あの人と短歌

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  • NHK出版 (2020年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784140162781

作品紹介・あらすじ

16人の気になる「あの人」とホムラさんの、今日はとことん短歌談義。

「NHK短歌」テキストの人気連載「穂村 弘、対して談じる。」でお迎えした短歌好き16名との、待望の対談集。
穂村さんの熱望から対話が実現したゲストは、意外な「あの人」たち。
短歌からひと、ひとから短歌が見えてくる。
ゲスト:北村薫(作家)、酒井順子(エッセイスト)、三浦しをん(作家)、清家雪子(漫画家)、高原英理(小説家)、知花くらら(モデル・女優)、金原瑞人(翻訳家)、文月悠光(詩人)、鳥居(歌人)、朝吹真理子(小説家)、小澤實(俳人)、保阪正康(ノンフィクション作家)、里中満智子(マンガ家)、吉澤嘉代子(シンガーソングライター)、名久井直子(ブックデザイナー)、俵 万智(歌人)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

短歌の魅力を多角的に探求する対談集で、穂村弘が短歌好きの16名のゲストと共に織り成す深い対話が展開されます。各ゲストは作家やエッセイスト、モデルなど多彩な顔ぶれで、それぞれの短歌への思いや体験を語り、...

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    私は短歌の本を結構持っていますが、なかなか最後まで通読できません。
    穂村弘さんの短歌の講座を受ける機会が数年前にあり、穂村さんの御著書(歌集)も数冊持っていますが、最後までちゃんと読んだのはこの本が初めてかもしれません。

    何で自分が短歌があまり得意でないかと思っていたかは、わかりました。想像力が貧困なせいではないかと思います。
    俳人の小澤實(みのる)さんが「句をうまく読めないのは絵が浮かばないから」とおっしゃっていらして、句より文字数が14文字多くても、私はその辺がダメなのだと思うに至りました。

    でも、この対談集は短歌好きな対談者と穂村さんのお好きだという歌がたっぷり載っていて、好きな歌がたくさんみつかりました。


    夏眠から覚めれば秋は痛いので「生きたい」という練習をする   千葉聡

    夕暮れにまたがっている泣き終えた夕暮れがひだりの靴を履くまで   瀬戸夏子

    どれほどの量の酸素に包まれて眠るふたりか無垢な日本で   小佐野弾

    拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません   笹井宏之

    ふわふわを、つかんだことのかなしみの あれはおそらくしあわせでした   笹井宏之

    表紙みただけで涙が出る童話と同じ第一印象のひと
               雪舟えま

    逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいらない   雪舟えま

  • 穂村 弘さんと短歌好き16名のゲストとの対談集。
    作家や翻訳家、歌手、モデル、マンガ家など様々な分野で活躍しているゲストの方々の、短歌に興味を持ったきっかけから、歌に託す想い、短歌の楽しみ方など様々な角度から語られていく。
    ゲストによって話題や質問を変えながら、その人らしさを最大限引き出していくところに穂村さんの懐の深さを感じた。

    表現の方法がたくさんあるなかで、なぜ短歌なのか。
    短歌は詩や俳句、小説とはまた違った魅力があることを教えてくれる内容だった。
    三十一文字と決められた音数のなかで歌を作る。
    それを制限として窮屈に感じる人もいるし楽しめる人もいる。枠があることでかえって飛躍できる人もいる。
    短歌は、今日の朝ごはんのおかずが納豆だったか鮭だったかといった些細な違いによって作品が変わってしまうような微細な表現。
    だから、自分の主義や信条のような変わらないことを美徳とするものは短歌には向かないのだそう。
    また時代の流れとともに読まれる歌も変化している。
    限られた文字数の中でいかに多くの情報を伝えられるか考えられてきた昔の歌は、読み解く力さえあれば噛み応えも達成感もあって楽しい。
    情報が少なくストレートに伝わってくる現代の歌は、読者の体験や記憶などその人の中に眠っている多くの情報を引き出すことができる。
    時代の流れとともに歌の味わい方も変化しているのだなぁ。
    なんとなく短歌っていいなと思っていたのが、この本を読んで、やっぱり短歌っていいなと思った。


    初めての短歌ならと、まことさんからお勧めいただいたうちの一冊です。とっても面白かった!教えてくださりありがとうございました。

    • まことさん
      ひろさん、おはようございます♪

      「短歌は、今日の朝ごはんのおかずが納豆だったか鮭だったかといった些細な違いによって作品が変わってしまうよう...
      ひろさん、おはようございます♪

      「短歌は、今日の朝ごはんのおかずが納豆だったか鮭だったかといった些細な違いによって作品が変わってしまうような微細な表現。だから、自分の主義や信条のような変わらないことを美徳とするものは短歌に向かない」。
      凄く繊細な部分を引用されていますね。
      勉強になりました。
      私も一度読みましたが忘れていました。

