晋作蒼き烈日

著者 :
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140055229

作品紹介・あらすじ

長州が生んだ風雲児・高杉晋作の蹉跌や苦悩や自負からくる驕り、あるいは祈り、未来への切実な希望や理想、そして死の間際まで師・吉田松陰のようには拭い去れなかった私欲も含め、一人の人間が激動の世で真摯に生きた姿を描く、感動の巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 高杉晋作の情熱的で勢いのある生涯。そこまで尽くせるかと思うほど、忠を大切に生きている。歴史物が苦手でも、これは読んで良かったと思える小説だった。

  • 978-4-14-005522-9 443p 2007・7・25 1刷

  • 司馬遼太郎『世に凄む日日』、池宮彰一郎『高杉晋作』と続けての今作でした。史実を元にした歴史小説自体が初めてだし、歴史(特に幕末明治あたり)の知識もない自分にはいい順番だったと思う。前2冊で歴史を分かりやすく解説してもらい、今作で登場人物の気持ちの揺れに触れ、より話に入り込めたように思う。

  • 幕末、攘夷倒幕に向かう乱世、27年の短い人生を日本の未来に捧げた高杉晋作の物語。
    幕末の知識は司馬遼太郎の竜馬がゆくから知ったことしかほぼないので、長州藩があんなにも苦しい立場に置かれて奮闘していたとは驚きだった。もっと狡猾な策士で常に静観しているスタンスなのかと思っていた。桂さんにしても高杉さんにしても、理性的だけれどとても熱い、龍馬さんにも負けずとも劣らない全身火の玉みたいなエネルギーの持ち主だったんだなぁ。

    それにしても高杉さん、桂さん、久坂さん、山田さん、たくさんの魅力的な人物がでてきたけれど、誰も彼もなぜそんなに志高く邁進することができたのだろう。嫌になることも、面倒になることも、やる気がでないことも、なかったのかな。目標を見失ったり、無力感に苛まれたり、立ち止まりたくなることもあっただろうな。それでも頑張り続けられる強さ、見倣いたいものだ。

  •  この本どれだけ熟成させたかな。買ったのはたぶん大学のころだと思う…。なぜか読まずに本棚を温める存在になっていた。
     高杉晋作はもちろん、魅力的な人物が多く出てきた。久坂玄瑞も、山田市之允も。とくに、山田と高杉の絡みは最高だ。
     高杉晋作って長男なんだよな…。いや、知ってたけれども。そしてこの作品でもかなりの長男感出てたけれども。不思議と時に弟っぽいキャラクターに見えることがあるんだよな。それは桂さんとかのせいかな。一方で、山田とかの前では頗る先輩っぽいという。
     長州大好きな友人の影響で新政府側だけど長州は案外好き。長州人が幕末になってどうも活き活きしてるように見えるのは、きっと積年の思いがあるからなんだろうな。そして、不遇になってもただじゃ起きない、みたいな感じがする。
     タイトル通り、烈日、という言葉が良く似合う。

  • 連合艦隊との講和交渉で、魔王のように傲然(ごうぜん)としている晋作にグッときた。

  • 高杉晋作の生涯を取り上げた作品。
    改めて、晋作が早世しなければ、明治はどうなっていたのか興味が湧いてきてしまった。
    幕末期における傑物の一人であるだけに早世が惜しまれて仕方がない。

  • 高杉晋作の歴史小説は数多くありますが、これは女性が書いた高杉晋作。
    奇人といわれながら信仰にも近い信望を受け、歴史の転換点を作った男。
    だが心中では保守派の父に対する尊敬、長州・藩主に対する忠信を抱えた男。
    ・・・という王道の人物像で描かれています。

    特に、人との繋がりに焦点があたっています。
    世子(藩主の嫡男)定広、久坂玄瑞、山田市之允との絆。
    高杉が病床に臥せてからの世子からの手紙には思わず号泣してしまいました。

    高杉晋作のエピソードとして、最期の描写はあえて、でしょうね。
    私はよかったと思います。軍師として詩人としてではなく、夫として逝ったことが。

  • 「改革者」としての高杉晋作さんではなく、
    一人の人間としての高杉晋作さんの「こころ」が描かれていると思いました。

    史実的な面ではあまり楽しむことができませんでしたが、
    登場人物一人一人の葛藤や人間味を楽しむことができました!

  • 基本佐幕派、新選組贔屓だが、山口への旅行を前に倒幕派のカリスマ高杉晋作について読んでみたくなった。
    時代を遥かに超越して未来を読んでいた高杉晋作、それゆえに理解されない彼を守る久坂や桂、周布、若殿…
    時代に翻弄される長州の人々の熱いドラマだと思うけど、今ひとつ入り込めなかった気がする…
    佐幕派だから?
    2人の女性、雅子とおうのについては、又別の本で読んでみたい。

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著者プロフィール

1968年福岡県生まれ。活水女子短大卒業。2002年『歳三往きてまた』でデビュー。2017年『龍が哭く河井継之助』で第6回野村胡堂文学賞受賞。柳生新陰流居合道四段。主な著作に『伊庭八郎凍土に奔る』『密偵』『獺祭り白狐騒動始末記』などがある。

「2022年 『氏真、寂たり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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