現象学入門 (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
3.74
  • (28)
  • (27)
  • (50)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 447
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140015766

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 西洋哲学史の本を読み、フッサールの現象学に、興味を持ち、本を手に取りました。現象学について、自分なりに、学ぶことができて、たいへんありがたい一冊でした。

  • 2017.5.6
     現象学の格好の入門書。竹田青嗣さんの現象学理解は俗説であるというような批判がある、という説明をよく聞くんだけど、一体どこでそれが言われているのか、その俗説批判の出所をみたことがない。
     意識経験という場に立ち返ることで、そこから一切の意味や価値、存在認識がいかに構成されていくかを問うのが現象学であるが、彼はそれを「確信成立の条件を問う」学問だという。これは、「意識経験という場に立ち返ることで、そこから一切の意味や価値、存在認識がいかに構成されていくかを問う」という現象学の説明そのものを、現象学的還元を通して、その意味を再構築して出てきた言葉かもしれない。そしてその説明に私は納得している。
     正直入門書と言っているのに難しいし、現象学について入門的に語っている本は他にも木田さんとか谷さんとかある。比較検討した上で、私なりの「現象学」の定義をしっかり作っておきたいと思う。

  • (個人的メモとして:感想・考察は以下の個人ブログに記載
    http://blog.livedoor.jp/saboly/archives/4233000.html

  • 読み直したさ:★★☆
    契約解釈の間主観とかいうことをどこかで聞いた気がするが、この本を読み終わった今思うに、これは概念の誤解である。
    〈感想〉
    現象学の髄が分かった(気がする)。丁寧に書かれているので、じっくり読めば、分からないということはない。
    これからフッサールの著作を幾つか読みたい。

  • 今まで余り馴染みのなかったフッサールの現象学を、この手のジャンルとして非常に分かりやすく説く。
    デカルト、カント、ヘーゲルの近代哲学の流れを追った後、それらでは解明できなかった主客一致の問題を還元という手法を元に、一貫した論理で明らかにする手法には感銘を受けた。
    通俗的批判への回答と、ハイデガーの存在論への展開も示されており納得できるものであった。
    著者の解釈が多分に入っているが、原書を読む程の余裕と知識がないものにとってはありかと。

  • 私は、この本で自分の人生観が変わりました。私の場合、高校時代から悩んでいたことがこの本に出会うことによって、見事に解決したのです。私にとっては、キリスト教徒にとっての聖書、イスラム教徒にとってのコーランみたいなものです。

    したがって、私にとって、人生の最高の本は何かと問われれば、躊躇なくこの本を上げます。もう何回も読みました。

    特にこの世に正解を求めざるをえないことに苦しさを感じている人に、つまり因果律で生きる事に息苦しさを感じている人にお薦めします。

    人によっては、これに苦しんでフィクションに流れる人もいますが、私の場合は、竹田さんの思想で見事に救われました。

    竹田さんの現象学は、フッサールの現象学ではないという人も数多くいますが、私にとってはどうでもいいこと。私は、学者ではないですから。哲学するということがどういうことか?その事によって、自分の世界観がどのように変わったのか?それは革命的変わり方でした。

    ぜひお薦めします。

  • わかりやすい!対象となる物事を深く、深く理解していることがわかる、明晰なロジックと平易な文章。以前挫折した「これが現象学だ」よりも、語っている内容の範囲は狭いが、一番大事な「還元」についてこれでもか、これでもかと繰り返し説明してくれる。それほど、誤解を受けやすい概念なのだろう。
    Amazonのレビューによれば、この本の内容については異論・反論も数多いとのことだが、この本をきちんと理解すれば、それらの異論についても素早い理解が得られるのではないか。

    とはいえやはり骨太な本なので、電車の中などで一度読んだだけでは理解できていない点が多数。もう一度読むのも苦にならない本なので、また読むのも楽しみ。

  • フッサール現象学についての入門書。
    著者の説明が丁寧で、かつややこしいところでは身近なもので例示してくれたりイラストで説明してくれたりするので非常に好感が持てる。

    私自身は浅学にして近代思想はよく知らなかったのだが、「主観―客観」という二項対立の図式こそが通底するテーマだという著者の主張は、なるほどなぁと思うこと頻り。いわゆる「客観」だけでは説明できない個別の「主観」がある…というのは理解できる話だが、今度は個別であるはずの主観から「共通認識」が如何に生じるのかという問題が出てくる。この辺を解決するために、フッサールは主観からスタートするという方法を取ったのであり、単なる独我論的な主張とは一味違う…といったところか。
    これはあくまでこの著者の考えだと思われるが、面白い。他にも関連書を色々読んでみたくなる。思想・哲学の概略が第一章に書かれている点も、私のような人間にはとても嬉しかった。

    心理学や社会学などで観察法に携わっている人は何かしらの示唆やネタを得られるかもしれませんので一読すると良いかも。

  • 竹田さんの現象学愛がとにかく伝わってきて、一冊の本として共感が持てる。内容の分かりやすさは屈指で、哲学をあまり学んだことがない人でもこの本を丁寧に読み込めば現象学とはどんな考え方か、だいたい掴めるはずだ

    キーワード解説から前史、後の影響まで過不足ないが一番いいのはフッサールへの批判に一々丁寧に反論していること。曰く現象学は形而上学ではない、現象学は主客二元論ではない、現象学は独我論ではない…ありがちな誤解のほとんどが退けられている。それがフッサール自身の思想にどこまで忠実かの判断はつかないが、入門書としては、あるいは竹田さんの問題意識や他の著作に思索の糧を学ぶならあまり問題にはならないだろう

    ただ、竹田青嗣のエロス的現象学もまた、現象学批判の格好のターゲットではないかって疑問も。ともあれ、現象学初めの一冊としては十分なハイクオリティ、あとはここからフッサールや他の本まで手を伸ばすことだ

  • 購入予定。

著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、『プラトン入門』、『言語的思考へ』、『人間的自由の条件』、『完全解読 カント『純粋理性批判』』、『完全解読 フッサール『現象学の理念』』ほか多数。

「2017年 『ハイデガー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

竹田青嗣の作品

ツイートする