      これからも、ブクログでご一緒に短歌、楽しんでいきましょうね!
      2023/06/03
    • ひろさん
      まことさん、こんにちは♪
      短歌って奥深いなぁとますます興味がわきました( *˘꒳˘*)✩.*˚
      リクエストカードの件もありがとうございました...
      まことさん、こんにちは♪
      短歌って奥深いなぁとますます興味がわきました( *˘꒳˘*)✩.*˚
      リクエストカードの件もありがとうございました!地元の図書館にもあるそうなので、今度お願いしてみますっ( ˶>ᴗ<˶)ワクワク
      これからもよろしくお願いします~!
      2023/06/03
  • 穂村さんの対談集。対談相手が興味ある方々(酒井順子さん、鳥居さん、金原瑞人さん、名久井直子さんなどなど)でお話が面白いのと、その人達の選ぶ短歌がまた素敵で新年早々いい本を読めて嬉しい。

    • 111108さん
      まことさん、こんにちは。
      こちらこそ いいね! ありがとうございます。まことさんのレビュー、いつも楽しく拝見してます。

      まことさんは短歌が...
      まことさん、こんにちは。
      こちらこそ いいね! ありがとうございます。まことさんのレビュー、いつも楽しく拝見してます。

      まことさんは短歌が好きで自分でも短歌を作るんですね、素晴らしい!
      私はエッセイから穂村さんを知り、そこから短歌の面白さに目覚めました。読んだ時にパーンと世界が広がる感じがとっても心地よくて、今いろんな歌人を知りたい読んでみたいと思ってる所です。
      まことさんの本棚からもまた参考にさせてくださいね!
      2021/05/08
    • まことさん
      111108さん。
      誤解です(*^^*)
      私は、短歌は作りません。
      穂村さんの講座の受講は、短歌だから、受講したわけではなく、毎月色々な作家...
      111108さん。
      誤解です(*^^*)
      私は、短歌は作りません。
      穂村さんの講座の受講は、短歌だから、受講したわけではなく、毎月色々な作家さんがいらっしゃる、文芸の講座があって、その中に、穂村さんも入っていらしたというだけなんです。
      講座受講自体、ただの趣味の一環です。
      また、何か短歌の本を読まれたら、111108さんのレビューを参考にさせていただきます。
      2021/05/08
    • 111108さん
      まことさん。

      すみません、はやとちりしちゃいました(〃ω〃)
      でもいろんな作家さんのお話聞ける講座、贅沢でいいですね〜
      まことさん。

      すみません、はやとちりしちゃいました(〃ω〃)
      でもいろんな作家さんのお話聞ける講座、贅沢でいいですね〜
      2021/05/08
  • エッセイストや俳人など、様々な分野の短歌好きな人と対談しているから、短歌の魅力を再発見できる。

    著者の短歌に対する考え方も知ることが出来、短歌を作るうえで参考になるような言葉もたくさんあった。

    一番印象に残ったのは著者が、歌人の鳥居に贈った言葉。彼女の魂を「磁力」に例えて、こうアドバイスしている。

    「それを意外なところに突っ込み続けていけば、まだまだ良い歌ができますよ。それこそ幸せな状態とか、恋愛について書いたらどうなるのか、とか。まだ突っ込んでいないところはいろいろあるわけですからね。」

    俺は、この言葉を読んで今まで詠んでなかったような事も短歌にしていってみようと思った。

  • 私もレビューを拝見して読み始めました。
    毎晩一人ずつの対談を読むのが楽しく、第2弾があると良いのに!と思ったほどです。それほど穂村さんのホストぶり(?)お話の引き出し具合が素晴らしかった。

    16人の気になる人と歌人穂村弘さんが短歌談義を繰り広げています。
    作家の北村薫さんを始め、マンガ家の里中満智子さん、翻訳家の金原瑞人さんなどなど。三浦しをんさんも短歌されるんだ、と驚きました。

    気になった人は、圧倒的に歌人の鳥居さん!それと小説家の高原英理さん。
    壮絶な生い立ちから短歌に出会い救われ歌人になった彼女の歌は、はっきりした輪郭があってカッコいい。歌集読みたいなと。
    高原英理さんは澁澤龍彦さん中井英夫さんが選者であった幻想文学新人賞の第一回受賞者だそうです。

