「育てられる者」から「育てる者」へ 関係発達の視点から (NHKブックス 938)
- 日本放送出版協会 (2002年3月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (316ページ) / ISBN・EAN: 9784140019382
みんなの感想まとめ
発達の過程における「関係発達」という新たな視点が提案されており、従来の単線的なモデルを超えて、育てられる者と育てる者の相互作用が重要であることを強調しています。著者は、育てられる者が自己を実現し、自律...
感想・レビュー・書評
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著者は、従来の発達心理学が「子どもから大人へ」という単線的な発達のモデルしか描き出していないことを批判しています。そのうえで、〈育てられるもの〉と〈育てるもの〉とのかかわりのなかで、関係そのものがしだいに深いものに成熟していくという「関係発達」の観点が打ち出されます。「関係発達」とは、〈育てられるもの〉が〈育てられるもの〉として、また〈育てるもの〉が〈育てるもの〉として、両者の関係のなかで成熟していくという意味と、両者の関係そのものが成熟しているという意味とを併せもつ、本書の中心概念です。
ただし著者は、関係の第一次性の立場から、個人の独自性を関係のなかでの位置に還元してしまうわけではありません。〈育てられるもの〉は、〈育てるもの〉から社会的に適応することを躾けられますが、それは同時に〈育てられるもの〉自身の自己が関係のなかで実現されることであり、〈育てられるもの〉自身の自律につながっているとされます。他方〈育てるもの〉は、〈育てられるもの〉がみずからの手元から離れて自律した主体を獲得するように〈育てる〉のでなければなりません。こうして、〈育てられるもの〉自身がやがては〈育てるもの〉へと育っていくことになります。
著者は発達心理学の専門家ですが、メルロ=ポンティの哲学にも造詣が深く、自己と他者とのかかわりについての哲学的な考察に基づいて「関係発達」のモデルが論じられているところに、本書の特徴があります。ただし、本書では「関係発達」の全体像がスケッチとして提示されるにとどまっているため、既存の枠組みが天下り式に与えられているような印象を受けてしまい、具体的な〈育てられるもの〉と〈育てるもの〉との関係が見えてこないきらいがあります。別の著作で著者は、個別的な親子関係のありように密着して考察を展開する「エピソード記述」という方法を採用して、「関係発達」の理論が具体的な場面から立ちあげられていくプロセスを提示していたのですが、紙幅の制約のためにやむをえないことだとはいえ、少し残念に感じます。 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:143||K
資料ID:51200473
小児看護に必読。
(小児看護学領域推薦) -
H14,11,9と日付を書いている。子どもを持つことが怖いという生徒と接する機会が増えたことを受けて、なぜだろう?と読んだ本。
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読了メモ。鯨岡峻『〈育てられる者〉から〈育てる者〉へ』。主体の大切さと、関係性の変化、リサイクル。ここでは主に親子関係を論じているが、この視点はあらゆる場面で必要。平等で、不可欠な、喜怒哀楽の中を、制約のある自己実現を目指し、営みの中で変化していく。関係性を問い直す一冊。
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育てられる者から育てる者へという役割の転換を、自分でどう受けとめていくのか、その難しさを考えさせられます。
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