オレンジガール

  • NHK出版
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140054390

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな作家さんが影響を受けた本。
    読み始めと読み終わりで本に対する感じが大きく変わります。
    読後感がとても爽やかで前向きになる哲学書って感じがします。
    私も授業で似たようなこと言ってるかも、ってカッコつけさせてください。
    少し毒を効かせた物語性もあり、一気に読めました。
    今日もまた良い本に出会えてしまった!

  • 実は別の本と勘違いして読み出したのですが、カードミステリーもお気に入りだし、楽しく読めました。
    ティーン向けではありますが、生きるということ生かされているということ、生まれてきたということ、どう生きていくのかについて考えさせられます。
    それにしても、パパの空想というより妄想が凄すぎて親近感w

  •  この作品で魅力的なのはなんといっても「パパ」の世界観だ。かなりの空想癖持ちで架空の物語を作る名人、根っからのロマンチストで夢想家。そんな彼が恋したお相手が「オレンジガール」。彼が「オレンジガール」について様々に考察という名の妄想を膨らませるシーンでは思わずくすりと笑ってしまった。
     世界の輝きをだれよりも愛していた「パパ」にとって、死ぬことは何よりも悲しいことだった。死とはこの素晴らしい世界を、大切な人々を残して永遠に去ることだから。

     11年前に死んでしまった「パパ」からの手紙。「生きるって素晴らしい」そんなメッセージとともに「生きるってどういうこと?」という問いかけをも含んだ物語。

  • 少年のもとに届いた、11年前に死んだ父からの手紙。
    十代の頃に読んでおきたかった。

  • 前半は、話の方向性が掴めなかったけど;
    後半の話のために前半の話があるという感じ。
    じれったくもあったけど
    心動かされて、終わり方も前向きで、、
    最後まで読んで良かったと思った。

    印象に残った言葉
    『人が別れを告げるのは
     この世界であり、人生であり、物語なのだ。』

  • 生きてることが恐くなるけれど、それはものすごい奇跡の連鎖で自分が今ココに存在できていることを痛感するから。泣きたくなるほど人生が素晴らしいと思えます。最高の本です。

  • この秋、何十年振りかで同期会を行った。
    その時、ORANGEGIRLという謎かけに嵌ってしまった。

    調べてみると、カンボジアでオレンジを売る女性の事を言うらしい。

    他にコミックもあるみたい。

    正確には、ノルウェー語なのでオレンジガールではないが、ソフィーの作家が邦訳でオレンジガールと言う本を書いていることを知った。

    何か
    ライ麦畑でつかまえて
    と言う小説を読んだ頃のノリで読み始めた。

    半分程読んだところで中だるみだ。

    この父親って誇大妄想?夢想家?
    亡くなったのは病気?メンタルな病気で自殺?

    何て事を考えて、少々時間を置きたくなった。

    つまりオレンジガールは君の母さんだよ。

    ってオチなら許せるけど。

    年内は積んどくかな。

    新年の行事を滞り無く終えて、再開した。

    108ページの記載で

    六十八キロメートルを三十分かけて走った。
    平均時速はおよそ時速二十八キロメートルと 
    いうことになる。

    と書いてある。
    ハッブル宇宙望遠鏡は時速二万八千キロメートルで千倍早いとある。

    記述の通りなら蒸気機関車の時速は136キロメートルになる。

    ベルゲン鉄道に乗ったことがあるが、そんなスピードは出してなかった。
    68キロメートルは、単位の記載ミスか?

    ここで、多分原本ではなく、訳者が間違ったのか?!
    と思ってしまう。
    興醒めで〜す。

    で、また少し興味が失せた。
    鏡開きも済みまた読み始めた。

    ヴェロニカ !

    ここら辺りからまた読むスピードが速くなってきた。

    ママの名前はなんだったっけ?

    ネタバレは非常識なのでやめておいて、
    読後感は爽やかで良かった。

    ORANGEGIRLの何故賭けをした人は、
    多分自分を本書のORANGEGIRLになぞらえたのだ!
    と勝手に解釈して、
    謎解きも無事に終わったのだった。

    めでたしめでたし。

  • 15歳の主人公ゲオルグは、おもちゃの車の中に残されていた、11年前に病死した父ヤン=オーラヴからの手紙を受け取る。
    それは父親が、未来の息子に向けて託した、オレンジガールの物語だった。

    謎めいたオレンジガールと、少々空想癖の過ぎるきらいのある若き日の父。
    父は息子にある問いを投げかけようとするが、その質問はなかなか発せられず、長い紆余曲折を経て、最後の最期に問いかけられる。

    人によっては、この紆余曲折をまだるっこしいと感じるかもしれない。
    しかし、このオレンジガールの物語という紆余曲折こそが、物語の醍醐味であるとも思う。
    父ヤン=オーラヴは、人生は物語であると言っていた。
    手紙にしたためられた父の生涯は、物語そのものだった。

    ハッブル宇宙望遠鏡は、120億年かなたの銀河の撮影に成功した。
    宇宙が生まれて150憶年。
    ハッブル宇宙望遠鏡は、120億年前の宇宙の光を地球に届けたことになる。
    父親はこの望遠鏡を「宇宙の目」であると言った。
    まるで父の手紙そのもののようだ。
    父の死の11年後に届いた、父の目によって捉えられた物語、父の人生。

    この物語で魅力的なのは、父の独特な世界観と、時間を超えた父と息子の交流だが、もう一つ、強く惹きつけられたのは、母親の再婚相手ヨルゲンだ。
    ヨルゲンは難しい立場を辛抱強く、そして賢明に振舞っている。
    それを主人公ゲオルグがおおむね好意的に捉えているのが、この物語を味わい深いものににしていると感じた。

    ヨースタイン・ゴルデルは「ソフィーの世界」で有名だが、昔読んだ「カード・ミステリー」も素晴らしかった。
    今回この物語を手に取ったのは偶然だったが、「カード・ミステリー」に通じる面白さがあったと思う。

  • 宇宙の歴史から行くと人間の歴史、人間ひとりの一生はあってないようなものなのかもしれない。
    生まれながらに当たりの宝くじを引いてここに存在しているからこそ、もし仮に意味がないと言われたとしても、この世界のゲームへの参加券を与えられたからこそ、おもいっきり人生を楽しみたい、楽しまねば!と改めて思った。宇宙の何億年の歴史の中で、何かひとつ、ほんの少し違っていたら今ここに私は存在していなかっただろうし、他の誰かが存在していたはずの未来も無数にあったはずなのだから。

  • 他のゴルデルの作品と違う訳者で、読みやすく分かりやすかった。これは良かった。また読みたい。

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