ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙

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  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140802236

作品紹介・あらすじ

世界の人々を魅了した、ノルウェー発の不思議な哲学ファンタジーである。「一番やさしい哲学の本」として記録的なロングセラー小説となり、映画化もされた。主人公はごく普通の14歳の少女ソフィー。「あなたはだれ?」とたった1行だけ書かれた差出人不明の手紙を受け取った日から、彼女の周囲ではミステリアスな出来事が起こっていく。「世界はどこから来た?」「私は一体何者?」これまで当たり前と思っていたことが、次々と問いとして突きつけられる。そしてソフィーはこれらの謎と懸命に向き合っていくのだ。
著者のゴルデルは1952年生まれ。ノルウェーのベルゲンという美しい港町の高校で11年間哲学の教師をした後、首都オスロで作家生活に入り、『鏡の中、神秘の国へ』『カエルの城』など、児童・青少年向けの作品を発表し続けている。また翻訳は気鋭のドイツ文学者の池田香代子が担当、哲学者の須田朗が監修するという本格的なつくりも、本書が好評を博した1つの理由であろう。

本書のもう1つの特色は、「哲学史の宝石箱」であること。ソクラテスやアリストテレス、デカルトやカント、ヘーゲルなど、古代ギリシャから近代哲学にいたる西洋の主要な哲学者の大半が登場する。読者をファンタジックな世界へ誘いながら、ソフィーと一緒に彼らの概念をやさしく生き生きと読み解いていく手法は秀逸である。哲学というこの世界じゅうの物事の根源、存在の意味の解明をおもしろく描き、おとぎ話と融合させた作者の功績はとてつもなく大きい。(田島 薫)

感想・レビュー・書評

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  • 著者、ヨースタイン・ゴルデルさんは、ウィキペディアによると、次のような方です。

    ---引用開始

    ヨースタイン・ゴルデル(Jostein Gaarder、1952年8月8日 - )は、ノルウェーの小説家、児童文学作家。

    彼の最もよく知られている著作は、1991年にノルウェーで初出版された「哲学の歴史についての本」という副題をつけられた『ソフィーの世界』(ISBN 0425152251)である。この本は53か国語に翻訳され、売り上げはドイツのみでも300万部、全世界で2,300万部にものぼったといわれる。

    ---引用終了

    で、本作を書かれた時の著者の年齢は、39歳位になります。


    そして、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    ソフィーはごく普通の14歳の少女。ある日、ソフィーのもとへ1通の手紙が舞い込んだ。消印も差出人の名もないその手紙にはたった1行、『あなたはだれ』と書かれていた。おもいがけない問いかけに、ソフィーは改めて自分をみつめ直す。「わたしっていったいだれなんだろう」今まで当たり前だと思っていたことが、ソフィーにはとても不思議なことのように思えてきた。その日からソフィーの周りでは奇妙な出来事が次々と起こり始めた…。’94ドイツ青少年文学賞、最優秀作品賞・作家賞・出版社賞受賞。

    ---引用終了

  • 随分と以前に大ベストセラーとしてどこの書店にも積まれていた本、という記憶。哲学に関する本ということで手に取るのを敬遠していたが、今回一気読みした。最初はミステリー仕立てにくどさを感じていたが、ストーリーの背景と、語られてあたる哲学史とが、折り重なりはじめると、哲学、なぜ人はあるのか、この世はどこからなるのか、という問いに素直に浸れるようになった。

  • もし再読するなら、ぜひ『古典力』とセット読みしたい一冊(読んだのは本書が先です)。

    だって、プラトンもデカルトもマルクス、フロイトも皆紹介されているから…。

    哲学や思想の歴史というのは、西洋の文化芸術のそれとも重なってくるので、その辺りが好きな人にとっては、たまらないと思う。びっくりするぐらい分厚い本だけども。興味のある時代や思想家から読んでいってもアリなんじゃないだろうか。わたしは「ロマン主義」ばっかり読んでいたし(笑)
    哲学者ではロック。経験主義というのが、当時中学生だった自分には一番わかりやすかった。
    今読むと、また違ってくるかもしれないけれど。

    哲学だけではなく、よく出来たファンタジーとしても楽しませてくれる。
    もう少し後に出版されていたら、世のファンタジーブームに乗って、もっと読者層を広げたんじゃないだろうか…と思うと、もったいなくもあったり。

    中盤から、え…?と驚く展開になります(ちなみに結末や種明かしは解説にも書かれておりません。あしからず)。

    クライマックスは切なく、まるで祭のあとのような儚さと虚無感があったが、ラストは希望が感じられて良かった。

    ビッグバン。無限の宇宙に散りばめられた星屑たち。

    ソフィーとヒルデは、きっと出会える。
    いつか、きっと。


    …わたしもまた二人に逢いたくなった。

    • アセロラさん
      katatumuruさん、こんにちは〜♪

      ふふ^^母親気分ってわかります。
      あんな元気な子と一緒に暮らしたら、楽しそうですね^^

      バシャ...
      katatumuruさん、こんにちは〜♪

      ふふ^^母親気分ってわかります。
      あんな元気な子と一緒に暮らしたら、楽しそうですね^^

      バシャール(・∀・)
      名前は知っていますが、本は未読なんですよね…(^^;
      katatumuruさんのレビューを拝見しましたら、なんだか翻訳する方や読むタイミングによってもだいぶ印象が変わるんだな〜と思いました。

