ごはんぐるり

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 1281
感想 : 170
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140056363

作品紹介・あらすじ

カイロ&大阪育ち、幸せな食オンチがつづる「グルメ」じゃない「ごはん」のこと。書き下ろし食小説「奴」も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 西加奈子さんのごはん周りのエッセイ。
    読む前は装丁の可愛さに惹かれて、読んでいる間は西さんの可愛さに終始にこにこ。

    「べさべさに伸びて、汁気がなくなった麺類」が大好きな西さんが、大好きな旦那さんの前では恥ずかしいから食べるのを我慢するという話とか。
    可愛いなぁ。にこにこ。

    自作自演の合同誕生会や大人のバーベキューも楽しそう。にこにこ。

    早起きして初めて作った味噌汁に首をかしげる小さい西さんも、娘が作った朝ごはんを喜ぶお父さんとお母さんも、なんて素敵。にこにこ。

    ごはんの話って、いいなぁ。
    あまりに美味しそうでお腹が空くのはちょっと困るけど、やっぱり好き。
    もっといろんなごはんの話が読みたいな。

  • 「NHKきょうの料理」のテキストで連載されていた、西加奈子さんのごはんエッセイ。
    いつもの「がはは」と笑いたくなるエッセイよりも、西さんのかわいらしい一面が感じられる1冊です。

    現実のごはんも美味しいけれど、活字で書かれたごはんのほうに食欲をそそられる、というのに激しく共感。
    小さいころから絵本や外国の物語に出てくる食べ物が、この世のものとも思えないくらい美味しそうに感じたし、大人になった今でも小説やエッセイのごはん絡みの描写を肴にお酒が飲める。
    わたしも何度経験したかわからない"あの感じ"を、西さんが文章にしてくれていてうれしくなりました。
    数年に渡ってご無沙汰していた、いしいしんじさんの『ごはん日記』シリーズが無性に恋しくなりました。

    また、西さんが外国の家庭料理を習って食べるエピソードもすてき。
    特にフィンランドの回がよかったです。
    着飾ることでもなく、見せびらかすことでもなく、自分の心地よいことを貫くことが、お洒落。
    それを肌で知っていて実践しているフィンランドの暮らしにときめきました。

  • 西さんのエッセイ初めて読んだ。面白い。カイロ生まれエジプト育ちで大阪人。エジプトのエピソードや、活字のご飯の話なんかがすごく良かった。確かに活字のご飯はそそられる。

  • 旅ラン10キロを見て、行きないなあと思ったお茶カフェ。次の日には飛んでいっていた。
    そこで見つけた、西加奈子さんの本。彼女の本は同僚にすすめられていたから親近感があった。
    ぶっかけうどんと豚汁のセット、小鉢2つ付きがくるまでと手にとったら、これが面白い!
    カイロに住んでいた彼女が食べたかったのは生卵かけごはん。生のものを口にすることを禁じられていたからなかなかありつけない。でも日本に一時帰国する人が膝の上に卵を乗せてカイロまで運んでくれた!
    やはり不自由さが、美味しさを倍増させるのだろう。あれ以上のたまごかけごはんはないという。
    それと、激しく共感したのは、一番美味しいラーメンのところ。子どもの頃、母が作ってくれたラーメンが熱くて、おわんに移してぐるぐるして食べてたっけ。あの汁なし冷たいラーメン、美味しかったよなあ。そんな記憶が蘇ってほっとする。

  • 西さんが「きょうの料理」テキストに連載もってはったなんて知らなかった。気取った料理はあんまり、、みたいだけど食いしん坊でのんべえの西さんらしい食にまつわるエッセイ。

    外国の家庭料理を調理実習って面白そう。
    トルコ、ベネズエラ、セネガル、フィンランド・・・ほかの国のも読んでみたい。

  • 西加奈子×食×エッセイ。これが面白くないわけがないじゃないか!!
    イラン生まれのエジプト、大阪育ちの西さんらしく異国の料理や幼少時代の食の記憶、そしてやっぱり大好きだというお好み焼きやたこ焼きの話、いろんな食の記憶たちにわくわくしっぱなし。
    そして驚いたのは西さん結婚されていたんですね。おめでとうございます。大好きな夫、って書いている西さんが可愛らしかったな。

    ただ、最後の書き下ろし小説はあまり好みではなかった……
    最後までエッセイで終わらせて欲しかったかな。

  • エッセイって小説よりも作者の人間性が分かりやすく出るような気がして、肌に合う合わないが激しくある(持論)
    西さんのエッセイ初めて読んだけど共感の嵐すぎて、これわたしのことかな?ってなるし普通に面白すぎて他のエッセイも読みたくなった!ビール飲みたくなるし居酒屋行きたくなる、おいしいごはんの周りの本。ちょうどいいお店選びとかちょうどいい答えをする人勿論好きなんだけど、「正解すぎる」と何故か信用ならないの分かる〜〜〜〜変態性を見たいという表現には爆笑したが、ちょっとの失敗やいびつさを人間らしく思うしキュートさを感じるの分かる〜〜〜〜

  • 珈琲儀式、ひとり寿司、オーダーの正解…。カイロ&大阪育ち、幸せな食オンチが綴る「グルメ」じゃない「ごはん」のこと。「NHKきょうの料理」「NHKきょうの料理ビギナーズ」連載を書籍化。書き下ろし小説「奴」も収録。

    思わず同意!!という感じのことがたくさん書いていた。
    食べるって、大事ですね。

  • 【20151014 読了】

    巻末掲載の短篇小説「奴」ではないけど、自分も数年前に入院をしたとき味覚というか食事に対する姿勢が変わったのを思い出した。
    口から入ったものが、血となり肉となる。
    そしてテンションによって美味しいか美味しくないかも左右すること。
    高速道路のSAで、もっさもさのアメリカンドッグがおいしく感じる気持ちもすごく同感。花火大会で買う申し訳程度にしか具が入っていない焼きそばも同義。要は「その時の自分のシチュエーション」「アトラクション」なんだと思う。

    西さんの表現力がエッセイにも出ていてよかった。
    大根の骨のような白さ。コンロに火を点けるときのぽっという優しい音。まさに活字のごはん。活字の調理。ひとつひとつの動作にさえ愛おしさがにじみ出ている。

    自分も料理が好きだ。けして得意ではないしレパートリーも少ない。手の込んだものも作れないし炒め物を焦がすこともしょっちゅうある、けど、「料理をしている好意」が好きだということも「食べる行為が好き」というのもすごく共感して、食事に対する姿勢というものを改めて感じられた。

    居酒屋さんでもりもり食べるのも、ちょっとおしゃれな料理屋さんで姿勢よくして食べるのも、箸で食べるのも、ナイフとフォークを使って食べるのも、ぐびぐび水を飲むのも、ちびちび珈琲を飲むのも、ああ愛おしい動作なのだと身悶えした。

  • かなり好き♪
    あたしも食べるのが好きだけれど、この本を読んだらますます食にこだわってしまいそう。
    しばらくしたらまた読みたい。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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