裁判員―もうひとつの評議

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140055823

感想・レビュー・書評

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  • 裁判員裁判って、そんな短期間で集中的にするなんて知らなかった。しかも、ちゃんと調べてなかったらそれを元に判断するなんて大変だわ。

  • 2015.1.31読了
    裁判員裁判に大変興味があるので、一気に読み終えた。ただ、裁判以外で起こることが余りにも現実離れしていて、小説としては無理がある。しかし、裁判員裁判が果たして必要なのだろうかと考えさせられた。公判前整理手続きが既に終えていると、どんな矛盾が生まれようが聞き入れられない。確かに、プロが行った捜査であるからそれを踏まえてと言われればそうなのかもしれないが、ならば素人が行う裁判員裁判は必要なのか?裁判長の事務的な態度も気になるし、裁判員の「一種のゲームなんだ」という言葉が物語っているようにも思えて仕方ない。参考資料等は一切掲載せれてないが、現実はどうなんだろう。これが完全なフィクションであることを願いたい。

  • 前半は裁判員裁判の状況がよく解るドキュメンタリーっぽくてリアリティもあった。後半になって急展開。ドラマチックに。さらに最後はどんでん返しでさらにはこじつけっぽくて。戸惑い気味で読了。

  • 主人公が裁判員なので、審理だけではなく、評議のやり取りなど、裁判の役割が具体的に描かれている。
    厳しい守秘義務。
    短期間で証拠を吟味し、重い判決を下さなければならない難しさが、ひしひしと伝わる。
    裁判だけでなく、ミステリ仕立てになっている。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-40d6.html

  • ・裁判員として殺人事件の裁判に関わった男が、死刑判決が下されたことに悩み、冤罪だと訴えetcetc、という内容。
    ・全体的に裁判員制度にはいろんな矛盾があるんだぞ、という否定的とまでは行かないけどそんなスタンスで書かれてる。特に登場する裁判長は事務的過ぎる描写で、裁判員との対比にしてはやり過ぎと思った。同じ裁判員を扱いながら最近読んだ「裁判員の女神」とは随分異なるアプローチ。
    ・ただ、裁判員制度は民間人意見を反映させると言いながら、裁判員の人選により判決が異なる可能性のある、まるでゲームのような制度だという点は間違った指摘ではないと思った。考えてみれば当たり前なんだけど、恐ろしい事だ。
    ・物語としては評議が終った後の後半は色々無理があったと思う。沢山伏線を張るんだけど、後半その幾つかは単なる引っ掛けだったりして、本筋からはずれて推理小説的に持ってき過ぎたと思う。まあ、一裁判員が事件を解決!なんて荒唐無稽な結末になるよりは良かったとは思うけど。
    ・もう一つ、裁判員として判決に関わった人達が、有罪無罪どちらを支持したにしろ裁判の後の生活に何らかの影響を受けるんじゃないか、という点は考えさせられた。死刑判決に関わったとすれば尚更。

  • 【裁判員(もうひとつの評議)】 小杉健治さん

    裁判員制度が導入されたが、まだ死刑判決は無い。
    この度初めて死刑判決を伴う殺人事件の裁判に選ばれた
    堀川を含める6名の裁判員。

    被告は犯行を否定している。
    もし被告が正しければ無罪である。
    しかし、被告が真の犯人ならば死刑となる可能性が高い。

    無罪か死刑か・・

    裁判員は検察や弁護士の冒頭陳述を斟酌し、刑罰の有無を
    判断しなければならない。

    しかし、評議の途中で検察も弁護士も警察さえも
    気づかなかった疑問点が浮上した。

    裁判員は再捜査を希望するが、公判前整理手続きは
    既に終えており、裁判員の希望は聞き届けられず、
    現状の証拠を元に判断を下さねばならなくなった。

    欠陥だらけの証拠を提示され、それを元に裁判員が
    評決を下した結果、被告人に死刑が宣告された。


    その後、被告は拘置所の中で「むじつ」と血文字を残し
    自殺を図った。


    裁判員に選ばれた6人は証拠の不備を知りながら
    判決を下し、その結果、被告人が自殺を図ったことに
    衝撃を受ける。

    堀川は良心の呵責に耐えられず、個人で事件を調べ始める。



    公判前整理手続きが終わって後は、よほどのコトが無い
    限り、再捜査されることはない。
    それは、警察の失態となるからだ。

    裁判を受ける被告人の一生にかかわる問題。
    少しでも不備が見つかれば、徹底的に調べるべきだと
    思う。 この本に書かれているようなコトが
    実際にあるんだろうか。。

     

  • もし私が裁判員になったら、と思うと怖くなった。実際起こった事件とその判断に、直視できるのであろうか?責任の重圧、裁判員との関係など、素人の私に任されていいのだろうか? と、思わさせる一冊であった。 日本人の役割であると認識はしていたが、実際使命されたら、、、逃げ出しそうである。 裁判員になる前の、心境を現実味ある小説で体験できた様な気がした。

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著者プロフィール

小杉 健治(こすぎ けんじ)
1947年、東京生まれ。東京都立葛飾野高等学校、コンピュータ専門学校卒業を経て、プログラマーとして18年間勤務。1983年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、1987年『絆』で日本推理作家協会賞、1990年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。
社会派推理小説や、時代小説で活躍。著書に矢尋・知坂刑事シリーズ、「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズ、「三人佐平次捕物帳」シリーズ、「栄次郎江戸暦」シリーズ他、『父からの手紙』『残り火』『曳かれ者』などがある。
1993~1994年、日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めていた。

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