- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140161678
感想・レビュー・書評
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古式ゆかしいタイトルに惹かれて読んでみました。
京都の名刹ゆかりの人や伝説を紹介しながら、関連する短歌を解説している構成になっています。
京都好きの身には、すでに聞き知っている話がほとんどですが、それに短歌が付加されているところが真新しい感じ。
でも、巻頭のカラー写真数枚以外には、お寺やゆかりのものなどの写真資料は一切なく、文章だけのスタイルなので、紹介された寺社を知らない読者には、イメージを膨らませられず、ついていきづらそうに思います。
京都の寺社と歴史的エピソードに興味があったので、読んでいけましたが、文章も、引き込まれるものというよりは、真面目で淡々としており、講義を受けているよう。
「NHK歌壇」「NHK短歌」の番組でで紹介されたものの再編成とのことで、歌ありきの本だとわかりました。
それでも、初めて知ることもありました。
「玉の緒よ絶えなば絶えね~」を作った式子内親王の秘めた魂の恋人は法然だったということなど。
情熱的な女性と世俗から離れた僧が愛情を抱いていたということが新鮮です。
また、イタリアのピサの斜塔と東寺の五重塔は、どちらも高さが同じ55mだそうです。
東寺の五重塔は世界一高い木造建築だとのこと。
一話一話はつまらなくはないですし、京都の昔をしのびながら語られる構成もよいのですが、続けて読むとどうもメリハリに欠ける感じ。
やはり、各寺社の紹介文と一緒に、もっと写真を取り込んでくれていれば、ぐっと読みやすさも増しただろうと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『NHK歌壇』に連載されていたと言うこの本、なるほど京都には短歌がよく似合うと改めて思った。
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