「明治」という国家 (下) (NHKブックス 683)

  • 日本放送出版協会 (1994年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784140016831

みんなの感想まとめ

明治維新の歴史的な重要性と、その功績者たちの複雑な人間模様を描いた作品で、幕末から明治初期にかけての志士たちの評価やエピソードが豊富に紹介されています。特に、徳川慶喜や西郷隆盛、東郷平八郎など、歴史的...

感想・レビュー・書評

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  • 明治維新の最大の功績者は、最後の将軍・徳川慶喜で、退くにあたって全権を渡し、德川の葬式を任せたのは勝海舟と〝国民国家の樹立〟、「西郷(隆盛)、大久保(利通)に騙された」と歯噛みして憤った島津久光、「会津藩の百姓・町人が藩と共に動いていれば、あんな短い攻囲戦で済まなかったろう」と回想する板垣退助と〝国民〟の概念、西南戦争で「このへんでよかろう」と自害した西郷と最後の侍、 「バルチック艦隊は一隻残らず、日本海に沈めよ」の大命題を負う司令長官・東郷平八郎と作戦参謀・秋山真之の逸話など、時代の興亡に迫る。

  • 独自の視点でここまで説得力のある、しかも読みやすい文体での語りができるなんて司馬さんは凄いと思った。
    これだけ語れたら楽しいだろうなぁ。
    司馬さんみたいになりたい。

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  • 「木村摂津守を憎んではいけない。わるいのは、封建制だ」
     というのが、勝のこの場合での醸造酒です。その醸造酒を、さらに蒸留してアルコール純度を高めたものが、蒸留酒でしょう。比喩になりますが、思想は、酒(※蒸留酒?)というべきものです。
     思想は人を酔わせるものでなければなりませんが、勝の中で粗悪ながらも醸造酒が出来たのです。ただこの酒は、勝当人だけを秘かに酔わせるだけのもので、他に及ぼすことはできません。〝木村がわるい〟では素材であっても酒ではありません。〝封建制がわるい〟となると、やや普遍化して酒になります。が、かといってわるければどうすればよいかがないため、単に自分自身を酔わせるだけになります。ただし相当悪酔いする酒ですね、仏教でいう往相があって還相がありませんから。
    〝ではどうすればよいか〟
     が、蒸留化への道でした。そこで、勝は長崎時代、全身で吸収したカッテンディーケのオランダ国の国民思想とその体制を思いだしたでしょう。
    〝国民を創出すればよい〟
     つまり、国民という等質の一階級をつくりだすことです。

  • 明治という時代にはあれだけの有名人が活躍していたという、当たり前だけど面白い話が多い。

  • いろいろ読んでみたい本につながっていく感謝です。

  • 前半は、若き日の新島襄、東郷平八郎の姿を通して、「日本」という新しい国家を担おうとする気概に溢れた時代状況を生き生きと描き出しています。

    「明治」という新しい時代を築き上げていったのは、江戸時代からの遺産である武士のエートスを持つ人びとでした。著者はこうしたエートスを示す例として、西南戦争に身を投げ出していった西郷隆盛と、そのことを高く評価した福沢諭吉の『丁丑公論』を紹介しています。

    しかし、「日本」という新しい国家の「国民」となったのは、彼らのような著名人だけではありませんでした。「阿Q」のような、道徳的緊張や士族的な文化を共有していない大勢の人びとを「国民」にまで引き上げようとしたのが、自由民権運動から憲法発布に至るまでのプロセスにほかならないと著者は言います。著者自身は、プロイセンを範にとった「国民国家」の創出にやや批判的な立場を表明していますが、国家と一体感を持ち、国家の運命を自分で決めうる「国民」がこうして生まれたことは認めなければならないと著者は考えます。

    こうした著者の明治時代の理解には、曲がりなりにも近代国家を築き上げた先人たちの偉業に対する尊敬の念と、後年の日本が陥ることになった問題の種子が生み落とされたことに対する痛切な思いが、ない混ぜになっているように思えます。

  • 坂の上の雲で知った、明治国家の面白さに陶酔。

  • 明治期の日本、南北戦争後のアメリカ

  • [ 内容 ]
    二十世紀は「明治」に始まり、いま、その総括の時期にある。
    激動の昭和が終わり平成となった年は、世界史の一大転換期でもあった。
    時代のうねりは、歴史を書きかえ、人びとは、自らの行く手に思いを馳せる。
    歴史のなかに、鮮やかな光芒を放った“「明治」という国家”、その「かたち」を「ひとびと」を、真摯に糺しながら、国民国家の形成を目指した“明治の父たち”の人間智と時代精神の核と髄とを、清冽な筆致で綴り、日本の国家と日本人のアイデンティティに迫る。

    [ 目次 ]
    第7章 『自助論』の世界
    第8章 東郷の学んだカレッジ―テムズ河畔にて
    第9章 勝海舟とカッテンディーケ―“国民”の成立とオランダ
    第10章 サムライの終焉あるいは武士の反乱
    第11章 「自由と憲法」をめぐる話―ネーションからステートへ
    おわりに “モンゴロイド家の人々”など

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 司馬遼太郎が、明治に新しい国家を設計・建設した人々の志の高さと気概について講演した内容をまとめた本。

    NHKブックスらしい、実践的な教養を真摯な読者へ、というニーズにはうまく合致している。リラックスして読むのにちょうど良いが、司馬の愛読者であれば改めて手に取るほどのことはないだろう。

    勝海舟、小栗上野から伊藤博文に至るまで多くの人のエピソードが、あちこち飛び火しつつ紹介されている。

  • ・2/5 読了.

  • こちらも読み応えがありました。  でも一番印象に残ったのは「こんなものを残してしまった言い訳」的な書き方をされていらっしゃる「モンゴロイド家の人々」でした(笑)  なんだかとっても悠久の香りがして、目を瞑ると壮大な草原が見えてきたりもして、ちっぽけな人類の大きさ・・・・みたいなものを感じました。  人種・宗教の話って例えばパーティの席なんかでは避けた方が無難な話題とされているけれど、こうやって文字の世界で読んで、司馬さんと一対一でお話しているような妄想の中では、楽しめる話題なんだなぁと改めて実感しました。

  • 読了

  • 明治時代の人物とかあまり知らなかったけど、彼らの働きによって今の日本が作られていることが少しは理解できた。

  • 江戸の遺産と明治の基礎。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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