赤いツァーリ スターリン、封印された生涯 (上)

  • 日本放送出版協会 (1996年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784140802557

みんなの感想まとめ

歴史の深淵を覗くことができる伝記で、レーニンからスターリンへの権力移行が描かれています。特に、レーニンに関する知識が日本ではあまり知られていないため、興味深く感じる読者も多いでしょう。ストーリーはスタ...

感想・レビュー・書評

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  • ソソ、コバ。これはスターリンの幼少期、革命期の呼び名だ。その後、1912年ごろから「スターリン」を名乗り始める。ロシア語のstal=鋼から、「鋼鉄の人」という意味。彼は1878年、当時ロシア帝国の一部だったグルジア(現在のジョージア)の貧しい靴職人の家の生まれ。決してエリートの血筋ではなく、ロシア人でもない出自だった彼がどのように権力掌握をしていったのか。

    本書ではこの幼少から語られるが、上巻では青年期に地下活動家としてボリシェヴィキに加わり、革命運動に身を投じる所までが見所。幾つか注目する点があるが、私はやはり政争に関して。

    1917年のロシア革命において、スターリンはトロツキーやレーニンのようなカリスマ的指導者ではなく、ロシア語も完ぺきではないため、演説が得意なわけでもなく、理論的革新を示したわけでもない。彼は新聞『プラウダ』の編集や組織運営など、裏方の役割を確実にこなし、「実務家」として党内に地位を築いていったという。

    「党総書記」に就任した以降、党員人事の承認権を握り、忠実な部下や支持者を重んじ、逆に反対勢力を駆逐していく事になる。それが際立つのが、レーニン死後(1924年)。党内での後継者争いは、スターリンとがトロツキーを追放し、その他の旧ボリシェヴィキの重鎮も次第に失脚させ、最終的には粛清する事に繋がる。

    トロツキーはスターリンと異なり、演説も理論も抜群に優れており、「世界革命論」を掲げて国際主義を訴えた。対してスターリンは党組織を動かす「実務屋」として存在感を発揮し、ソ連一国での建設を優先する「一国社会主義」を強調した。単純化すると、トロツキーは理想主義的、スターリンは現実主義的という構図だ。

    スターリンの「一国社会主義」と彼の「グルジア人としての出自」は、矛盾しないのか。帝政ロシアの抑圧に苦しんだ少数民族の出身者が、のちに「ソ連=ロシア中心主義」とも言える立場をとったのは何故か。

    総書記となり権力を握り、多民族国家ソ連を維持するためには、中央集権的な体制が不可欠となったため、「ロシア人こそソ連の兄弟民族の中の“長兄”」とする大ロシア主義的なイデオロギーを打ち出し、ここでスターリンは「出自よりも支配者としての立場」を優先したと言われる。出自の違和感は、むしろ「自分は非ロシア人だから客観的に民族問題を扱える」と逆手にとったというのだ。

    その後、スターリンが1920年代に自らの故郷グルジアで起きた「民族自決運動」を弾圧した事件(グルジア問題)により、この矛盾の「実例」が見えてくる。スターリンは出自に関わらず強硬に中央支配を主張し、グルジアの民族自決を弾圧。レーニンはこれを批判し、スターリンとの決定的な不和の一因となったのだが、つまりスターリンは「グルジア人である自分」を全く優遇せず、むしろ切り捨てることで「ロシア中心のソ連国家の支配者」としての姿勢を固めていった。

    プーチンの思想、ロシアの原点を探るのにも適した良書。そういえば、本書は米原万里のオススメでもあった。下巻が楽しみ。

  • レーニンの革命からスターリンが権力を掌握するまでの話である。レーニンについて日本で説明されているものが少ないので結構読みでがあると思われる。

  • 図書館で。
    米原さんの本でオススメされていたので借りてみたけれども…ソヴィエトの歴史はあちらの小学生よりも無い自分にはこの本はまだ早かった。もう少し易しい…よくわかるロシアの歴史、か何かを読んでからにしないとな。

    取りあえずスターリン母が典型的DV男な夫を恐れなくなった、という辺り母は強しだな、と思いました。確かに外国のマンマは腕っぷしが強そうだな~

  • 読み手をひきつけることを強く意識した伝記。本書ではスターリンの出生から、その妻ナジェージダの死までが描かれている。ところどころ回りくどい表現があったり、読者を驚かせることを狙い過ぎた表現が見られるが、全体としての雰囲気はかなりよく、当時の情景を想像しつつ、強大なエネルギーを持ったスターリンというその人を思い描くことができる。下巻も楽しみ。

  • 上巻では、神学生が学校をやめて地下活動を始め、紆余曲折、様々な陰謀を巡らしついにレーニンに代わって党を治めるところまでが書かれる。
    謎を解き明かしつつ語っていくラジンスキーの手法は読者を引きつけて最後まで読ませる。

  • ふむ

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