夜と霧をこえて: ポーランド・強制収容所の生還者たち

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140086124

作品紹介・あらすじ

あまりにもおぞましくあまりにも崇高な…。あの体験の日々、そして戦後の終わりなき旅。希望をこえて、生還者たちは、いま日本のフォトジャーナリストに語りはじめた。

感想・レビュー・書評

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  • 5歳で収容所に入れられたボジェナ・ガドムスカは言った。私は強制収容所症候群に苦しめられ、今でも収容所時代に受けた影響が心身両面に色濃く残っています。ちょっとぶつかっただけでも、骨を折ってしまうし内臓も弱く病気ばかりです。神経質で精神的にも当時の苦しさの記憶から一日も抜けられないのです。母は自分のパンを細かくちぎって私のスープの中に入れてくれま敷いた。でも、それがいまだに記憶に強く残っていて、パンの入ったスープを見ただけで当時の全てを思い出し、恐怖感に襲われてしまうのです。レストランで叫び声をあげてしまったこともありました。収容所には草が一本もなかった。囚人が食べてしまったからだ。誰もがそうだったが、子供たちのビタミン不足は見る見るうちに健康を冒していった。

  • (1993.05.19読了)(1991.12.21購入)
    ポーランド・強制収容所の生還者たち
    (「BOOK」データベースより)amazon
    あまりにもおぞましくあまりにも崇高な…。あの体験の日々、そして戦後の終わりなき旅。希望をこえて、生還者たちは、いま日本のフォトジャーナリストに語りはじめた。

    ☆関連図書(既読)
    「戦争と占領」松本照男著、岩波ブックレット、1989.08.21
    「カチンの森とワルシャワ蜂起」渡辺克義著、岩波ブックレット、1991.06.13
    「闘った人びと」大石芳野著、講談社文庫、1988.10.15

  • ナチスの強制収容所から奇跡的に生還した数少ない人々が、フォトジャーナリストでもある著者に語る収容所での実態と解放後。
    解放から40年という歳月が過ぎても生き延びた人々の心の傷は癒えず、本人だけでなく子や孫も心の均衡を欠いているケースも多いということに胸が痛む。

  • 夜と霧が借りれなかったので代わりに借りてみた本。
    ナチス時代、強制収容所に強制送還され、生き残った人々の物語。
    年老いた彼らは未だに収容所時代に受けた影響が心身両面に色濃く残り苦しんでいる。(強制収容所症候群)
    「夜と霧」、「シンドラーのリスト」も気になる。

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著者プロフィール

●大石芳野(おおいし・よしの) 東京都出身。写真家。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しながらも逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追っている。2001年土門拳賞(『ベトナム 凜と』)、2007年エイボン女性大賞、同年紫綬褒章ほか。

「2015年 『戦争は終っても終わらない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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