思想地図 Vol.1 特集・日本 (NHKブックス 別巻)

  • NHK出版 (2008年4月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784140093405

みんなの感想まとめ

国家、暴力、ナショナリズムといったテーマについて、著名な論者たちが激論を交わす巻頭の共同討議は、思想的な深みを感じさせます。特に、東浩紀と萱野稔人の対立する視点が興味深いものの、期待したような激しい論...

感想・レビュー・書評

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  • 巻頭の共同討議「国家・暴力・ナショナリズム」では、東浩紀、萱野稔人、北田暁大、白井聡、中島岳志の五人が、国家について議論を戦わせています。『一般意志2.0』(講談社文庫)でルソーの読みなおしを通して新たな公共性のありかたを示そうとした東と、『国家とはなにか』(以文社)などの著作で暴力の独占による国家の成立とその維持のありようを論じた萱野に注目して読んだのですが、両者の議論が真っ向からぶつかるような展開にはなっていないのが、すこし残念に感じました。ベンヤミンとデリダの暴力についての見解の相違につながるようなしかたで両者がそれぞれの立場を主張しあうことも可能だったのではないかと思うのですが。

    伊藤剛の論文「マンガのグローバリゼーション―日本マンガ「浸透」後の世界」は、『テヅカ・イズ・デッド』(2005年、NTT出版)を補足するような内容で、手塚治虫のマンガのうちに「キャラクターの死」という問題を見いだそうとする大塚英志の解釈を批判するとともに、大塚英志原作・伊藤真美画のマンガ『JAPAN』についても考察をおこなっています。

  • 39565

  • 思索

  • 一つの視点として面白く読めた。ただ、ちょっと論点を広げすぎじゃないかな。次回以降にも期待。

  • 『思想地図vol.1 特集・日本』

    【簡易目次】
    創刊に寄せて 東浩紀+北田暁大 002
    [共同討議]「国家・暴力・ナショナリズム」 東浩紀+北田暁大+白井聡+中島岳志  [006-060]

     特集・日本
    I. 歴史のなかの「ナショナリズム」
    日本右翼再考――その思想と系譜をめぐって/中島岳志 063
    日韓のナショナリズムとラディカリズムの交錯――韓国の進歩イデオロギーと日本のアジア観を事例として/高原基彰 087

    II. 日本のイマーゴポリティクス
    マンガのグローバリゼーション――日本マンガ「浸透」後の世界/伊藤剛 121
    データベース、パクリ、初音ミク/増田聡 151
    物語の見る夢−華文世界の文化資本/福嶋亮太 177
    中国における日本のサブカルチャーとジェンダー――「80後」世代中国人若者の日本観/呉咏梅 211
    [鼎談]日本論とナショナリズム/東浩紀+萱野稔人+北田暁大 247
    ブックガイド「日本論」/齋藤哲也 285

    III. 問題としての日本社会
    「まつろわぬもの」としての宗教――現代日本の「宗教」の位相/川瀬貴也 295
    <生への配慮が枯渇した社会>/芹沢一也 319
    社会的関係と身体的コミュニケーション――朝鮮学校のケンカ文化から/韓東賢 345

    IV. 共和主義の再発明 
    共和制は可能か?/白田秀彰 379
    死者への気づき――「ナショナリズムからの逃避」を自覚させるもの/黒宮一太 405

    [公募論文]キャラクターが、見ている。――アニメ表現論序説/黒瀬陽平 427

    編集後記 464
    プロフィール 467

  • 地元の図書館で読む。

  • 知らないという事を知らないといけないなと。

  • 現状認識に徹した本。
    最後の共和制の部分をもう少し広げてもよかったかも。

  • [ 内容 ]
    思想はいま、本当に沈滞しているのか?
    「社会問題」への性急な処方箋でもなく、イージーな「人生論」でもない、思想本来の力とは何か?
    ゼロ年代の思想を俯瞰し、その限界を突破せよ!
    来るべき10年代に向けた〈知〉の羅針盤を作れ!
    現代日本の課題に真摯に向き合う、若き論客の論文を多数収載。
    「抽象的思考」の可能性が、いまここに繰り広げられる。