      バシャールに限らず、本はそんな物なのかもしれませんが(^^;
      心で理解出来たって、素敵な体験ですね。

      本を通して、ご縁が出来るのは嬉しいです(^ー^)
      katatumuruさんはどんどんレビューを更新されていて凄いですね。読んだり書いたりが早いのは羨ましいです(^^ゞ
      2013/08/04
    • katatumuruさん
      再びオジャマしてしまいました(^^ゞ

      そうなんです。
      つば九郎は元気いっぱいで見ているだけでこちらも元気になれそうです(^^)
      でもいつも...
      再びオジャマしてしまいました(^^ゞ

      そうなんです。
      つば九郎は元気いっぱいで見ているだけでこちらも元気になれそうです(^^)
      でもいつも一緒にいたら疲れそうだけど・・・^^;
      オチャメで憎めません(^^)

      そうなんですよ。
      バシャールは読む時期によって内容が心にスッと入る、理解不能と全く読後感が変わる本だと思います。
      必要な時に何となく手にするようになるのかな・・・と。
      私は本田健さん訳のバシャールの言葉集を数年前に読んで、それから最初に買った本を読んだら不思議と内容がしみこんできました。
      あの時はすごく精神的にしんどい時だったからかな・・・とも思います。

      レビューは今、他のサイトから引っ越しの最中なんです。
      とても、とても・・・こんなに早くは読めませんし、書けません~^^;
      本も読む気がしない時は何か月も読まないことがあります。
      でも、そろそろ移行作業も終わりそうです。ホッ^^;
      そしたら、ボチボチ・・・という感じになると思います^^;
      2013/08/04
    • アセロラさん
      katatumuruさん、こんにちは〜♪
      コメントは歓迎ですよ^^

      レビュー更新のタネ明かし、ありがとうございます(笑)
      わたしも読まない...
      katatumuruさん、こんにちは〜♪
      コメントは歓迎ですよ^^

      レビュー更新のタネ明かし、ありがとうございます(笑)
      わたしも読まない時は全然本を読まないので、わかります。
      それでも活字中毒なので、ブログやツイッターだったりと毎日何かしら読んではいるんですけどね(^^ゞ

      今後も更新、楽しみにしています^^
      2013/08/06
  • わかりやすい哲学の本。あなたはだれという問いかけから始まる手紙のやり取りが話を進めていく。夢中になって読んだ。

  • 名前だけは何度も聞いていましたが、それだけで手に取ることはありませんでした。しかし実際に読んでみると、とっても素敵ではないですか。14歳のソフィと共に哲学の黎明から、思想を手繰っていきます。ただの思想の寄せ集めではなくて、やさしい言葉を使い、多くの示唆に富んだテキストです。そして小説としての体裁も崩していない、決して哲学を伝えるためのおまけのような物語ではない、ということです。

    何よりもこれを書こうとした著者に脱帽です。娘が14歳になったら、一緒に読んでみたいなと思わせる、そんな一冊でした。

    13/6/25

  • 高校生のとき、恩師に借りて。哲学史に初めて触れた本です。
    背伸びして西洋の古典文学をいろいろ読んでいた時期で、哲学という学問、こんな世界があることに、本当にびっくりしました。
    小説としても楽しめる本です。本好きな方に読んでみていただきたいな。

  • 以前、流行った本。小説仕立てで読みやすいのかもしれない。しかし、哲学の説明が淺いように思えて、そういうものを求める人には、物足りない一冊である。

  • 哲学者が少女に哲学をタレス、ソクラテス、プラトンの時代から現代に至るまで教授している作品。哲学を体系的にそして初学用として学ぶのにオススメです。

  • 世界は、未知にあふれている。
    そして人間は、未知を明かしていく。
    過去も現在も、これからも―――。

    人間は、たくさんのものを発明してきた。
    その歴史の上で私たちは、便利な文化的生活を
    することが出来ている。

    当たり前に手に持っているスマホが、
    その形を成すまでには、
    自然の原子に人間のあらゆる手を加えられている
    そのことを、ふと思い出してみることもある。

    忘れてはいけないのは、
    人間の歴史は宇宙の歴史にとって、
    何千分の一にも満たないし、
    その宇宙からみたった数年のうちに、
    思いっきり地球を汚してしまったということ。

    未来を子供に託す大人という年齢になってから、
    将来を不安に思うことは多くなった。
    未来のために、何ができるか、
    それを今一度真剣に振り返るためにも、
    読んでいて改めて気づくことが多くあった。

    本の内容から思うこととしては、
    果たしてわたしは、ソフィーと同じ15歳の時に、
    これほど哲学について理解が出来る
    頭を持っていただろうか、と言うこと。
    ソフィーはきっと、他の同世代に比べても
    頭の回転が速いにちがいない。

    私は、読んでいるうちに何度も寝落ちしてしまった。
    読むのに、悲しいくらい
    ずいぶん時間がかかってしまった。笑

  • タイトルからは感じられない硬派な内容

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