エンデの警鐘: 地域通貨の希望と銀行の未来

制作 : 坂本 龍一  河邑 厚徳 
  • NHK出版
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本棚登録 : 148
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140806678

作品紹介・あらすじ

エコロジーの破局か、エコノミーの破滅か-未来世代の希望につながる「第三の道」はあるか?ファンタジー作家M・エンデに導かれ、音楽家・坂本龍一とともに、「未来を奪う経済学」を撃ち、地域通貨の実践と銀行の胎動を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 河邑著『エンデの遺言』の続編。本書の大部分は、『エンデの遺言』から影響を受けて各地で発生した地域通過の試みを紹介する。それに比べて分量は少ないが、本書は、近代経済学の問題を取り上げており、興味深い。

    アダム・スミス以来の近代経済学は、資源や人々の潜在能力を計算に入れない。それは、「未来を奪う経済学」であり、未来の危機を不当に低く見積もるという、認識のゆがみをもたらした。

    エンデは、「すでに第三次世界大戦は始まっている」と、繰り返し語っていた、という。第三次世界大戦とは、国と国との戦争ではない。それは、時間の戦争であり、私たちの子どもや子孫を破滅させる戦争である、と。時間の戦争--現代の政治・経済におけるさまざまな問題が、この言葉に凝縮されている。

  • 前著「エンデの遺言」の続編・実践編みたいな本。地域通貨への展望や、銀行の新しい取り組みが書かれているが、2021年の今となっては、デジタル技術でエージングマネーを作って流通させられないかと思う。

    だからと言って、仮想通貨が地域通貨の進化形になるとは、全く感じない。今の仮想通貨は、ほとんど買い物に使えない点で、交換媒体にならないし、ボラタリティが大きすぎて、価値尺度にもなり得ない。お金の基本機能さえ持ち合わせないものを「通貨」とは呼べない。

    ただし、ブロックチェーン技術でエージングマネーを作れるとは思う。エージングマネーならば、現在の仮想通貨のような投機の対象にはなりえない。そのようなデジタル・エージングマネーが富の再分配につながるだろう。

  • 地域通貨は結局は期待通りには発展せず。仮想通貨が今後どんな役割を果たすことになるのかを思慮する必要あり。

  • ブログに感想書きました。http://monozukiai.blogspot.jp/2012/08/blog-post_30.html

  • 著者に「坂本龍一」なんて書かれていますが、坂本さんが関わった部分ってすごく少なかったような。「はてしない物語」などを遺したファンタジー作家・ミヒャエル・エンデからヒントを得た、地域通貨や新しい形での銀行のありかたを探った本です。多様性、エコ、共生みたいなのもテーマとしてあったかなぁと、思い返してみたりします。あまり覚えていません。

  •  エンデの遺言で述べられている痛烈な金融資本主義に対する批判や地域振興に加えて、坂本龍一氏が登場して、環境問題が大きく取り上げられている。ただ、インドなど途上国を美化するのはあまりにイノセントな気がするのだが。。。

  • フォトリーディング&高速リーディング

  • さすがに前編ほどの衝撃はないが、それでも、経済成長を追求するあまり地球資源を消費してしまった現代の危機の重大さに改めて驚きました。

  • 遺言の続編

  • 未読

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