アレクサンドルII世暗殺 上 ロシア・テロリズムの胎動

  • 日本放送出版協会 (2007年9月29日発売)
3.55
  • (2)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 33
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784140812327

みんなの感想まとめ

物語は、アレクサンドル2世の生涯を軸に、彼の曾祖父母の代から始まる壮大な歴史を描いています。ロマノフ家の複雑な家族関係や、皇帝が直面した暗殺の危機が緻密に描かれ、特に農奴解放令の発布後に若者たちが過激...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  主人公(アレクサンドル2世)の曾祖父母の代から物語が始まるのはやや冗長に感じるが、ロマノフ家という大家族と、皇帝がいともあっさり殺されてきた黒い歴史を語る上では必要なことなのだろう。強権を持つニコライ1世と主人公が皇太子として登場してからはドストエフスキーなど著名なロシアの作家たちが絡み、徐々に面白くなってくる。
     アレクサンドル2世の偉大な功績である農奴解放令の発布後にロシアの青年たちがそれを称えるのではなく、むしろ過激思想に染まり「”改革”ではなく”革命”を」=「皇帝暗殺がそのきっかけになるべき」という信念が時代の潮流となってテロリズムが台頭していく。
     最初の暗殺を試みたカラコーゾフの事件における「なぜ皇帝直属の秘密警察である第三部は不穏な予兆に気づかなかったのか?」という冷静な指摘が興味深い。そして側室制度のないロマノフ王朝の慣例を破り、アレクサンドル2世が愛人エカテリーナ・ドルゴルーカヤに「公女」の地位を与え、彼女が”誰もが知っている秘密”として公然と宮廷の寵姫になっていく過程が描かれる終盤に盛り上がりを見せる。

  • ロマノフ王朝の始まりからニコライ1世統治下でのアレクサンドル2世の様子、即位後の農奴解放、暗殺未遂など。
    ロシアの歴史はあんまり詳しくないし、特にこのあたりはほぼ知らない。アレクサンドル2世が暗殺されたくらいしか分からないので面白い。ロシアってやっぱり不思議で怖いな…。

  • 「歴史ドキュメンタリー小説」というジャンルを開拓した著名な劇作家、エドワード・ラジンスキーの小説。アレクサンドル2世と家族とのかかわりなどが垣間見れて面白い。下巻も読まねば。

  • 農奴改革を実施したアレクサンドル2世の生涯を描く。ロシア史はとっつき難いイメージがあったのだが、その印象を見事に払拭してくれた本。皇帝自身の生い立ちや性格、プライベートな事柄を述べつつ、1917年のロシア革命の萌芽が生まれた社会情勢の変化をとても面白く書いている

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1951年生 
東京大学大学院人文科学研究科露語露文学専門課程(博士課程)単位取得退学 文学修士 
中央学院大学特任教授・北海道大学名誉教授
『ロシア語対訳 名場面でたどる「罪と罰」』(NHK出版、2018年)
(翻訳)
フョードル・ドストエフスキー(望月哲男訳)
『白痴1-3』(河出文庫、2010年)

「2021年 『ドストエフスキー 表象とカタストロフィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

望月哲男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×