父からの手紙

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 82
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140054253

作品紹介・あらすじ

失踪した父から誕生日のたびに途絶えることなく送られてくる手紙、そこに隠された意外な真相、そして家族の絆。

感想・レビュー・書評

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  • ー 二十四歳、おめでとう。美しい女性に成長した君が私にはとて
    も眩しかった。母さんを大切にし、伸吾と三人でこれからも頑
    張ってください。私はいつまでも君たちの父親であり、君たち
    の幸福を願い、常に傍にいて君たちを見守っています ー

    10年前、父が家を出て以来、誕生日に届く父からの手紙
    果たして、父は、なぜ、突然家を出たのか?
    今、どこで、どうしているのか?

    はじめから、全く別のところで起きた二つの事件が交互に進行していき、読んでいて、混乱してしまったが、徐々に2本の糸がところどころ交差するように繋がりを見せ、最後にはしっかりと絡み合い1本の太い糸になり、謎が解けた

    自分の命を賭けた家族への愛には、圭一も文中で批判している
    子供たちの夢を奪う真似は出来ない。子供たちに惨めな思いをさせるのは忍びない として、自らの命を絶つことを選択するのは、生きる目的や幸福の意味をはきちがえていると・・・

    いかなる困難や試練にも負けずに生きていくことこそ人生の目標であり、幸福であると・・・

    しかし、理屈ではないのだ
    娘や息子が14歳から50歳になるまでを思い描きながら、一通一通手紙を書き綴っている父の心情を想像すると、涙がこぼれた
    こんな愛の形もあるのだ



  • 一気に読んでしまいました。同じこと繰り返してるんじゃ、と思ったり様々な疑問も湧いたりしました。偶然会った人と、こんなことできるー?という印象が強かったのですが、結末の父の思いが全てを帳消しにした感があります。家族は複雑だけど、それぞれに大切なものなんですね。

  • 最後の章までがどうしようもないくらいにネガティブな内容でげっそりしそうになりながらも、もしかして?と多重に敷き詰められた伏線から答えを探すのはなかなか読みごたえがあった。
    最後の最後は息の詰まる結末で何とも切なくさっぱりした気分になれないながらもまとめ方はすっきりと綺麗で唸らせられた。
    途中タイトルの父からの手紙って関係ないやん?って思い始めて、最後にしてやられました。

  • 本のタイトルで避けていた。「ビジネスマンの...」系かと思っていた。新聞の書評でミステリと知り読んだ本。

    なんとなく、暗く重苦しい雰囲気が漂っていました。だんだんその原因がわかってくるのですが。
    麻美子の行動に多少いらいらしながらも共感できてしまうところが憎い。
    家族愛って何だろうと考えさせられる本でした。

  • 父が出て行ってから10年,誕生日に届く手紙の哀しい真実の前にあり得たかもしれない未来を思ってたまらない気持ちになった.始め二つの物語が同時進行しているようで,どう繋がるのかと思いつつ読み進めたが,どんどん面白くなって一気に読んだ.父親の愛の物語である.

  • 悲しい物語。愛に満ち溢れた、しかし社会問題提起を感じる作品。

  • 最初は人物のつながりや、物語の流れが掴めなかった。
    保険金詐欺をめぐる謎解きだが、結末は少しだけウルウルときた。

  • 家族を捨てて出ていった父から毎年送られてくる手紙。家族を思う気持ちが不器用に交差し歯車がズレたまま回転している、そんなモヤモヤした感じが作品全体に流れている。人の「弱さ」を否定してしまえばストーリーはツッコミどころ満載だがそれでも最後まで読ませるしなぜかグッとくる。それが小説のエンタメ性か。

  • なんとなく先がわかるのと、全体的に暗い。
    2018.9.25

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著者プロフィール

小杉 健治(こすぎ けんじ)
1947年、東京生まれ。東京都立葛飾野高等学校、コンピュータ専門学校卒業を経て、プログラマーとして18年間勤務。1983年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、1987年『絆』で日本推理作家協会賞、1990年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。
社会派推理小説や、時代小説で活躍。著書に矢尋・知坂刑事シリーズ、「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズ、「三人佐平次捕物帳」シリーズ、「栄次郎江戸暦」シリーズ他、『父からの手紙』『残り火』『曳かれ者』などがある。
1993~1994年、日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めていた。

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