アウグスティヌス “私”のはじまり (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 日本放送出版協会 (2003年11月26日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784140093139
みんなの感想まとめ
自己とは何か、神とは何かを深く探求する本書は、アウグスティヌスの『告白』を通じて、哲学的思索の旅へと読者を誘います。著者は、アウグスティヌスの思想を基に、自我の形成や他者との関係について考察を展開しま...
感想・レビュー・書評
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「わたしたちは、今、鏡におぼろに映ったものを見ている。だがそのときには、顔と顔を合わせて見ることになる」という聖書の一節をもとに、アウグスティヌスの思想とともに「私とはなにか」「神とはなにか」を探る本。
この本で分かりやすい結論があるわけではないが、問いが開かれる形で本書は終わっており、読者を哲学という行為そのものへ誘う本だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アウグスティヌスの『告白』は、自分自身のことを振り返り反省するというスタイルで叙述されています。ここに登場する「自我」は、西洋近代において全面的に開花することになりますが、それがはじめて生まれたのが、アウグスティヌスの生きた時代でした。本書では、こうした自我としての「私」について著者みずからが考察を展開し、アウグスティヌスの信仰へとつながる筋道を示す試みがなされています。
著者の考察は、ラカンの鏡像段階論を思わせる、鏡のなかに写された自己を認識するとはどのようなことなのかという問題からはじまり、自分について考えるという営みには、他者のまなざしが入り込んでいることに注目しています。さらに、カントのアンティノミー論を思わせる、世界のはじまりについての議論を経て、自分の「内」について考えることは、「外」についての考察をふくまざるをえないということに目を向けます。こうした思索を経て、いわば自分自身について考えることが成立する「場所」として「神」の本質を理解することができるというのが、本書のたどり着いた結論ということができるように思います。
本書をふくむ「シリーズ・哲学のエッセンス」は、各哲学者の思想を解説するというよりも、その哲学者の思想を手がかりに著者みずからの哲学的思索がくりひろげられ、読者を哲学という営みそのものへさそい込むことをめざしていると思われる本がありますが、本書はそうした試みとして成功しているように感じました。 -
このシリーズは本当に優れた著作が多い。今回はアウグスティヌス『告白』を通して、私とは何か、時間、内と外、愛することの必要不可欠性を論じる。
なるほど、へー、そうだな、そうかな、そうだ、を繰り返し、哲学のテーマの本質へと近づいていける。
蛇足:仏教には彼岸即此岸という思想があるが、神即私というアウグスティヌスに比べると切実さが違う。
・p112:もしも自分が誰を愛しているか分かったなら、私という謎は半ば解かれたも同然と言えるだろう。 -
アウグスティヌスなんて世界史の教科書でしか知らないし、興味もなかったのだけど、このシリーズの「ベルクソン」がとてもよかったので読んでみた。
たぶんシリーズを通底して「語るように書く」があるのだと思うけど、そういうわかりやすさとか、共感しやすさとかは実に高いレベル。
また本書で提出されていた哲学的問題は興味深く、それを解きほぐしていく過程は引き込まれる。
ただ後半、あまりに抽象的すぎてわかるようなわかんないようなで終わってしまった感はある。ものすごく簡単に説明しようとしてくれているのは、ひしひしと伝わるのだけど。
機会あらば、もいっかい挑戦しよう。 -
オススメ度(1~10) 9 前知識:不要 読みやすさ:◎
総ページ数:126
アウグスティヌスに関して知りたいと思ったらまずこれを読んでみてはいかがでしょうか。西欧的な「個」(private, subject)の考え方を垣間見ることが出来ます。
第一章 鏡を通して、謎において
第二章 風変わりな他者
第三章 回帰
第四章 神の似姿 -
分かりやすく、しかも核心をついた本であると思います。
アウグスティヌスの思想を「私」のはじまりという点から解説しています。
それにしても言葉が易しくてかつ深いエッセンスを突いているのは見事。 -
このシリーズの本は、どうも読後の印象がうすい。たぶん、「哲学のエッセンス」ということばを気にしすぎるのだろう。こんなに薄い本でそれぞれの哲学者を理解したつもりになろうとするから。けれども、「哲学のはしがき」と言い換えて見るなら、読書の意義はある。アウグスティヌス哲学のエッセンスを<私>の<内>に見出すための、『告白』まえがき。
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烏兎の庭 第一部 書評 2.10.04
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/diary/d0402.html#0210
著者プロフィール
富松保文の作品
