ソフィーの世界 上: 哲学者からの不思議な手紙

  • NHK出版
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140803318

感想・レビュー・書評

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  • ノルウェイに住む14歳のソフィーのもとにある日届いた手紙には「あなたはだれ?」と書かれていた。やがて始まる哲学講座にのめり込むソフィー。
    ヒルデの父の胡散臭さたまらない。同じくらいアルベルトも胡散臭いけど、なぜかソフィーは彼を信頼している。
    内容が難しくて気づくと何度か寝てた。よく眠れる本。「当たり前を疑ってかかる」という哲学者の姿勢と、それを実行し続けることの難しさを感じた。ソフィーが哲学講座にページを振ってファイリングして「ソフィーのためだけに書かれていく本」として大切にしているのが羨ましくなった。

  • 哲学者の考えを俯瞰し物語形式で進んでいく、中学生くらいからでも読めそうな入門書的作品。

    俺ちゃんなんかは、何かしら行き詰まった時に、考え方のヒントを貰うためによく哲学書を読んだりするけれど、ちょっと対極のスタンスなので苦戦。
    少し考えて、ある程度答えが出たらすぐ切り上げるタチだしw

    上巻は主にプラトンやソクラテス、近くてもデカルトあたりまでで、比較的思想が頭に入ってる学者が多いので難しさは感じなかった。

  • 2016.10.4
    下巻に記載。

  • 縦横無尽にソフィー(女子)が哲人たちに会いにいく。
    そんな楽しい本です⭐️

  • 哲学の本というよりも、哲学史の本といった方がいい。偉大な先人たちの紹介以上のものは無いけども、物語として面白い。

  • ■ソフィー、という少女が突然現れた哲学の先生=アルベルトから、哲学の授業を受ける。この著書における、特徴としては、いわゆる、マトリョーシカ人形のような構造になっている、という点であろう。まず、ソフィーは読者の代弁者である。つまりアルベルト(=先生)から、哲学を学ぶという一番最小の仕組みがあり、次いで、ソフィーとアルベルトのやりとりを本として読むヒルデが第二の読者である。ということでヒルデが第二の代弁者となる。とはいえ、実はこれさらにもう一つ構造があって、そのやりとりをさらに上位から眺めている読者。


    簡単に書けば以下のようになる。

    ・ソフィー:アルベルトから手紙をもらい、アルベルトと直接話している。
    ・ヒルデ:ソフィーとアルベルトのやりとりを文章で追いながら、自らあれこれ考えている。
    ・読者:ソフィーとヒルデを文章で追っている。


    小説の構造としては非常に珍しくないのだが、この著書ではバークリが重大なカギを握らされている。上巻最後で紹介されたバークリはイギリス経験主義の最終形として紹介される。

    ※ここで簡単にイギリス経験主義について触れておくと、ソクラテスやプラトンの頃から、「理性」か「感覚」かという流れがあった。理性というのは人間の中に絶対的に正しいものがあり、外界と触れ行く中でそれを探していくとする。プラトンのイデアがある意味で一言でこの理性を一言で言い表しうるだろう。この理性派=大陸合理主義と表現し、反対に人間は白紙である。ここから、様々な感覚を通して経験を経ていくとするのが経験主義である。非常に簡潔に説明してしまっているが。


    バークリはこの流れで紹介され、しかし、その感覚=経験すら実は確たるものではないのではないか?という懐疑をもたらしている。では、この感覚は誰のものか?というところで神のもの。ここで神を出してくるあたりが卑怯とも言えるのだが、つまり、我々の思考は実は誰かのものなのではないか?という懐疑は捨てられないといことなのである。ソフィーとアルベルトは彼らは自分で思いついたように思考しているが実は彼らは、ヒルデの父=少佐の操り人形でしかない。あるいは、荘子のように実は自分は蝶で、人間になった夢をみているのではないか?とも言える。そもそも、地球を一つの生命体として考えれば、我々は地球という一つの生命体のただの部品の一つ一つになってしまう。これを区分けする。例えば、一つの建物を一つの生命体としてしまえば、その建物のの内部にいる、人間は一つの生命体といった枠組みで括ることも、まあ不可能ではない。という、ユニークな視点を提供してくれるあたりがこの著書には面白味がある。後、哲学の解説書にしては文化にまで触れているあたりが乙かもしれない。


    ■批判点として挙げられるのは、ソフィーが優秀な生徒ではないのに優秀な生徒であるかのように描写されている点。彼女は同年代の少年少女にしては明らかに呑み込みがよく記憶力なども優れている。しかし、「優秀な哲学の生徒」ではない。彼女は聞いたことをほぼ鵜呑みにしている。自分なりの哲学観の兆しをまるで見せてくれない。彼女を追いかける側=読者として彼女にまるで脅威を抱かない。ヒルデに関しては問題外。

    ここで一応、読者に対応する作者も連ねておく。

    ・ソフィー⇔アルベルト
    ・ヒルデ⇔ヒルデの父=少佐
    ・我々⇔ヨースタイン

    といった形に、著者も三段構造になっているのだけれど、アルベルトはそれなりに面白味のある人物造形がされているが、少佐自体はかなり浅ましい安っぽいキャラクターになってしまっている。途中からこの本の構造自体が安っぽいものと化しかけてきているので、その観点から行くと結局ヨースタインまで安っぽくなってしまっているという連鎖がある。辛うじてアルベルトで保っているが、アルベルト自体も彼の独自の哲学観を繰り出しているかと言えば、実際には、この本における構造一本だけなのである。とりあえず、下巻を読み終えたところでもう一度感想を書きたいと思います。

  • 読書会の課題本として読みました。十数年前のベストセラー小説、というイメージしかなかったのですが、哲学の本だったのですね。ずっとスルーしていました。哲学にちょっとでも興味のある人には、必読の書だと思います。本書のすごいところは、本当にわかりやすいところです。哲学書は、どんなにわかりやすいものでも、途中から用語や説明がさっぱり意味がわからなくなる、というイメージがあります。(最初から???、というのも結構あるように思います)そういうのに比べると、この本は異常にわかりやすいです。古代ギリシア以前から始まり、本書上巻では近代(ロック・ヒューム・バークリー)まで扱っていますが、「西洋史で聞き覚えのあるあの人は、こういうことを言っていたんだ」ということがよくわかりました。平易でわかりやすく、また小説としても読んでいて面白い本です。星5つ。

  • 中学生で1回、高校で1回、大人になったのでもう一度読んでみようと思う。

  • 西洋哲学史のおさらい。

    三千年を解くすべをもたない者は
    闇の中、未熟なままに
    その日その日を生きる

    というゲーテの言葉が印象的。

  • 哲学の歴史をわかりやすく、一つの物語として書いてある。哲学入門書には最適。中学生の時に初めて読んで、社会人になって改めて読み直した。

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