記号と再帰: 記号論の形式・プログラムの必然

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  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130802512

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  • ソシュールの二元論やパースの三元論といった,事物表象に対する認識概念を整理する記号論を,人工言語の一種であるプログラミング言語に当てはめて,プログラミング言語を汎記号論的に分解していく.対象はJavaなどのオブジェクト指向言語とHaskellなどの関数言語が中心であり,その他はあまり出てこない.ラムダ式と不動関数を三元論に当てはめたり,オブジェクト指向でいう継承関係を二元論の連鎖に当てはめたり,入出力系を汎記号論における再帰で表現しようとしたり,少々突飛な説ではある.
    しかしラムダ式の表現やカリー化の遷移,参照透明とモナドの解説は,他関連書とは違う視点での解説であり,オブジェクト指向言語との比較していく部分は興味深かった.
    普段から人間の行為をシステム化(デザイン化)する難しさに悩んでいる人には,視点を増やすという意味では役に立つかもしれない.実際に実務で役に立つかどうかは別の話だが.

著者プロフィール

東京大学先端科学技術研究センター教授

「2021年 『言語とフラクタル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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