    あと「月に吠えらんねえ」の作者、清家雪子さんとの対談!あのマンガを読みたくて全巻揃えるまで待機中です。作者さんのこと、作品の生い立ちなどを知ることができますます読みたく…

    でもまずは穂村さんの歌集、まだ読んだことがないので読んでみたいです。

  • 「あの人と短歌」 (NHK出版)
    著者 穂村弘
    【「NHK短歌」テキストの人気連載「穂村弘、対して談じる。」でお出迎えした16名の短歌好きとの対談をらまとめた待望の対談集。】

    図書館でお借りしました。いきなり北村薫さんと穂村さんの対談、嬉しい。内容も興味深く、面白かったです。(お二人の知識に全く追いつけないんが。笑)作品を読む上での指南書のような感覚で愉しい。【短歌はスパークする!】から『うた合わせ 北村薫の百人一首』について語られていて、【韻文の謎解きハンター・北村薫】さんが“足の探偵“となって謎解きをされる解説などなど、私は全然追いつけないんですけど愉しいです。笑
    【「韻文が格好いい」という文化】の中で、“昔は冒頭に韻文を掲げる文化があった。“という流れで、穂村さんが、以前NHKの「本の道しるべ」(2020年放送)に出演された時に朗読された『少年忍者アニメ サスケ』のオープニングの「光あるところに影があるー」があげられていて嬉しくなりました。今はそういうのがなくなってしまった。レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女(ひと)よ』にも触れてあります。北村さんも、“ 「韻文が格好いい」という感覚がなくなってしまった。寂しいですね。“と語られています。(とてもご紹介しきれないので、ご興味のある方は本書を手に取ってみてください。)

    他にも、酒井順子さん(『徒然草REMIX』)、翻訳家の金原瑞人さん、俵万智さんや、ジャンルを超えて知花くららさんも!この本で知る方も多かったです。興味深く、愉しい時間でした〜

    (追記で補足)ブックデザイナーの名久井直子(なくいなおこ)さんの回より。雪舟えまさんの『たんぽるぽる』の単行本5版までは、カバーを外して広げると円形のたんぽぽ畑みたいになる仕掛けがあるんです。私が最近購入したのは新書サイズでしたから、知りませんでした。嬉しい発見でした。

  • 実に多彩な方々との対談集。どなただったか「学生に『穂村弘って知ってる?』と尋ねたら、『ああエッセイストの』と返ってきた」という話をされていたが、これはよくわかる。私も穂村さんのエッセイや書評、短歌の手引き的なものはとても好きで愛読しているが、歌集は手に取ったことがない。穂村さんの短歌って、一読、むむぅと困惑させられる感じで、うーん、これが今の鋭い短歌なのかと唸るばかり。短歌評なんかだといたってわかりやすくて、短歌を作りたくなってきたりするんだけどな…。

    短歌って散文にはない制約があるけれど、俳句ほど切り詰めた表現ではなく、人の喜怒哀楽、人生の様々な場面に寄りそいやすい。また、五七五というリズムの心地よさが私たちにはしみついていて、多くの人が特に教えられなくても短歌的なものをひねり出せるだろう。そうした「新聞歌壇」的なものと、厳しい表現としての短歌とは、地続きではあるけれどかなり距離があるものだなとあらためて思った。

    どの対談でもたくさんの短歌が引用されていて楽しい。北村薫さん、三浦しをんさん、保阪正康さんとのお話が、とりわけ興味深かった。ふんふんと読んだ点をいくつか。

    ・綾辻行人さんがどれだけ殺人を書いても、彼が殺人鬼だとは誰も思わない。「北の宿から」の歌詞を書いた阿久悠さんがセーターを編んだとも思わない。「そういう現象があらゆる表現において存在するのに、なぜか短歌だけが、そこに等身大性を見られてしまう」とあるが、確かにそうだ。これは古代和歌においても顕著で、歌から実人生を読み取ろうとしてしまうけど(たとえば額田王とか)、よく考えればヘンな話だ。でもなんかこう短歌には、リアルな息遣いを求めたくなるところがあるように思う。

    ・「ある時期までは、散文のなかにも韻文的な感受性があったと思うんです。つまり読者に”だけ”向けて書いているのではないという感覚。」「韻文は、まず神様に向けて書くということが前提になっていた。そうした芸術の在り方が、ユーザー第一という資本主義の精度が上がったことによって抹殺されつつある」
    いつ頃からか、文学作品もまず商品としての側面が前面に出てきて、読者というよりユーザーとしてのレビューがあふれていると感じるようになった。資本主義が行き詰まっているかどうかはわからないが、あまねく行き渡っているのは間違いない。

