- Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140053867
感想・レビュー・書評
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ジャンヌダルクの生涯をただ描くのではなく、ジャンヌ死後の時系列で同じような境遇の主人公を通してジャンヌの過去やジャンヌに関わった人たちのその後を描く手法が素晴らしい!
また、絵がとても綺麗で、フルカラーなのだが今時のデジタルでベタ塗りの着色ではなく、水彩画のような絶妙なニュアンスを残したカラーになっていてとても引き込まれる。
この本を機にジャンヌのことを調べることができ、100年戦争のことも理解できたので歴史知識が深まった。ジャンヌは源義経のようだというコメントがあったが、まさに西洋版源義経と言えるような生涯だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジャンヌを題材にした物語。
ジャンヌと、ジャンヌを見た女性の戦いの記録。ジャンヌの道を辿り、ジャンヌの戦歴を辿り、人生を辿り、最後にジャンヌの魔女裁判のやり直しで幕を引く物語。
二人の女性の人生が交錯し、その中で見えてくるジャンヌの人生の特異性と深みが面白い。
出会いが中学の図書館。書店で巡り会って購入。 -
安彦良和が描くジャンヌ・ダルクの物語。
安彦さんはガンダムをはじめとするSF物の作家の印象が強いが、このような作品もある。
しかも完成度が恐ろしく高い。
ジャンヌ・ダルクが処刑されてから10年後のフランスでエミールという名の少女が戦いに身を投じつつジャンヌの足跡をたどるという内容。
ジャンヌ・ダルク本人を描くことができない理由は、巻末で作者本人が説明してあり、それには納得できた。
まず何より絵の完成度が素晴らしいレベルだと思う。
それだけでも安彦さんのファンであれば買って損はない。
特に好きな絵は、ジャンヌの紋章の旗を掲げたエミールが戦塵の中から現れるシーンで、神々しいまでのインパクトがあるシーンであった。
物語の出来もこれまで私が読んできた日本人作家の描いたジャンヌ・ダルク物の小説やコミックの中では一番まともなんじゃないかと思う。他はちょっと評価にすら値しなかったので・・・ -
俗物でダメ人間に描かれている王太子にシンパシー。「虹色のトロツキー」全8巻も読了した。どっちもムズカシー。「虹色のトロツキー」に小澤開作は出てこなかった。
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主人公がジャンヌだと思ってたクチだった。
ジャンヌってなんだったんだろうな。 -
ジルドレが変態に見えなくなる不思議
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大谷暢順氏のあとがきより
「ジャンヌ」で描かれたのは、まさしく内面のドラマである。
弱さと強さ、ひるむ自分と叱咤する自分、「このままでいい」とする私と、そうではないとささやく力、その葛藤の果てにこそ、胸が引き締まるような一瞬、劇化していく自分がある。
物語のクライマックスでの修道士マルタンの言葉より
そして、信じたいのです。
愚かしく罪深い人間の性よりも神の御意志がお強いということを。
人の理性が悪い欲望に屈することがいかに多くとも
いつかはその理性の正しさの支えとなる我々の力を越えた力が
聖なる御意志としてこの世に示されることを
信じたいのです、、、。 -
鳥瞰的視点としての宗教―『ジャンヌ』
http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100510/1273441807 -
安彦良和による、英仏百年戦争末期を舞台にした、566ページオールカラーという豪華マンガ。まあ、値段もそれなりだが(笑)。
「ジャンヌ(ラ・ピュセル)」の死後、シャルル7世とルイ王太子の対立により内乱に陥ったフランス。その混乱の中、わけあって男装した少女・エミリーは何かに導かれるように、ジャンヌの「戦友」のその後や、リッシュモン元帥による兵制改革の威力、そしてフランスの行方を見定めるため旅立つところからストーリーが始まる。1コマ、1コマの絵が非常に美しく、上質なアニメ映画を見ているような気分になる。マンガ家・安彦良和の素晴らしい仕事の一つと言えるだろう。