ヒア・アイ・アム ( )

  • NHK出版 (2019年10月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (856ページ) / ISBN・EAN: 9784140057087

作品紹介・あらすじ

祖国と家族の崩壊のなか 今ここで生きる意味とは?

アメリカで暮らすユダヤ人家族が、中東で発生した大地震と戦争を背景に、それぞれが新たな一歩を踏み出す姿をウイットと哀しさを交えて描く崩壊と再生の物語。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の著者が贈る、現代アメリカ文学の新たなる傑作。

みんなの感想まとめ

家族の崩壊と再生をテーマに、ユダヤ系アメリカ人のブロック家を通じて描かれる物語は、複雑な人間関係や文化的背景が絡み合い、読者に深い感慨を与えます。ジェイコブとジュリアを中心とした4世代の家族が、イスラ...

感想・レビュー・書評

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  • なかなか説明が難しい。
    ユダヤ系アメリカ人のブロック家。ジェイコブと妻のジュリア、3人の息子サム、マックス、ベンジー。祖父母のアーヴィングとデボラ。そして、ポーランドからアメリカに渡ってアメリカにおけるブロック家の祖となった曽祖父のアイザック。
    書店の書評だと「家族の崩壊と再生の物語」と一言で語ってしまうのだが。
    そもそもペーパーバックで800ページ超えの大作をそんな一言で語れるのか?だったら800ページでなく、もっと簡略に語れよ、と。

    ジェイコブとジュリアを中心とする4世代のユダヤ系家族、夫婦間の愛情のすれ違い、親子の関係、ユダヤ教の慣習、そしてイスラエルに住む従兄弟家族との関係、イスラエルで天災が起きて、イスラム諸国との緊張が高まり、故国の存続の危機、ユダヤ民族としての危機、そして年老いた愛犬の安楽死、それが複雑に絡み合っている。
    正直300ページくらいまでは、なかなか読み進められなかった。
    しかし、それを過ぎたあたりから、話が動きを見せることもあって、あとは結末までスルスルっと読める。
    確かに「崩壊と再生の物語」だが、それは単に家族というだけでなく、40を過ぎたジェイコブという男性自身のアイデンティティであったり、従兄弟のイスラエルに暮らすという選択の意味であったり、様々だ。
    そして、やはりこういう「ユダヤ」を背景に選ぶ物語は、それに接する機会の少ない日本人には、理解し得ない部分も大きいのだろうと思う。

  • 第71回ビブリオバトルinいこまテーマ「今年のベスト」で紹介された本です。チャンプ本。
    2019.12.22

  • ‪ユダヤ系アメリカ人四世代の壮大な物語。夫婦、親子、親戚、そして祖国イスラエル、日常の隙間に差し込むズレや危機が人生を変えていく。文体の挑戦とユーモアを含めて現代アメリカを牽引する作品である。‬

