ミステリーの生まれたところ NHKアガサ・クリスティー紀行
- 日本放送出版協会 (2004年12月24日発売)
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感想 : 5件
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784140810088
みんなの感想まとめ
アガサ・クリスティーの生涯と彼女の作品にまつわるイギリスの風景を巡る旅を描いた本書は、ファンにとって魅力的な一冊です。クリスティーの故郷トーキーや、デビュー作『スタイルズ荘の怪事件』の舞台となったダー...
感想・レビュー・書評
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2004年NHKアニメ劇場「アガサ・クリスティーの名探偵ポアロとマープル」の番組ディレクター坂本康子さんが番組のためにイギリスで取材した時の紀行本。
ありとあらゆるツテを辿って色々な所に取材していて、取材力がとてつもなく素晴らしい!
クリスティー好きからすると、こんなに丁寧に取材してくれてありがとうございます!という気持ちになる。
タイトルに「紀行」とあるように、クリスティーゆかりの地を自分も旅行しているような気分になれる素晴らしい本。所々に写真も掲載されている。
クリスティーのことが好きになって、そこからイギリスも好きになったので、まさにこういう本が読みたかった。知りたいことだらけで夢中になって読んだ。
これを読んだらクリスティーのことがもっと好きになり、クリスティーの作品を読んだ時に更に面白くなる。
両親、幼少期、自然豊かで綺麗な田園風景、イギリスの風習などのすべてがクリスティーをつくったのだと感じた。
図書館で借りたので、この本が欲しくなって調べたけどもう絶版で購入できなかった。
クリスティーのことがこんなに細かく書かれている本は珍しいと思うので、絶版だなんて悲しい。
第1章 アガサの故郷トーキー―幸せな子ども時代
第2章 ポワロとマープル
第3章 アガサと乗り物
第4章 アガサの食卓
第5章 アガサの愛したデボン地方
第6章 アガサとロンドン
ここから先はこの本のネタバレしてます。
これから読まれる方は、ここから先はご注意ください。
◆クリスティーメモ
・クリスティーが洗礼を受けた教会の証明書。父親の職業は「ジェントルマン」と書かれている。働く必要がないほどお金持ちであったためにジェントルマンと書いたそう。
・クリスティーが小さい頃、海水浴では男女が同じところで泳ぐことは許されていなくて、特別婦人用海水浴があった。
アガサが13歳の時に男女が同じ海で泳ぐことが許されるようになったが、ストッキングをはいて海水浴しなければならなかった。
・クリスティーの生まれたトーキーは日本でいうと熱海。気候が良く海もあるので上流階級の人達の避暑地だった。
・クリスティーが表に出ることをひどく嫌がっていた気持ちを汲んで、アガサ記念館は驚くほど小さい。
本人の意向から「アガサ・クリスティはミステリーの中で生き続ければいい」という雰囲気が町の人達にもあって、クリスティーにまつわる看板など町には全くない。
・クリスティーは子どもの頃にシャーロック・ホームズに夢中になっていた。
『バスカビル家の犬』の舞台となったダートムアで初めての作品『スタイルズ荘の殺人』を執筆していた。
ダートムアはミス・マープルのセント・メアリ・ミード村のモデルにもなっている。
・『雲をつかむ死』でポアロが乗った飛行機と室内の写真も掲載されている。
自分は『雲をつかむ死』をエコノミークラスを想像しながら読んでたけど、全然違っていて驚いた。
オリエント急行のようなとても豪華な客室。
機内ではシートベルトもなく、コース料理や睡眠薬まで用意されていた。
・クリスティーはとんでもなく早い時期に飛行機に乗っていた。
1911年21歳のクリスティーは5分間の飛行機に試し乗りした。毎日のように墜落していた頃で、かなりの勇気ある行動。
もしこの時に墜落してたらクリスティーの本は1冊もうまれなかった。無事で本当に良かった。
・『アクロイド殺し』のトリックについて「不可能ではないか?」とクリスティーに直接手紙を送った数藤さんという方の記事が載っている。驚くことにクリスティーから返事が返ってきたという。
この後も数回文通していたら、なんとクリスティーからイギリスに招待されて1972年8月10日にディナーを共にしている!クリスティー82歳の元気な様子が書かれていた。
この数藤さんって一体何者?と思って調べたらクリスティーファンクラブの主宰者で、私も読んでいた学習漫画『アガサ・クリスティー』の監修者だった。
・アガサ・クリスティーと呼ばれることより、ミセス・マローワン、レディ・マローワンと呼ばれることを好んでいた。
・孫のマシューさんにも取材している。
祖母が書いている姿をほとんど見ることはなかった。午前中の誰もいない台所にある大きな机で一気に書いて、午後はみんなと話したりお茶を飲んで過ごしていた。
家族の話をよく聴いていてそこからヒントを得て、いつの間にか作品の中に散りばめられていた。
「その集中力と1年に1冊は書くという使命感、そしてその行動力は眼を見張るものがある」
1976年1月12日、クリスティーはロンドンの自宅で昼食の後「私は神の御許へ行こうとしている」という言葉を最後に息を引き取った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2004年、アガサ・クリスティーのポアロとミス・マープルをNHKがアニメ化するに際し、作品の舞台となるイギリスの生活や風習、アガサの生涯を紹介する番組「アガサ・クリスティー紀行」がつくられた。本書は番組の内容を書籍化したものである。
Naotyさんのレビューで知った本。
本書は、アガサの生涯をたどりながら、ゆかりの場所であるイギリス南西部とロンドンを巡る。
アガサは身近な場所を舞台に小説を書いていたので、彼女の軌跡をたどることは、そのまま小説の舞台を紹介することになるのがファンには二重にうれしい。
最初は生まれ故郷のトーキー。だが、トーキーにはアガサの足跡はほとんど残っていないらしい。イギリスではそこまで特別視されていないのか?と思ったが、派手なことが嫌いだったアガサの意を汲んだものだそう。現在は、トーキーで一番古い建物の一部屋をアガサのメモリアル・ルームとし、ゆかりの品などを展示しているそうだ。生家のアッシュフィールドは、1960年代の開発でアガサも知らないうちになくなってしまったそうで残念。
その他、デビュー作『スタイルズ荘の怪事件』を書いたダートムア、ミス・マープルの住むセント・メアリー村のモデルとされているウディコム村やコッキントン村、脂ののったアガサが別邸として購入したデボン地方のグリーンウェイ・ハウスなど、アガサゆかりの地がたくさん紹介される。
小説に出てくる食べ物を実際に味わう旅も魅力的だ。イギリスの料理はまずい、というイメージが先行しているが、地元の人がつくり続けている伝統料理はやはりおいしそうだ。
番組の書籍化ということもあって構成がしっかりしているし、ディレクターが手探りでクリスティーの足跡をたどる様子がミステリのようで、読んでいてとても楽しかった。そして、これを読むとイギリスを訪れたい気持ちがどんどん膨らんでくる。いつか必ず、クリスティーゆかりの地を巡る旅に出るぞ!
アニメも紀行番組も全く知らなかったので、再放送してくれないかなあ。 -
クリスティーの作品を基に彼女の生い立ちを紐解く。
かなりの作品を網羅しているので、もう一度読みたくなったのも多かった。また、これを読んだ後に作品に向き合うのも面白いかもしれない。 -
海外の知識がほとんど無いので、これからクリスティの本をスムーズに読んでいくために読みました。
地名や風景、食べ物、乗り物などの事がよく分かった。
それにしても、クリスティファンの数藤康雄さんってスゴい。
きちんとファンレターに返信して、お家にも招待しちゃうクリスティもスゴい。
