自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語

著者 :
  • 東京大学出版会
4.36
  • (13)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 182
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130633680

作品紹介・あらすじ

勉強ぎらいでわがままな11歳の王子.彼の浅はかな言動がきっかけで,邪悪な魔術師により城中の人間が人形に置き換えられてしまった.その絶望的な状況に王子はどう立ち向かうのか? そして,城の人たちは無事帰還することができるのか? 「人工知能」と「人間の言葉」をテーマとして,『白と黒のとびら』『精霊の箱』の著者が創作する新たな世界.

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 物語目当てでもかなり面白かった。

  • 高校生のビブリオバトルにて紹介されていた本です。
    AIについてのブックトークの本の候補として読みました。

    主人公は、勉強嫌いでわがまま放題の王子ルーディメント。口うるさい教育係パウリーノや、自分の想いを察してくれない召使たちにイライラさせられどおしです。
    ある日、またもや彼らの「指示」に腹を立てていた王子に「聖者ドニエル」と名乗る道化がでてきます。
    彼は王子の望みをかなえる、と言い、城の召使を「王子の言うことを聞く人形」に変えてくれました。
    ところが、人形となった召使は王子の発言を「言葉の通り」に受け取り、「人間としての常識」からは大きく逸脱した行動をとるようになります。
    さらに、人形と猫(教育係パウリーノは「猫」に帰られていました)だけになった城に、王位継承をたくらむ王弟(ルーディメント王子の叔父)が現れ、王子は絶体絶命のピンチにさらされます。
    「聖者ドニエル」が邪神「アトゥー」を崇める悪い魔法使いであったこともわかり、人形と取り換えられてしまった城の召使たちがドニエルの元に囚われていることも明らかに。
    王子は城を守り、また召使たちを無事に元の世界に戻すことはできるのか……。

    王子の成長を描くファンタジーとしても十分に楽しむことができますし、人形に変えられてしまった召使たちに仕事を教える姿はAIのプログラミングにも通ずるものがあります。
    どちらの側面からも十分に楽しむことができる、よい作品でした。

    王子が人形(AI)との会話に苦心する姿を通して、人間が言語以外で伝えているコミュニケーション情報がいかに多岐にわたっているかということや、人間の「心情」がどれほど複雑で尊いものかということ、そして「言葉」のもつ力の強さをひしひしと感じることができました。

  • 人工知能(AI)技術の発達により知的な機械への期待が高まる中、我々人間がそのような機械に最も期待することは、ドラえもんとまではいかないとしても、「人間の言葉による指示を理解し、それを遂行するために適切な行動を取れること」であろう。本書は、単なる「言葉の意味の理解」を超えた課題として、「(人工知能による)意図の理解」に焦点を当て、物語形式で意図理解を巡る課題を説いている。意図理解の前提となる音声認識や意味理解、それらを巡る現在の技術的状況を取り上げた、著者の『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』の続編的な位置付けの書である。
    王子を主人公としたファンタジー要素のある物語を読みながら、意味理解の先にある「意図理解の難しさ」がよく理解できる優れた本である。AI技術がいくら発達しても、そう簡単にドラえもんのような人間の意図をちゃんと理解できるロボットの実現には至らないだろうな、ということを感じた。
    物語が終わった後に、言葉による意図理解等についても解説もあり、この問題についての理解がより深まるようになっている。一方で、AIによる意図理解等についての関心を度外視しても、本書(の中の物語)は、単純に少年の成長物語、仲間との信頼の物語として非常に面白く、読みだしたら止まらなくなること請け合いである。

  • 悪い魔法使いによって周りの人間がことばを理解するだけの自動人形に入れ替えられてしまった王子が悪戦苦闘しながら人形への命令方法を学んでいく物語。

    言語の多義性や曖昧性(焼き鳥の串を渡して「回しながら焼いて」と言えば普通は串を中心に回転させるが常識のないロボットにとっては様々な回し方があるとか)の問題を扱っているが、それにしてはちょっと冗長かなぁ、、、

    巻末1割ほどが著者による解説になっており、これを先に読んでもいいかも

  • 『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』が面白かったので今回も期待して読んだ。今回はAIに学習させるのではなく指示の与えかたがポイント。始めのうちは通じないのが当たり前の命令ばかりだったけど、だんだん効果的な指示を出して人形を使いこなせるようになるのが面白い。AI方面だけでなく、少年の成長物語のファンタジーとしても面白かった。

  • 【電子ブックへのリンク先】

    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00009991

    ※学外から利用する場合は、学認でログインしてください。SSO-ID(教職員)又はELMS-ID(学生)でログインできます。

  • 【投票者イチオシ】世界観の設定がしっかりしていて面白そうだった。https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001133337/?lang=0

  • (特集:「先生と先輩のすすめる本」)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00543308

  • とても面白かった

  • 3.7

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

言語学者

「2019年 『平成遺産』 で使われていた紹介文から引用しています。」

自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語のその他の作品

自動人形の城 Kindle版 自動人形の城 川添愛

川添愛の作品

自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語を本棚に登録しているひと

ツイートする