  • 手に取った時は重さと分厚さに怯んだものの、予想以上にするする読めた。と言っても、平易だったわけではなく、表現がところどころ難解で、核心めいた箇所に限って心を落ち着けて2度読み直しても「ちょっと何言ってるかわからない」とサンドウィッチマン状態になってしまい、心許なくなることもしばしば。けれども、物語そのものは非常に力強く、面白いのでぐいぐい行けるのだ。この本を読む前にたまたまWOWOWで同じく中年の危機をテーマにした『アメリカン・ビューティー』をチラ見していた(最後の1日のはじまり、ケヴィンスペイシーのジョギングの場面には爆笑した!)ため、どうしても重なってしまい、それがノイズになったような、そのぶん入り込みやすくなったような。
    で、全体の読後感はと言えば、「しゅんとした」に尽きる。終盤の第7部〈バイブル〉が唯一(唐突に)「僕」の一人称で語られるのだが、その辺りから、ああ人生ってほんとこうだよなあ…としんみりした気持ちになって、最後のアーガスのアレで終わらせるのはズルいだろうという気がしなくもないが、誰の人生にもこういう瞬間は避けられない以上、これは大切な確認作業なのであり、それにこの長い物語を読み終える読者として立ち会えたことに、あえて「感動」という言葉を使わせてください。
    表現は難解なだけではなく、今パッと思いつく例を挙げれば子どもたちのことを「腫瘍のない」という言葉で表現するなど、巧さが光る箇所も多かったし、イスラエルに暮らす同年代のいとこタミルとの対比が利いていて、ジェイコブが紛争地帯で生きるタミルを充実してるように感じて羨ましく思ってしまう、あのあたりもとんだ寝ぼけ節ながら、身に覚えのある感情だった。
    終始インストゥルメンタルのサントラが流れているような映画映えしそうな感じもあって、だけど、映像化してしまうと本書の肝であろう言葉による表現から逃げちゃうことになるんだろうね?(そう言えば、『ものすごくうるさくて』も小説にすっかり満足して、映画観る気にならなかったっけ)映画と言えば、離婚の話ってことで『マリッジストーリー』も思い出したけど、あっちは「求める」「突き詰める」感じだったのに対し、「諦める」「手放す」感じのこちらのほうがわたしには合っていた。

    • niwatokoさん
      けっこうおもしろかったですよね? 書いてらっしゃること、わかりますー。とくに、ラストはほんと、「しゅん」とするしかないって感じですよね。哀し...
      けっこうおもしろかったですよね? 書いてらっしゃること、わかりますー。とくに、ラストはほんと、「しゅん」とするしかないって感じですよね。哀しい。。。ユーモアもあるので映画にしてもおもしろそうだけど、確かに「マリッジストーリー」とは、ちょっと違う感じかも、ほんと「諦める」というかしかたないっていうか。マリッジストーリはまだ将来にお互い違う希望が見えるかもしれないって思えたような。
      2020/02/21
    • meguyamaさん
      難しいところもありましたが、面白かったです!感想シェアしてくださったおかげで読めてよかったです。子どもたちはお父さんにちょっと優しくて、そこ...
      難しいところもありましたが、面白かったです!感想シェアしてくださったおかげで読めてよかったです。子どもたちはお父さんにちょっと優しくて、そこも切なかったりしました。夫婦も憎み切ってないというか。そのすべてが哀しいんですよね。ユダヤ人のあれこれもなかなか奥が深そうですね(以前、新書で歴史を学んだはずなのですがすっかり忘れてしまっていて新鮮でした)
      2020/02/21
  • ポップで、お下劣ネタも多め。全く枝葉だけど、カート・コバーンって今はカート・コベインなのね? 

    次作は気候変動に取り組んだノンフィクションということで、読んでみたい。気候変動や環境問題は、小説界においても最早大きな潮流なのね。

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著者プロフィール

1977年、ワシントンDC生まれ。プリンストン大学在学中に作家のジョイス・キャロル・オーツに才能を認められ、2002年に『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』(ソニー・マガジンズ。電子版はNHK出版)で作家デビュー。全米ベストセラーとなった同書はガーディアン新人賞、全米ユダヤ図書賞など多くの賞を受賞、世界30カ国で刊行された。2005年に発表した長篇2作目『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(NHK出版)も各方面で絶賛され、ロサンゼルス・タイムズ、シカゴ・トリビューンなど各紙でベスト・ブック・オブ・ザ・イヤーに選出。同書はハリウッドで映画化され、アカデミー賞にノミネートされた。2009年に食をテーマとしたノンフィクション『イーティング・アニマル』(東洋書林)を発表し、アメリカの食肉・水産業界に一石を投じる。本書『ヒア・アイ・アム』は11年ぶりに上梓された小説で長篇3作目にあたり、前2作と異なり自伝的要素を踏まえ、多視点で登場人物たちの心情をリアルに描くという新機軸の構成が各メディアに絶賛された。ニューヨーク、ブルックリン在住。

「2019年 『ヒア・アイ・アム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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