    [ 目次 ]
    共同討議 「国家・暴力・ナショナリズム」
    特集 日本(歴史のなかの「ナショナリズム」;ニッポンのイマーゴポリティクス;鼎談 日本論とナショナリズム;問題としての日本社会;共和主義の再発明)
    公募論文 キャラクターが、見ている。―アニメ表現論序説

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 北田先生編。
    授業だと、ちょっと間抜けな感じで可愛い先生だということだけメモしておきますか笑

  • ぱらりと読んだだけでも勉強したい思想家/思想がたっぷり。
    せっかくこの学部にいるんだから、きっちり思想、哲学はおさえたい。

    でもいまの優先順位からしてこれは後回し。
    再読します。

  • 思考が偏りがちだった自分に気付かせてくれたことが収穫。論客の世代が若いことが編集後記に書かれていたけど、僕らの同じ世代か少し上の世代の論文が満遍なく掲載されている雑誌って僕の中ではそんなに知らないしそんな意味でもグー。

  • 12月2日読了。東浩紀責任編集による、00年代の学者・実践者たちによる論考・鼎談集。第1弾である当初は「日本」をテーマとし、ナショナリズムと中国・韓国・北朝鮮ら関係の深い国々についてや、東氏の「動物化するポストモダン」にて取り上げられた「データベース的消費」から派生した小説(ライトノベル)・アニメ・マンガについてなど。先ごろ「思想地図β」なる最新本を上梓したと聞くが、実に幅広く仕事している人だなと感心する・・・。後書きにもあるとおり、東氏自身の論文が収録されていないのは物足りない気もするが、東氏の論文への批判もしくはさらに突っ込んだ議論を展開する著者もいて、これはこれで面白いのかも。しかし、何かに対して考えるということは、常に疑いを持ち、自分の基盤を見つめなおし、過去の定義を修正していくプロセスの繰り返しであることだよなあ・・・。

  • 宗教からアニメと日本を多角的に切り取っていて面白い。「マンガのグローバリゼーション/伊藤剛」「共同討論/ナショナリズム」が特に興味深く読めた。

  • 圧倒的な質と量。

    予備知識皆無の自分には読むのが辛い個所もちらほら。特にサブカルの辺は読む気が起きずに結局飛ばして読んだ。

    近い将来、また読んでみたい。

  • 期待していた内容と異なり読むのを中断。
    読むにはある程度勉強しておくことが必要。
    人名や単語が分からない。

  •  ゼロ年代の現代思想を敷衍するための評論を編者がまとめたもので、創刊号である本書の特集は「日本」。質・量ともに相当濃い。どの評論も、予め予備知識となる思想を相当勉強していないと読みこなすことはできない。
     読んでみて特にヒットしたのが、伊藤剛「マンガのグローバリゼーション――日本マンガ「浸透」後の世界」と福嶋亮大「物語の見る夢――華文世界の文化資本」。強引にまとめると、二つの評論から、「日本の漫画やサブカルチャーはインターネットなどの影響により世界的に認知されて需要があるように見える。しかし、我々はその需要の様相や受容のされ方が決して日本のサブカル環境と同じではなく、それぞれの地域の特性に合わせて受容されていることにより注視すべきである」ということが見えてくる。某国総理大臣の下での所謂「アニメの殿堂」のような、ただ「日本のアニメやマンガを国家戦略に!!」というような戦略だけでは、逆に日本のサブカルチャー文化が危ない。

  • 公募論文が面白い。他はこれからのシリーズに向けての導入という印象を何故か受けた。

  • ある日、家庭教師先でソクラテスの話をしました。

    そのあと、興がのってきたのでフッサールの話をしようとしました。

    (中学2年生の女の子を相手に何をしているやらw)



    そしたら言うんですね。彼女。

    今の哲学者って何してるんですか?って。

    どうせ役に立たないことやってんだろ、ってことだねw



    さて、学問は役に立たねばならないものなのでしょうか。

    というか、役に立つとはどういうことなのでしょう。

    お金になる。職業につながる、ということでしょうか。



    わたしはその必要はないと思っています。

    わたしたちが日常ふとしたことで思いをめぐらせることがあります。

    死ぬとは?幸せとは?結果と経過とどっちが大切なのか?

