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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784130860642
作品紹介・あらすじ
大江健三郎という作家の全体を、「犠牲」のテーマから一貫して解釈しえた画期的研究。イメージ分析を主軸として、様々な領域のテクストからの影響、同時代的な社会状況、故郷の歴史・空間性などを踏まえて、大江作品における死生観を詳細に描き出す。【第12回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】
みんなの感想まとめ
「犠牲」をテーマに、大江健三郎の作品を前期から後期にわたり一貫して読み解く本書は、彼の文学の深層に迫る画期的な研究です。博士論文を基にしたこの著作は、特に「同時代ゲーム」の分析から始まり、難解な作品を...
感想・レビュー・書評
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大江健三郎のキャリアは長大であり、当然ながらその作品群には変遷がある。個人的にはデビューから「万延元年のフットボール」あたりまでがいちばんおもしろく読みやすいし、大江本人がレイトワークと名付けた仕事群にはいまいちピンとこないところもある。
本書は博士論文を書籍化したものだが、「犠牲」をテーマとして前期から後期までの大江作品を串刺しにして読み解くものである。こう書くと、なかなか乱暴に聞こえるかもしれないが、読んでみると実際に通底しているように思えてくる。たぶん、そう。
まず「同時代ゲーム」の分析から本書は始まる。あのわかりにくい小説である。
本書のタイトルには犠牲の森とあるが、大江には二本の軸があるという。「犠牲となって死んでいったものの亡霊性をめぐる思考、あらゆる個の魂を包括する『総体』としての超越的存在をめぐる思考」。それがわかりやすく顕現されているのが「同時代ゲーム」であり、よって前半で緻密に分析されている。
これだけだと単なる二項対立のように見える。個人と超越的存在、といえばキリスト教圏である欧米圏の小説で現れやすいテーマだが、それだけだとわざわざ論文にするほどでもない。しかし「同時代ゲーム」から始まる本書は、複雑化する大江作品を精緻に読み解いていき、前期も後期も時間軸を行き来しながら分析していく。
本書は十年がかりの仕事だったらしいが、それに見合うだけの読み応えがある内容だった。 -
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203 壊す人
212 三島の自決
215 バシュラール
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