結婚写真

著者 :
  • 日本放送出版協会
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本棚登録 : 50
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140055137

作品紹介・あらすじ

女優・脚本家として、「週刊ブックレビュー」司会者として、活躍中の著者が、プルーラルな視点で描き上げる、娘と母の、せつない愛の物語。脚本家デビューを果たした話題作『納豆ウドン』の書き下ろし小説も収載した著者初の単行本小説集。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとドキドキしながら読んだ。

  • 普通に小説として楽しみました。大きな起伏がある訳ではなかったけれど、変化の積み重ねがあり、物語が流れていました。序盤の描写には若干拙いものは感じましたが大きく影響しませんでした。

  •  我が家でBSが視聴できるようになって、NHKの週刊ブックレビューが楽しみになっている。同番組の司会で、かつ、芸能人の中でも有名な「本読み」として知られる中江さんは、読了した本を人に勧めるのがとてもうまく、彼女が紹介した本は、読まずにいられないような衝動にかられる。そんな中江さんの処女小説ということで手にとった。

     舞台は母子家庭。一人で生活する老後に不安を覚え、いつまでも娘を手元に置いておきたいという願望からか、中学二年の娘をいつまでも子供扱いする母と、少しでも大人に近づきたいと背伸びばかりする娘。どこにでもいそうな母子家庭である。ある日、ふとした母の思いつきで、母娘そろってウェディング姿の結婚写真を記念に撮る。ささいな二枚の結婚写真がきっかけとなり、母の恋愛関係、親子関係が微妙に狂っていく、そういう筋書き。「親子」「恋愛」「女」が隠れたテーマだ。

  • 2010/10/13
    『結婚写真』
    『納豆ウドン』

  • 中江有里さんの小説です。
    中江有里さんは「週刊ブックレビュー」の司会者として活躍しています。
    2009年3月までは毎週登場していたので月に16冊は番組のために本を読まなくてはいけませんでした。
    いま、「週刊ブックレビュー」の司会者は4人ですが、児玉清さんの「あの人に会いたい」、藤沢周さんの「ブエノスアイレス午前零時」「キルリアン」、梯久美子さんの「散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道」は読みました。
    中江有里さんのこの本は2006年11月に出版されて、恐らくすぐに購入していたと思いますが、長らく積ん読状態でした。
    ふとしたことから読みました。

    「結婚写真」は40歳のシングルマザー和歌子と13歳の娘ミツル、30歳の林君の奇妙な三角関係を描いています。
    ミツルが8歳の時に和歌子は離婚しています。

    いじめの問題が出てきていますが、「先生に言ってもムダ」「先生は無力だ」という表現が気になります。
    武田先生とミツルの関係は教育現場の実態からすれば嘘っぽいです。
    「シカトされている」と生徒が訴えて、「いじめに耐えなさい」と言う教師はいません。
    いじめへの対応は今はどこでもしっかりしたものになっています。(と思います)

    林さんが家にやってきただけでママの張り切りぶりがすごいとミツルは観察しています。
    「恋の力は女を元気にする」
    これは男でもそうです。

    コーヒーに砂糖とミルクを入れるかどうかは子どもと大人の境目とも言えます。
    作品の中でミツルはママと一緒に林と食事したときからコーヒーをブラックで飲んでいます。

    自分はいつ頃からブラックで飲むようになっただろうか、缶コーヒーも含めてブラックしか飲まなくなったのは割に最近のことです。

    ラストシーンで29歳になったミツルと56歳のママが、二人でビールを飲み、一緒に温泉旅行に行こうと約束しますが、妙にリアルでした。
    ミツルは「わたしは結婚しないつもり」と言います。
    我が家の母娘も将来こうなるのかなあと思いました。

    「納豆ウドン」はラジオドラマ台本として書かれた作品ということです。
    家の弁当屋さん「ハッピーキッチン」を手伝う高校生の娘由実と、かつて娘を教えていて生徒からのいじめにあった元教師桂田がアルバイトとして一緒に弁当づくりに励むという話です。

    桂田がどう中学生にいじめられ、退職に追い込まれたかというところは類型的に描かれている感じがあります。
    現実にはこういうことがあるのでしょうか。
    都市部ではあり得るのかもとも考えました。

    二人は頭の良くなる弁当を開発します。
    納豆を混ぜた焼きうどん弁当です。
    徹夜で作ります。

    夕方の商店街の幸せな活気ある様子が描かれています。
    都市部の商店街は衰えることを知らないのでしょうが、地方の商店街は衰退しています。
    この描写を読んでいて、もの悲しくなりました。

    P45に1字脱字がありました。

    中江有里さんの著作はいまのところこれだけのようです。
    小説でもエッセイでも書評集でも出ないのかなと思います。

  • なんかなぁ。嫌いではないけれど、面白い!って感じではないなぁ。

  • たまたま図書館の返却棚で手に取った『めっけもの!』の一冊。 中でも、表題作の『結婚写真』が素晴らしいです。 中江有里さん、どんどん作品を発表してください。

  • 2007011
     『結婚写真』は女子高校生の満とその母親、離婚して父親はいない家庭を中心に、母親の恋人林さんや満の幼馴染の洋ちゃんなどの登場人物を絡めながら、満と母親の日常を描いている。冒頭から語り手を満、母親と切り替えて、ひとつの出来事に親子で微妙な気持ちのずれを描いたりして面白いなと思いながら読み始めた。

     タイトルになっている「結婚写真」のエピソードはかなり読んでからようやく出てきたのに、意外とあっさりとエピソードは終わってしまい、不思議な話だなぁと思った。不思議というよりはむしろ構成が起承転結のようなかっちりしたものではないからだと思った。

     しかし最初は不思議とも雑然としている気もしたが、人生の一部を切り出したような気がして、現実の人生はこんな風なものだと思えた。作為的な物語ではなく、人生の一部を自然に切り取った物語という気がした。

    <a href="http://www.rojix.com/dr/dr200702b.html#20070224b01" target="_blank">ロングバージョン</a>

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著者プロフィール

中江有里

1973年大阪府生まれ。法政大学卒。89年芸能界デビュー。数多くのテレビドラマ、映画に出演。2002年「納豆ウドン」で第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞を受賞し、脚本家デビュー。NHK BS2「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めた。著書に小説『結婚写真』、『ティンホイッスル』、エッセイ集『ホンのひととき 終わらない読書』、最新刊に『わたしの本棚』がある。現在、NHK「ひるまえほっと」(関東甲信越地域)“中江有里のブックレビュー”を担当、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。読書に関する講演や、エッセイ、書評も多く手がける。

「2019年 『トランスファー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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