- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140055151
作品紹介・あらすじ
引きこもりの青年・白木悟史が、ある晩出会った老人はアルツハイマー病に苦しんでいた。記憶が失われる前に会って謝りたい女がいる-悟史は、老人の最後の願いを叶えてやる決意をする。だが、女性の消息を探り当てたとき、そこには意外な真実が…。
感想・レビュー・書評
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引きこもりと認知症という現代の問題を絡めながら事件が解決していくのね。
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超簡単にまとめると、引きこもりの青年がアルツハイマー病の老人と会い、その老人の初恋の人を捜す事で、自立して行く物語となるが、青年と老人の家族愛の物語でもあり、また初恋の人の家族を巻き込んだミステリーでもある。織物の町・越中城端の祭りを含む情緒豊かな風景なども楽しめそうだ(現在はどうかしらないが…)。何れにしても大変感動的で、どんどん読める作品だった。
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2015.09.27
アルツハイマーが進んだ老人と引きこもりの青年との出会いから、老人の初恋の人を老人が人として生きてる間に見つけてあげたいという青年の想いが青年を蘇らせていく。色々な人の繋がりと協力と家族の支えと親子の絆、そんなものかあって目的を達していく。想いもよらない最後の場面•••。久しぶりに泣いた。さすが小杉健治さん!
「おわら風の盆」を題材にした小説と被ってしまうのだが、著者と題名を思い出せない•••。あれも良かった!
「風の盆恋歌」高橋治さんだったかも知れない。今度、図書館で確認しよう。 -
城端に行きたくなる。
都内も、水天宮や両国など具体的な地名が多いから追体験できるのがいいね。
狂言回しを認知症の老人が務めるというのは、切ない。 -
アルツハイマーの老人と引きこもりの青年の色々。
題材としてはとても興味深かったんだけど
悟史が引きこもりを売りにし過ぎ。うざい。
源一郎さんの奥さん可哀そうじゃないか?
最後、無意識の源一郎さんが悟史に言った
「ありがとう」はちょっとウルった。 -
引きこもり青年とアルツハイマーの老人との出会い
青年は徘徊するする老人と偶然夜の川原で出会う
アルツハイマーになり自分を忘れかけた老人に
初恋の人を会わせてあげようと青年は老人の初恋の人を探し始める
初恋の人を探し当てたが・・・・
物語は意外な展開に流れっていった -
引きこもりの青年がアルツハイマーの老人と夜の川岸で出会い老人の初恋の人を探すことになる。簡単にいえばそれだけの話。でもそこにとある事件とその謎解きがからんでいく。引きこもりの謎解きというと坂木司氏の小説があるけれど、坂木作品ほどのミステリ感はない。引きこもりの程度が軽いということもあるけれど、後半の主人公の行動力に少し違和感も感じる。ここまで動けて人に対しても積極的に働きかけられるなら引きこもることもないのでは とも。それでも人間性を失いつつある全くの他人のために精一杯努力する主人公に拍手を送りたくなる。