ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (661ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140811672

作品紹介・あらすじ

進化は加速している-。「生物の限界を超え2045年、人類はついに特異点に到達する」NHK BS特集『未来への提言』で紹介された、世界最高峰の発明家による大胆な未来予測。

感想・レビュー・書評

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  • 遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学を中心としたテクノロジーが指数関数的に発達することで、2040年代に特異点(シンギュラリティ)を迎える。本書は「2045年に人口知能が人間を凌駕して自己増殖を始める。」といった引用の出典です。

    「20億年前、我々は微生物だった、5億年前は魚だった。一億年前はネズミみたいなものだった。1000万年前には類人猿だった。100万年前は原人で、火を使うことを発見していた。」といった気が遠くなるような人類の歴史やムーアの法則、DNA解読のスピードなどテクノロジー発展の指数関数的な進化を諄い程に説明する。

    更には非生物的な知能が人間と機械の長所を併せ持てば、機械のコストパフォーマンス、速度、容量が二重の指数関数的な成長を遂げるとして、ナノテクノロジーやコンピュータ(人工知能)の進化を順次説明する。

    コンピュータそのもののハードウェア的(コストパフォマンス)進化はさもありなんと思いましたが、ナノテクノロジーを使用しての人間の体を内部から監視して補修するなどはナノテクノロジーの現状を知らないこともあり、にわかには信じられません。

    著者がもっとも望んでいるのは父親が早く(57歳)で亡くなったこともあり、自分の健康と長寿をナノボットで実現することにもっと期待を抱いているように思います。また、GNR(ガンズ・アンド・ローゼズではなく、遺伝学、ナノテクノロジー、ロボットのこと)の加速度的な発達といいつつも遺伝学の話はとても少なく、遺伝子組み換え拒否を自然原理主義者呼ばわりしていたのが印象的でした。

    カーツワイル氏のシンギュラリティの到来の話の引用は人工知能の進化だけが取りざたされていますが、本書ではそれだけではなく、人間も体内にナノボットを仕込んで非生物的要素で強化して不老不死に近づき、AIとも繋がり人体2.0になり、更に、人体3.0ではその姿も自由に変化させることが出来るようになると非生物化する人類の新しい姿についても展望しています。長生きして行く末を見届けたいですね♪

  • 発明が失敗する理由はほとんどの場合、研究開発がうまくいかないからではなく、タイミングが悪いから。

    十分に進んだテクノロジーは魔法と区別がつかない。

    誰しも自分の想像力の限界が世界の限界だと誤解する。-アルトゥル・ショーペンハウワー

    人は、脳の超並列処理(100兆ものニューロン間結合)を用いて微妙なパターンを素早く認識するが、この思考速度は現在の電子回路よりも数百万倍も遅い。この為、人間の知識ベースが指数関数的に成長していく一方で、新しい情報を処理する為の生理学的な帯域幅は非常に限られたまま。

    21世紀では、100年分のテクノロジーの進歩を経験するのではなく、およそ2万年の進歩を遂げる。もしくは、20世紀で達成された分の1,000倍の発展をとげるとも言える。

    人はたいてい、今の進歩率がそのまま未来まで続くと直感的に思い込む。長年生きてきて、変化のペースが時代と共に速くなることを身をもって経験している人でさえ、最近に経験した変化と同じ程度のペースでこれからも変化が続くと感じてしまう。なぜなら数学的に考えると、指数関数曲線は前半はまるで直線のように見えるからだ。


    進化の6つのエポック
    進化は間接的に作用する。ある能力が生み出され、その能力を用いて次の段階へと発展する。
    エポック1:物理と化学 原子構造の情報
    エポック2 :生物 DNAの情報
    エポック3 :脳 ニューラルパターンの情報
    エポック4 :テクノロジー ハードウェアとソフトウェアの設計情報
    エポック5 :テクノロジーと人間の知能の融合 生命のあり方がテクノロジーの基盤に統合される。
    エポック6 :宇宙が覚醒する 宇宙の物質とエネルギーのパターンに知能プロセスと知識が充満する。

    我々の起源を遡ると、情報が基本的な構造で表されている状態に行き着く。それは物質とエネルギーのパターンである。原子の構造には、離散した情報が保存され表現されている事が確実にわかっている。

