サルトル: 失われた直接性をもとめて (シリーズ・哲学のエッセンス)
- NHK出版 (2006年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140093290
作品紹介・あらすじ
概念や言葉を媒介せず、世界に到達することを思索の使命としたサルトル哲学を辿り直し、今なお問いかけてくる、直接性の孕む諸問題を検証する。
感想・レビュー・書評
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著者のあとがきが感慨深い。いわくD1の時にサルトルが読めなくなったと。サルトル自身もフッサールについてそうした「汲み尽くし」があったと。その後の本書であっただけに、文章は流れるようでいながら、新たな驚き(可能性)と限界がちりばめられ、熱があります。
・サルトル的人間は、ひとりひとりが光を発し、世界を照射する光源のようなものです。その光は、それが及ぶ範囲で、真実を暴露し、絶対的な確実性を、つまり明証をもたらしてくれます。ただ、この光が強ければ強いほど、そのまわりの暗がりは深く、闇は濃くなっていくものです。P97※わたしという実存と世界や歴史との関係の深刻さ。 -
難しい。最初の方は、おおわかりやすい!と興奮しだけども、徐々に感じてくる、あれ?これどういうこと?
軽く読めそうに見えて、読む時は本腰入れないと、という本だと思います。
僕は三年後にまた読み直してみようかな。 -
『存在と無』そして『嘔吐』を中心に、サルトルの語る実存主義についてわかりやすく解説した一冊。
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このシリーズ気になる
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入門書にしては著者の意志が込められすぎている気がする、と感じてしまったのですが、読みやすかったし、面白かったです。
「意識」に関する哲学は、なんだか根っこからズレている気がして受け入れられなかったのだけど、他者との関わりに関しての見方は面白かったです。(というか意識に関してはサルトルに不信感を抱くことを通してサルトルの必要性に気付かせることが著者の意図だった気がする)
自分の立つべき結論を決めて、そこに至るために四苦八苦している印象を受けました。その結論こそが私には受け入れがたかったのですが、苦戦しながらも向かおうとするサルトルの作品群を読んでみたいな、という気持ちになりました。 -
わたしがサルトルを学ぶ上で最初に手にしたもの
梅木さんの遺稿でもあります
これを読んでから『嘔吐』を読むと新しい発見があるのかもしれない
手に取るように頭に入ってきて容易に理解することが出来た
あくまで本文の内容のことについてだけれど..
サルトルの思想そのものの理解はまだまだこれから
冒頭の”哲学をひもとくにあたって”の梅木氏の文章が素敵だと思う
ジャン・ジュネは言う
「サルトルは、その気になったら、どんな人間でも理解することが出来た。」 -
予備知識として助かりました。
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ずっと嘔吐は読みたいと思ってるんだけど。まだ読んでないな。
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まさに「人と人」の間、触れ合いにある問題を取り上げた、サルトル哲学の入門者向け良書。これは、哲学云々ではなく、人間関係・恋愛関係・自己追求の局面に対峙するすべての人へのメッセージであり、エールです!! 悩んでいる人程、読んでごらん。 著者は本書が遺著となった・・・・黙祷。