文明の内なる衝突: テロ後の世界を考える (NHKブックス 943)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140019436

作品紹介・あらすじ

9・11テロは、文明の「外敵」が引き起こした事件というだけではない。アメリカを含む「私たち」の内にも、イスラーム原理主義に呼応する側面があるのではないか?テロリストは、私たちの内なる欲望を映し出す鏡ではないか?文明間の衝突は、同時に私たちの文明の内なる衝突ではなかったか?現代世界の深層に横たわる葛藤の根源的要因を、"資本"のグローバル化との関連で鋭く読み解き、この葛藤を乗り越えるための思想的・実践的課題を模索する、著者渾身の書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 赦しなるものが実際にどれだけのシーンで有効かどうか、現実的かどうかなどはこの本の評価において問題にならない。
    分析と問題設定、状況を問題化する仕方、そして筆者の構えにこそ、学ぶべきところはあり、そこを読むべきだろう。

    シャルリーエブドに、イスラム国、今こそ改めて読まれるべきだろう。

  • [ 内容 ]
    9・11テロは、文明の「外敵」が引き起こした事件というだけではない。
    アメリカを含む「私たち」の内にも、イスラーム原理主義に呼応する側面があるのではないか?
    テロリストは、私たちの内なる欲望を映し出す鏡ではないか?
    文明間の衝突は、同時に私たちの文明の内なる衝突ではなかったか?
    現代世界の深層に横たわる葛藤の根源的要因を、“資本”のグローバル化との関連で鋭く読み解き、この葛藤を乗り越えるための思想的・実践的課題を模索する、著者渾身の書き下ろし。

    [ 目次 ]
    序章 9・11テロ、そして社会哲学の失効
    第1章 文明の内的かつ外的な衝突(資本主義への攻撃か?;テロリストへの憧憬 ほか)
    第2章 イスラームと資本主義(「交換」の論理;ラシュディ事件再考 ほか)
    第3章 原理主義的転回(国外における内戦;「生きよ!」と命令する権力 ほか)
    第4章 弱くかつ強い他者たちへ(セキュリティの逆説;さまざまな「解決」 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 大澤真幸が、911テロの問題を様々な視座から抜本的に問い直していく。
    『虚構の時代の果て』でも言えることですが、やはり他者の他者性、他者としての他者、あるいは「他者」といったものが
    大澤真幸を読み進めていく上で基幹となるテクニカルタームであると思う。
    この「他者」という大澤氏の考えがわかると、非常に読み易いのではないだろうか。
    さらにここでは、イスラームとキリスト教、そしてそこに交わる原理主義と資本主義というものを比較社会学的見地から見ていくのだが、
    複雑に絡み合う中で、突破口を目指す流麗な論理の展開は見ものだが、自分でも十全に理解しているとはいえない。
    しかし、高校のときに初めて大澤真幸に出会った記念すべきものなので、とても思い入れが深い一冊である。
    『文明の内なる衝突』という考え方は、当時にしてみれば目から鱗だった。(!)

  • 独特の社会への切り口が冴える。

  • ¥105

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著者プロフィール

大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。

「2023年 『資本主義の〈その先〉へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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