    ビッグバンから数十万年後、陽子と中性子からなる核の周りの軌道に電子が捕らえられ、原子が形成された。原子は電気的な構造をしている為にねばねばしている。数百万年後、原子が集まって分子と呼ばれる比較的安定した構造を作るようになり、化学的過程が始まった。全ての元素の中でも、もっとも用途が広いのが炭素。炭素は4方向で結合する事ができ(他は1˜3まで。)、複雑で情報量の豊かな三次元構造を作る。

    10億年前には、100万年にわたる期間を見てもたくさんの事は起きていない。しかし、25万年前になると、人類の画期的な事象がほんの10万年の期間中にいくつも起きている。テクノロジーについてみれば、5万年前に遡ると、1万年の間では大した事は起きていないが、最近ではたった10年の間にwwwなどの新しいパラダイムが大量に生まれている。


    パラダイムシフトの起こる率が加速化している。今の時点では10年ごとに2倍。

    情報テクノロジーの能力はさらに速いペースで指数関数的に成長している。今の時点で毎年2倍。この原則は様々な計測単位にも当てはまる。人間の知識量もその一つ。

    情報テクノロジーにおいては、指数関数的成長にはさらに上の段階がある。指数関数的な成長率が指数関数的に成長する。1940年代にコンピューター産業において実施された事業の中で、歴史的に重要だとみなされるものは僅かしかないが、今日ではこの業界の総収益は1兆ドルを超える。その分だけR&D予算も高くなっている。

    人間の脳のスキャンも指数関数的に向上しており、今やリバースエンジニアリング(解読し、それをAIなどのテクノロジーに応用する事)に十分なツールを手にしている。すでに脳の数百の領域の内、数十はかなり高度にモデル化されシミュレーションされており、20年以内には人間の脳の全ての領域の働きについて詳細に理解できるようになる。

    人間の知能を模倣する為に必要なハードウェアが、スパコンでは10年以内に、PC程度のサイズでは次の10年以内に得られる。2020年代半ばまでに、人間の知能をモデル化した有効なソフトウェアが開発される。

    ハードとソフトの両方が人間の知能を完全に模倣できるようになれば、2020年代の終わりまでには、人間の知能と区別がつかなくなるまでになる。(チューリングテストの合格)

    コンピュータがここまで発達すれば、人間の知能に従来からある長所と、機械の知能にある長所を合体させる事ができる。

    人間の知能にある長所の一つにパターン認識がある。超並列処理、自己組織化機能を備えた人間の脳は捉えがたいが一定した特性を持つパターンを認識するのに理想的な構造物。人間はさらに経験をもとに洞察を働かせ、原理を推測する事で、新しい知識を学習する能力を持っている。これには言語を用いて情報を収集する事も含まれる。人の知能の中でも重要なものに、頭の中で現実をモデル化し、そのモデルの様々な側面を変化させる事で、「こうなったらどうなるだろう」という実験を頭の中で行う能力がある。

    機械は知識を極端に早く共有する事ができるが、人間が言語を通じて知識を共有するスピードはとても遅い。

    機械は光速に近い速さ(毎秒30万キロメートル)で信号を処理し、切り替える事ができるようになる。哺乳類の脳で使われている電気化学信号の処理速度は毎秒100メートル。300百万倍も違う。

    生物圏全体でも、太陽系の物質とエネルギーの100万分の1に満たない。その多くは炭素。

    収穫加速の法則により、最先端と最後尾のずれが短くなっている。今の時点では、ずれは10年だが、10年後には5年くらいになる。つまり、最終的にほぼ全ての技術が無料に近い値段で利用できるようになる。


    自分の思考を他の誰かと融合させて、それでいて同時に自分の独立したアイデンティティを保っていられるようになる。


    ゲノムの全体量は8億バイトだが、そのほとんどは反復にすぎず、独自の情報を持っているのは3,000万から1億バイトだけ。これはMSワードのプログラムよりも少ない。

    現在のコンピュータは毎秒10億回の計算を実行するが人間のニューロン間の処理は毎秒1,000回。


    蟻塚のアリには優れた建築家がいるわけではなく、この構造物はコロニーの構成員全員が比較的単純な規則にのっとって予測不可能な相互作用を行う事から創発されたもの。

    脳が用いる基本的な学習パラダイムは自然淘汰的なもの。もっとも上手く世界を把握できて、認識や判断の役に立つようなニューロンの結合パターンが生き残る。新生児の脳ではランダムに形成されたニューロン間結合がほとんどを占めるが、二歳児の脳ではそれらのごく一部しか生き残っていない。