    ・相変わらずしをんさんは面白くて鋭い。
    穂村「短歌は、『二の線』を要求してくる表現だから」
    三浦「確かに、普段だったら言えないようなことを、みなさん滔々と歌い上げていますものね。一方、小説の場合は、この線がキツイと『中二病』などと言われてしまう」
    穂村「僕は『そんな言葉ができる前からそうだった!』といった自負を持っていますよ」
    三浦「人類が永遠に罹患する病ですよね。その味わいがなくなったら、創作物はとてもつまらなくなってしまいます」
    穂村「せっかく読むなら、抑制が効いているものより、恥ずかしいことを書いているものを読みたいですよね。与謝野晶子や若山牧水を見よ!ですよ。近代歌人の『我に返らなさ』加減は本当にすごいですから」

    ・短歌を詠むときは、無意識に自分の中の一番いいところを出そうとする気がする。
    「短歌は『一瞬』の表現です。ごく短い瞬間であれば、良いことを書こうと思えば書ける」「だから僕は、意識レベルにおいては、ずっと良いイメージを浮かべながら歌を詠んでいるのです」とあってすごく納得。ナルシスティックだったり青春ドラマの主人公みたいだったり、「そういうメンタルがない人は、そもそも短歌の世界に入ってこないでしょうね」というのも本当にそうだと思う。

    ・詩人の文月悠光さんが、自分のエッセイに対する読者の反応にとまどったという話をしている。セクハラにあったことを書いたら「セクハラ相談室に行けば?」というような感想をもらうこともあったと。穂村さんが「本来、『表現』というものは、『私はこういう体験をしました』という個別性・現実性を、もっと大きな、本質的なものへと変換する行為なわけでしょう?それをまた元の個別性・現実性へと引き降ろしてどうこう言うのは、僕は最悪の反応だと思うんですけどね」と言っていて、背筋がヒヤッとした。思い当たることが多々あって、実に痛い指摘であります。

  • 本当に勉強になります。
    穂村弘ファンはもちろん必読ですが、他の歌人-たとえば昭和天皇!-の歌の解説などもあり、読みごたえがありました。
    万葉集についての対談もあるので、歴史好きな方にもぜひ読んで欲しいです。

    函館在住の身としては、石川啄木について「そうなんだ!」と知ったことも多くあり。
    石川啄木だったら、戦時中に愛国心を煽るような歌はきっと作らなかっただろう…という考察が載せられていました。
    歌人は歌から作者の性格までよみとるんですね。
    こういう詠み方を国語の時間に教えて欲しかったなー。

  • ボリューミーで読み応え抜群!
    短歌について、創作について、本についてこんなにも熱く語れる人が近くにいるっていいなあ。

    歌人だけでなく、さまざまなジャンルの方との対談のなかに短歌があるのは新鮮で面白かった。

  • 「あの人」は短歌をどう読み解き、ことばとどのように対峙しているのか。北村薫、知花くらら、小澤實、里中満智子ら、16人の短歌好きとの対談をまとめる。『NHK短歌』連載を加筆し書籍化。

    様々なゲストとの会話が興味深かった。3段は文字量が多くて読むのは大変だったけど(苦笑)。他の短歌を読んでみたいと思った。

  • 俳人やシンガーソングライターなど、同じ歌を生業としていながらも言葉に対する感覚が違い興味深かった。対談相手が歌人ではないから短歌の知識が乏しくても外濠を埋めるように読み進めることができた。

  • key word 対談集 短歌 ゲストジャンルは様々 牧水すごい 現代近代歌

    短歌はすごい、エッセンスや感性・文法が凝縮されている気がする。だから深く、ゆっくりと味わいたい。好き。でも不安になる。私の一方的な感覚で読んで良いのか…。
    歌集も好きだけど、対談集やエッセイ付きのものは読み人や選者の話も聞けて安心して読める。この本は安心したり、新しい一面と出会ったり、感覚・感性を擦られるいい本です。穂村さんの少し内向的で穏やかな印象が尚更素敵です。
    素敵な本、ゆっくり丁寧に読みました。