    そういうことは、数千年前から世界中で最も頭がいいような人たちが考え続けていることです。

    そして、今も「学問」はそれを継承しながら、批判と言う形でオリジナリティを発揮し続けています。



    抽象的思考にはその価値があると思うのです。



    まぁ、こう思われるようになったのには「島宇宙化」とか関係あるのでしょうかねw

    法学・哲学・医学といった1文字学問だけだった世界に

    近代への分析として、経済学、社会学などが生まれていきました。

    (ウォーラーステインとか、この間の「社会学の名著」を参考)

    最近では、国際福祉コミュニケーションスタディーみたいな意味わかってるのかというのが登場しています。

    それは学問の蛸壺化の先にあるようでいて、かつ、「工学化」の先にあるようにも思います。

    まぁ、いいんですが。



    そういう「役に立たない」思想のための雑誌ができました。

    (『現代思想』は党派色が強いですよねw)


    思想地図 vol.1 (1) (NHKブックス 別巻)

    作者: 東浩紀, 北田暁大
    出版社/メーカー: 日本放送出版協会
    発売日: 2008/04
    メディア: 単行本


    北田先生と東さんが編集委員をやって

    「抽象度の高い思考」に挑戦しています。

    また、彼らはそれが「役に立つ」と自信を持ってやっています。

    若い頃から、体験に根ざした語りをしているやつなんて信用ならない。

    意味がわからない、とののしられても、抽象度の高い言葉をしゃべり続けろ、といつか言っていました。



    さて、そのなかでも印象的な議論はメンバーシップ論。

    社会の成員とはなんなのか、というような議論です。

    非常に刺激的な議論です。

    ユダヤ人は「メンバー」ではないと虐殺した歴史がある。

    黒人は「メンバー」ではないとストレンジフルーツにしてしまった暗い歴史がある。

    じゃあイルカや鯨は、類人猿は「メンバー」となりうるのか。



    これは単純な問題ではありません。

    社会とのかかわり方や、権利の範囲などを規定する問題です。



    東さんはそうした議論を回避する道を、アーキテクチャに求めます。

    まさに「自由の剥奪感」を剥奪してしまうような「環境管理型権力」の中で一種「動物的」に暮らせればそれで幸せなのではないかという話です。

    一理あります。メンバーシップ論を肯定しながら「よき社会」を構想すれば、そこには宮台真司的エリーティズムが出現しがちですから。

    社会の問題をのみ考えるのであれば、「信頼」に頼るのではない社会の構想は可能性としてありえるでしょう。



    しかし、生命倫理のことを考えていて、少し問題が生じるのではないかと思いました。

    生命倫理的な問題のいくつかはメンバーシップ論的な問題設定を持っています。

    例えば、人工妊娠中絶(あるいは生まれたばかりの子どもを殺すこと)であれば胎児は人間なのか。

    人体実験であれば被験者は人間なのか。

    PVS(植物人間)であればそれは人間なのか。



    これは単純に生物種としての人間であるかを問うというよりも

    自己決定権を持つ「近代的な」人間であるか否かを問う問題であると思います(一面ですが、もちろん)



    その問題を考えるとき、それはアーキテクチャで解決できるのだろうか。そう思うのです。

    自由に任せる、といったところで、彼らに「権力」は残されていません。(ウェーバー的な意味で)



    ゆえに、わたしは「メンバーシップ」の問題を回避してはならないと思うのです。

    そして、それには抽象的思考が必要であり、

    またあるいは旧来の「飯の足しにもならない」学問が必要だと思うのです。

  • 2008/05/04 購入
    2008/05/16 読了 ★★
    2009/12/21 読了

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著者プロフィール

1971年、東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』など。

「2025年 『平和と愚かさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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