    場はどのようにしてその原理を表現するのだろう?物理学者は陽子や電子、クォーク、量子波動関数、相対性、エネルギー保存などの用語を使う。天文学者は惑星、恒星、銀河、ハッブル効果、ブラックホールなどの用語を使う。熱力学者はエントロピー第一法則、第二法則、カルノーサイクルなどの用語を使う。生物学者は系統発生、個体発生、DNA、酵素などの用語を使う。これらの用語は、なんとそれぞれ一つの物語を表す題名なのだ。場の原理は実際には場をなす様々な要素の構造と振る舞いについての複数の物語が織り交ざったものなのだ。-ピーター・デニング

    40歳でバイオリンを始めたとしても、脳の再組織化は起こる。

    一緒に発火するものは互いに結合している。

    マウスを中身のつまらないカゴから出して、刺激の多いカゴに移すと、海馬の領域で分裂する細胞の数がおよそ2倍になった。

    人間の脳は、比較的小さい分散型システムが多数集まってできていて、発生学に従った複雑な社会となり、あとから追加された直列型の記号システムで部分的(ほんの一部だけ)に制御されている。

    10歳の子供がフライのボールを取れるのは、頭の中に三次元運動のモデルを構築しているのではなく、ボールの観察された動きを外野手の適切な動きへと直接変換し、両腕と両足の動きを変える事で行っている。

    タコの中枢神経は非常に高度なレベルの命令を足の1本1本に与えているのではなく、それぞれの足にある独立した末梢神経系に任せている。人間も筋肉への最終信号は、神経系の下位レベル、具体的には脳幹と脊髄で決定される。

    視神経には10から12の出力チャネルがあり、それぞれが一つの場面について最小限の情報を運んでいる。例えば、あるグループは輪郭についての情報、あるグループは同色無地の広い面積だけを、あるグループは興味を引く形状の背景だけというように。


    2020年代にナノボットの時代が来れば、神経活動の重要な特徴を一つ残らず脳の内側から非常に高い解像度で観察する事ができるようになる。脳の毛細血管に何十億ものナノボットを送り込めば、脳の働きの全てを非侵襲的にリアルタイムでスキャンする事ができる。


    MOSH(Mostly original substrate humans..元の基体をほぼ保っている人間)は別として、AIと人間の間には明確な区別はなくなる。


    ナノテクノロジーによって実現する様々な機能

    ・光電装置、、ソーラパネルのコストを10分の1から100分の1まで下げる。

    ・水素製造、、水と太陽光から水素を生産する新しいテクノロジー

    ・水素貯蔵、、燃料電池用に水素を貯蔵する軽くて丈夫な素材

    ・燃料電池、、コストを10分の1から100分の1まで下げる。

    ・エネルギーを貯蔵する電池とスーパーコンデンサー、、貯蔵密度を10倍から100倍向上させる。

    ・軽量で丈夫なナノ素材を用いて車や航空機などのエネルギー効率を上げる

    ・月面上など宇宙空間にエネルギー収集用大型システムを構築する

    ・ナノテクを使ったAIロボを用いて宇宙や月面上でエネルギーを生産する構造物を自動的に作る

    ・ナノ素材コーティングによって深部掘削費用を大幅に削減する

    ・ナノ触媒を超高温で用いて石炭による発電量を大幅に増加させる

    ・ナノフィルターによって高エネルギー炭抽出の際に排出される煤塵を回収する。煤塵は大部分が炭素で、それはほとんどのナノテク製品に使われる原料。

    ・新素材によって熱く乾燥した石を地熱発電の燃料にする。(地球のコアからの熱をエネルギーに変換する)


    ナノサイズの燃料電池は、人間の血液中のブドウ糖と酸素の反応から直接電気を起こす事ができる。このシステムでは理論上は人間一人の血液から最大100ワットの電力が生産でき、それは人間に埋め込む機器の消費電力をはるかに上回る。

    赤血球全てをレスピロサイト(人口赤血球)と交換すると、オリンピックの短距離走並みの速さで15分間息継ぎなしで走れるようになる。

    DNA修復ロボットはDNAエラーを修正するだけでなく、DNAそのものを変えられる。

    医療用ロボットは、個々の細胞から望ましくない老廃物や化学物質(プリオン、異形タンパク質、プロトフィブリルなど)を除去する。


    今後10˜20年以内にバイオテクノロジー革命により、老化や病の進行を食い止め、さらには若返ったり、病を治す今よりずっと強力な手段が出てくる。毎年、よりパワフルな手段が登場するし、その進歩は加速する一方。そして最後にナノテクが締める。生物学的年齢として30代のどこかに落ち着く。