  • 穂村弘さんとゲストが短歌について語り合う対談集。NHK短歌の連載をまとめたもの。
    なにげなく手に取って読もうと決めたのは、最初が北村薫さんで、最後が俵万智さんだったこと。
    歌人ではないゲストとの対話なので、門外漢でも共感できる部分も多くあった。
    短歌と俳句や詩など他の表現形式との違いあるいは共通点など、いろいろと参考になることも多くあった。
    短歌の世界って、歌を作る・詠むのではなく、ただ鑑賞する・読むことすら敷居が高く感じてしまう、私のような人間でも楽しめた。

    保坂正康さんは岸上大作と同い年だそう。

  • 穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸等とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。
    本書は、月刊の「NHK短歌」テキストの連載「穂村弘、対して談じる」で、穂村弘が短歌好き16人と対談した内容(2016年7月号~2020年6月号掲載分)を、加筆修正の上まとめたものである。対談者は、歌人、小説家、エッセイスト、漫画家、翻訳家、詩人、俳人、女優、ノンフィクション作家、翻訳家、シンガーソングライター、ブックデザイナー等。
    私は50代の会社員で、最近短歌に興味を持ち始め、これまで俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也、岡野大嗣、九螺ささら等の歌集や短歌入門書、いくつかの現代短歌のアンソロジーを読み、半年ほど前から新聞短歌に投稿している(最近ぽつぽつ採用されるようにもなった)。
    また、穂村氏の作品では、歌集『ラインマーカーズ』、入門書の『はじめての短歌』、『短歌という爆弾』、エッセイ集の『鳥肌が』(講談社エッセイ賞受賞)、『蚊がいる』をこれまで読んできたが、穂村氏は、間違いなく、現在最も人気が高く(一般人を含めた知名度の高さという点では、やはり俵万智だろうが)、私のような素人歌人を含めた短歌ワールドに最も影響力があると言って過言ではない歌人であり、穂村氏が様々な文筆関係の人々とどのような議論をするのかが興味深く、また、自分の作歌の参考になるのではないかと思い(穂村氏は「日経歌壇」の選者にもなっている)、本書を手に取った。
    読んでみると、それぞれの対談に面白みがあったが、自らの作歌と新聞歌壇への投稿という観点から興味深かったのは以下のような点である。
    ◆アララギが生んだ「対象をありのままに写し取る(写生)」という作風が、「生活をそのまま歌えばいい」、「日記のように書けばいい」と誤解・了解され、単純化された形で広まったことが、現在の新聞歌壇を支えており、そのために、短歌は限られた人のマニアックなものとして衰退することなく生き長らえ、定型詩人が最も多い国・日本を作っている。
    ◆短歌には、自分の信念・主義・信条をそのまま書いてしまってはダメである。短歌とは微細なことに影響を受ける表現であり、十年後も変わらない(可能性が高い)信念・主義・信条は短歌の表現とは言えない。
    ◆「反論の余地がないこと」、「身も蓋もないこと」を詠った歌、更には「批評性」を持った歌(石川啄木など)は、歌人にはあまり人気がない。歌人は、批評性があるものを生理的に好まず、大きな空っぽのある人、巨大な天蓋みたいな人を好む性癖がある。理屈よりもパッション。
    ◆これまでは「言葉の翼を広げて、高く飛ぶのが良い歌だ」と思っており、今橋愛、雪舟えま等の「格闘技における飛び技」のような歌を推してきたが、いつしか、斉藤斎藤や永井祐の「格闘技における寝技、締め技、関節技」のような歌の地味な凄みに惹かれるようになった。
    (2022年2月了)

  • エッセイの印象があったので、意外なくらい聞き上手だなと。朝吹真理子との対談のちょっと噛み合わない感じがよかった。

  • 知らない歌人がけっこういると知る。
    もっと短歌を読もう。

  • 短歌、和歌と言えば恋歌で湿っぽい、ねっとりしている感じがして、ほとんど読まずにいたけれど、そうではないと知る。特に興味を持ったのは明石海人。

  • 以前に読んだ本。短歌も対談も楽しめてよかった。詠みたくなる。

  • 「NHK短歌」に連載されていた穂村弘の対談集。短歌について、様々なジャンルの人たちと語る。

  • 職種の異なる人達の、短歌への関わりの深さが面白かったです。俳句も短歌も奥が深くて難しい。

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著者プロフィール

1962年生まれ。短歌をはじめとして、エッセイ、評論、絵本、翻訳などを手がける。『シンジケート』『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』『水中翼船炎上中』『世界音痴』『蛸足ノート』『短歌の友人』『短歌ください』等著書多数。伊藤整文学賞、講談社エッセイ賞、若山牧水賞他を受賞。

「2026年 『百人一首バトル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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