リトアニア―小国はいかに生き抜いたか (NHKブックス)

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  • 日本放送出版協会
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140017760

作品紹介・あらすじ

社会主義革命、世界大戦、東西冷戦と、大国の利害に翻弄された小国リトアニアは20世紀をどのように生き抜いてきたのであろうか?処刑や流刑、追放に怯えながらも果敢に大国に立ち向かった青年たちや、シベリアから生きて帰ることのできた元パルチザンが語る数々の恐るべき事実。密告、裏切りなどによる民族の心の傷を、これからどのように回復するのか。リトアニアの20世紀を証言で綴り、21世紀の人類の課題を考える。

感想・レビュー・書評

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  • バルト3国旅行後に手に取った本
    今や観光地としての地位が確立されつつあるようにも見えるバルト三国の一国リトアニアの歴史がこれ程までに暗いものだとは知らなかった。
    旅先で見たリトアニアと本書で読んだリトアニアがどうしても一致してこないので、この本が書かれた時期から現在までの20年間にどれほどの変化があったのか、もっとよく調べて見る必要があるなぁと感じた

  • 初出は1996年と、20年近く前になる。

    リトアニア、バルト三国とひとくくりにされてしまう国が
    たどってきたこの20世紀の歴史……
    ソ連邦の下で行われていたことに、戦慄する。
    ナチスの非人間的な行為は、負の世界遺産・オシフィエンチウム(アウシュヴィッツ)を通し、広く知られている。
    ソ連は「カティンの森」事件やシベリアのラーゲルがあるが、
    私はほとんど知らずに、関心もなくきてしまった。
    人はこれほどまでに非道に残虐になれるものなのだと思い知る。

    著者は、パルチザンの生き残りや関係者が涙ながらに語る言葉を、
    彼らの命あるうちに形にせねばと急いで書き上げたという。
    当時、リトアニア本国は独立したとはいえ、まだ国民はKGBを恐れ
    口を固く閉ざし、疑心暗鬼もあったそうだ。
    今はどうなっているのだろうか?
    独立から二十年、生まれた子どもも成人する頃だ。
    『地球の歩き方』の美しいのどかな国に、こんな歴史があった……
    今の姿も知りたいと強く思う。

    残念だったのは、文章が翻訳調というか、なんというか読みにくいこと、この上なし。
    「~た」で終わる文が段落全体にわたって繰り返され、前後の脈絡もつかめないことが多々ある。
    学者の悪文の典型かもしれない。
    そこはマイナス要素なのだが、当時六十歳代の著者が外国人ながらリトアニアに入り、ここまで取材を重ねたことには敬意を表したい。

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著者プロフィール

大阪市生まれ。
1968年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。
オーストラリア国立大学高等研究所太平洋地域研究部。
金沢大学文学部教授、国立民族学博物館併任教授。
中部大学国際関係学部教授、同大学国際地域研究所長。
現在、中部大学名誉教授、専攻・オセアニア研究、民族問題研究。
リトアニア国立ヴィトータスマグナス大学客員教授。

【主要著書・訳書】
『南太平洋の環礁にて』(岩波新書、1967年)、Leadership and socio-economic change in Sinasina, New Guinea Highlands (New Guinea Research Bulletin 45), Australian National University Press, 1972、『われらチンブー─ニューギニア高地人の生命力』(三笠書房、1973年)、A Bibliography of Micronesia compiled from Japanese publications 1915-1945(学習院大学東洋文化研究所、1979年)、『ニューギニア高地社会』(中央公論社、1981年)、『リトアニア─小国はいかに生き抜いたか─』(NHKブックス、1996年)、以上単著。『東北アジアの歴史と社会』(名古屋大学出版会、1991年)、『憎悪から和解へ─地域紛争を考える─』(2000年、京都大学学術出版会)、『リトアニア─民族の苦悩と栄光─』(2006年、中央公論新社)以上編著・共著。『サモアの思春期』(マーガレット・ミード著、蒼樹書房、1976年、共訳)、『フィールドからの便り』(マーガレット・ミード著、岩波書店、1984年)、『ニューギニア紀行─19世紀ロシア人類学者の記録─』(ニコライ・ミクロホ‐マクライ著、平凡社、1989年、共訳)、以上訳書。その他、論文多数。

「2013年 『ニューギニアから石斧が消えていく日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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