    老化の進行を止めて若返る為にナノボットを使うのは、ナノテクとコピューティングを体内や脳に取り入れる初期段階。やがてナノボット同士が情報をやりとりしたり、人間の神経細胞とコミュニケーションをとるようになり、人間の思考プロセスが拡大する。非生物的知能はひとたび我々の脳の中に入ったら収穫加速の法則に従い、指数関数的に拡張する。一方、生物学的思考は事実上行き詰まる。

    映画を批評する、記者会見を開く、話し言葉を翻訳する、という自然言語を人間レベルで理解する事が求められる3つの行為がAIにはもっとも難しい。


    テクノロジーを創造する種へと進化するのはバクテリアの宿命だった。今度は巨大な知能を持つ特異点へと進化するのが人類の運命。


    特異点が近づくにつれて、人間生活の本質について考え直し、社会制度を再設計しなくてはならなくなるだろう。

    栄養補給用のナノボットが体内へ栄養を運び込む一方で、排泄用ナノボットも役割を果たすようになると、腎臓は不要になる。

    ナノボットを血液中に出し入れする方法が完成されると、やがてナノボットと血液を全て交換できるようになる。500兆のナノボットが全血流の代わりに流動する事なく、必須の栄養や細胞を体の各所に届けられる。

    レスピロサイトによって酸素運搬能力が大幅に向上し、ナノボットに二酸化炭素の除去も任せられるようなれば、肺がなくても生きていける。

    2030年初頭、我々の体で残っているのは骨格、皮膚、生殖器、感覚器官、口、食道上部、脳だけとなり、あとは全て不要として除去される。バージョン2.0。

    2030年代から40年代には、人体を簡単に変化させる能力を持つ。バージョン3.0。脳の大半は非生物的になり、バーチャルリアリティーでも現実でも身体的特徴を好きなようにすぐに変えられる。

    複数の人格が一つの環境に共存する時には、あらゆる感覚を共有するようになるが、感情もまた共有される。ナノボットは感情や性的快感その他感覚的経験や精神的反応からの派生物を神経学的に相関させたものを産み出すことができる。

    アップロードされた誰か他の人の感覚、感情に接続して、その人になったような体験をする娯楽が人気を集める。

    2030年頃のナノボットの重要な利用法は、生物的知能と非生物的知能の融合によって我々の心を文字通り拡大すること。最初は、人間の遅い100兆のニューロン間結合をナノボットのコミュニケーションを経由する高速のバーチャル結合によって補強する。これにより、非生物的知能の強力な方式と直接繋がることができ、同時に人間のパターン認識力、記憶力、総合的思考力は格段に向上する。その技術はある脳から別の脳への無線通信も可能にする。

    2020年代初め頃、視聴覚バーチャルリアリティ解像度が極めて高い完全没入型になり、2020年代には、あらゆる感覚と結びついた完全没入型のバーチャルリアリティ環境の中で、人は思いのままに変身できるようになり、2040年には現実世界でもそれが可能になる。


    平均寿命の変遷
    クロマニヨン時代:18歳
    古代エジプト時代:25歳
    1400年ヨーロッパ:30歳
    1800年欧米:37歳
    1900年米国:48歳
    2002年米国:78歳



    比較的長持ちするニューロンでも1ヶ月で全て入れ替わる。樹状突起中のアクチンフィラメントにいたっては約40秒で入れ替わる。つまり、「私」とは、長時間持続する物質とエネルギーのパターンである。だが、この定義では完全にコピーされたものも「私」と言えるので問題がある。



    変化は常に原理主義者とラッダイトの反動を呼び起こし、それは変化の速度が増すにつれて激しくなる。しかし、見た目は論争を呼んだとしても、人類の健康、富、表現力、創造性、知識にとって圧倒的な利益をもたらすものである事はたちどころに明らかになる。


    2030年代になると、人間と機械、現実とバーチャルリアリティの区別は無くなる。仕事や遊びについてもそうなるかもしれない。


    「タイプ2の文明」とは、恒星の力を利用して電磁波の放射による通信を行う文明。
    「タイプ3の文明」とは、所属する銀河のエネルギーを利用する文明。


    特異点主義とは、信念体系でもなければ統一された見解でもない。それは基本的に基礎となるテクノロジーの動向を理解する事であり、それとともに健康や富の本質から死や自己の本質に至るまで全てを考え直すきっかけとなる洞察である。


