女もこれさいわいと再読している…やっぱりそのうちちゃんと買おう)

  • 信じられなかった。

    僕は単にチューリングマシンの概念を楽しく学べればいいかなという軽い気持ちで読んだんですけど、なんで読み終わったとき僕の頬や鼻の下はなにかの液体でぐちょぐっちょだったんですかねぇ。(困)

    おまけのはずのストーリーが、本題の解説要素を完全に置き去りにして、本格ファンタジー感動巨編になってしまっているんですけど。(笑)

    登場人物もみな魅力的で、その役回りや、ストーリーの構成も素晴らしいとしか言いようがない。

    いや置き去りにはしてないですね。そこもちゃんとやってるとは思います。

    今まで読んだ本の中で一番面白かったかもしれん。

  • 180113 中央図書館

  • 図書館アルバイト学生さん推薦図書
    【所在] 3階開架
    【請求記号】 007.1||KA||2
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=179511

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著者プロフィール

言語学者

「2019年 『平成遺産』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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