大衆の病理 袋小路にたちすくむ戦後日本 (NHKブックス 518)
- 日本放送出版協会 (1987年1月1日発売)
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感想 : 4件
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Amazon.co.jp ・本 (237ページ) / ISBN・EAN: 9784140015186
みんなの感想まとめ
現代の大衆社会の問題を鋭く掘り下げた本であり、著者は高度な教育を受けた大衆の実態とその影響を批判的に考察しています。過去の大衆批判の視点を踏まえつつ、著者は平等主義や快楽主義がもたらす危機感を示しなが...
感想・レビュー・書評
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戦後の日本社会の進展とともにいよいよ昂進してきた大衆社会のなにが問題なのかということを、著者自身の立場にもとづいて論じている本です。巻末には、著者とおなじく経済学を主要な活動の舞台としつつ社会思想史的な考察をくりひろげてきた佐伯啓思と間宮陽介の二人が、著者に質問を投げかける「共同討議」が収められています。
大衆批判の歴史はそれなりに古く、バークやトクヴィルの貴族主義的な立場からなされたものや、フロムのように大衆の主体性や自律性の欠如を批判するものがあります。しかし著者は、現代の高度大衆社会には、これらの批判はもはやそのままあてはまるものではないといいます。現代の大衆はかつては考えられなかった高度な教育を受けており、現代社会を主導する地位にあるからです。
一方オルテガの『大衆の反逆』では、精神主義というべき立場からの大衆批判がおこなわれていました。そして著者は、「オルテガのいったことを真正直に受け止めています」と語り、高度大衆社会における平等主義と快楽主義がそこから逸脱する精神を飲み込んでますます高度化していることに対する危機感を表明しています。こうした高度大衆社会の波は、著者自身をもそのうちにとり込んでいますが、著者はそのことをなかば認めつつも、大衆社会を生きるわれわれ一人ひとりは、かならずしもそうした運動のうちに埋没してしまっているのではなく、そこから距離を置き、自分たちの生きている現代の状況を批判的に見るまなざしをうしなっているわけではないと主張しています。
こうして著者は、ペシミズムに陥りかねない状況を見据えながらも、伝統の知恵を学び現代にそれを活かすことに希望を求めようとしています。
煩瑣な図を多く掲載しながら現代社会についての説明をくりひろげるのには辟易させられましたが、興味深く読むことのできたところもあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(1996.06.25読了)(1987.01.24購入)
袋小路にたちすくむ戦後日本
(「BOOK」データベースより)amazon
進歩主義を指標とした戦後日本のイデオロギーに批判の矢を放ち、「豊かさ」と「等しさ」を実現した高度大衆社会の虚妄を鋭く問いただす。
☆関連図書(既読)
「批評する精神Ⅳ」西部邁著、PHP研究所、1993.02.26
「ポップコン宣言」西部邁・秋山祐徳著、光文社、1995.05.30
「思想の英雄たち」西部邁著、文芸春秋、1996.04.25
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