小説 おしん (上)

  • NHK出版 (2013年2月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784140056349

感想・レビュー・書評

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  • ★「おしん」を読んで、
    こんなに心が揺れたのは久しぶりだ。ドラマや映画では、おしんの数々の苦労が展開されるのが話題になりがちだが、この本に実に深い、人生の本質が描かれている。それを、作者の橋田壽賀子さんは意識しているとしか思えないのだが…。
    それは、「人生は自分を生きることであり、周囲の者にもたらされるものではない。」確かに人生、出会った人の暖かい愛や、援助があって形創られてはいるが、自らが生きることをやめたものには人生は存在しないのである。生かされてはいても、人生を真の意味で実感できはしないのだ。だから、おしんは苦労の末に数々訪れる、穏やかな日常に自らが生きていることを見いだせず新たな、自分の生きている実感を人生)を求めて始める。
    実際の社会を見回しても真に憧れる人は、自分の考えを生きている人達で、決して裕福な暮らしをしている人ではない。そんな人は、生きることにブレはない。自分を生きる過程で出くわす困難や、不幸、苦しみは、そんな生き方をする人の糧になり続け、その人をどんどん大きくしていく。社会的な目立った功績としての大きさではなく、存在としての大きさだ。功績は結果なのだ。
    実際にはこの本の中のおしんには会うことは出来ないが、私の心の中にいるおしんに折を見て、一緒に人生の一部を歩いてみたい。
    2013/11/09

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著者プロフィール

1925(大正14)年、京城(現在のソウル)生まれ。日本女子大学校卒、早稲田大学中退。1949(昭和24)年、松竹脚本部に勤務。1959年、フリーの脚本家に。1966年、TBSプロデューサーの岩崎嘉一氏と結婚。1989(平成元)年、死別。TBS東芝日曜劇場「愛と死をみつめて」、NHK朝ドラ「あしたこそ」、大河ドラマ「おんな太閤記」、移民をテーマにしたNHK「ハルとナツ」やTBS「99年の愛」など多数の脚本を手掛ける。中でも、1983年のNHK朝ドラ「おしん」は大反響を呼び、広くアジアでも放送される。また、1990(平成2)年からスタートしたTBS「渡る世間は鬼ばかり」は国民的ドラマとなっている。NHK放送文化賞、菊池寛賞、勲三等瑞宝章などを受賞・受勲。2015年、脚本家として初の文化功労者に選出される。主な著書に、『ひとりが、いちばん!』『夫婦の覚悟』(共にだいわ文庫)、『私の人生に老後はない。』(海竜社)、『安楽死で死なせて下さい』(文春新書)、『恨みっこなしの老後』(新潮社)などがある。

「2021年 『渡る世間にやじ馬ばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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