    2040年代には非生物的な脳の方が数十億倍もの能力を発揮するようになる。


    人間は自分のDNAによる細胞を約10兆持っているが、消化管には約100兆もの微生物(主にバクテリア)がいる。つまり、体内にある細胞の90%は自分のDNAではない。

    消化管は物理的には体内にあるのに、体はそれを体外とみなし、そこから血液に吸収するものを慎重に選別している。


    仏教の一部の宗派は、人と人との境界が本質的になくなる境地があると言っているが、それはまるで特異点のようだ。

  • 強烈な本だ。生物学からロボット工学、果ては宗教、哲学までも俯瞰しながら人間を超越するものを論じている。とても小生のような素人がレビュー出来る代物では無い。ハードカバーで600ページもあり、読了まで10日必要としたが疲労感は無く、どんどん引き込まれていった。

  • 科学(というか人類)の今後を俯瞰した本。こういうマクロな視点で科学を語る本はあまりないように思うし、非常に刺激的な内容。また、これまで関係のないと思ってた学問分野(科学に限らず、経済、哲学とか)が自分の中で少しずつ繋がってく感覚を体験させてもらった。

    著者の時間軸通りに物事は進まないかもしれないが、この本で描かれている人間の進化の道筋は間違ってないように思う。今後すべきことの参考になる。

    一番印象的な事は、テクノロジーが線形的ではなく、指数関数的に発展するということ。この考え方はテクノロジーに限らずいろんなことにも当てはまるんじゃないかな、と思ったり。

  • あまりに頭が優れすぎていて、現状の限界に我慢がならないんだろうな、とか。おそらく一般人はバージョン1.0の人間でいっぱいいっぱいな気はしたり。
    昔夢見た人間外付HDの実現は近いみたいだし、まるまる信じて長生きしたくなりました。甲殻機動隊の世界だな、再読しよう。

  • 今でも読める良書。テクノロジーが指数関数的に爆速する特異点の兆しをGNR三本柱で書く。リスクと前作で受けた批判についても取上げている。

  • 遠い未来のことじゃなくて、自分が生きてる間にこんなレベルまで行っちゃうのかとワクワク。コンピュータやナノテク、遺伝学、脳科学などいろんな分野の研究成果を総合すると見えてくる未来像。

    コンピュータなどの性能の指数関数的な向上(ムーアの法則)が続くと、2045年頃には人類の知能をはるかに超えたAIが誕生し(特異点)、それにより世界は何もかも変わってしまうという未来予想。もう特異点が来るのは自明のことで、その後にどのようなことが起こるのかの考察がメインな勢い。私も70歳まで生きれば立ち会えるかも。

    IT屋の私としては、最新のコンピュータ研究がどんなことをしているのかが分かったのも良かった。

    しかし、そうなると我々はシミュレーションの中で生きている可能性が高いんじゃないだろうか(´・ω・`) http://ja.wikipedia.org/wiki/シミュレーション仮説

    ジャロン・ラニアーさんが『人間はガジェットではない』 http://booklog.jp/asin/4153200166 で言ってた「クラウドから神が生まれるのを望む人々」が云々と否定的に言ってたがこれのことかな。

  •  レイ・カーツワイルが語る素晴らしき未来のユートピア。といった趣を感じてしまうが、読み進むうちに実際にシンギュラリティが来るだろうと確信した。楽観的過ぎるとの意見も多数あるようだが、パソコンの処理能力は指数関数的に上昇しているのは確かなことだ。バイオテクノロジーやロボット工学、ナノテクノロジーの発達とこの分野の融合により、飛躍的に生活が便利になったり、あるいは新技術が生み出されているのは現在の状況においても時々目にできることだ。この発達のペースがこれからも続けば、カーツワイルが思い描く世界が到来することは理の当然だ。

  • 夢見た未来はすぐそこまできている。僕の人生を変えた本です。

  • ココに書いているある途方もない未来は実現するだろう。人間の欲のためにオプチミスティックな未来は遅かれ早かれ必ず実現する。これから40年が楽しみだ。

    2008年5月、再読。
    この分厚い本を読んでいると、数時間もかけてこの読んでいることがばからしくなる。数十年後の人間は数秒で読み込むだろうに。

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