アンデスミイラ (NHKスペシャル 失われた文明)

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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140812365

感想・レビュー・書評

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  • 以前、インカ帝国展に行ってミイラやインカの歴史を見たとき、もっと詳しく知りたいと思い借りてきた一冊。

    インカのミイラ文化は古く、スペインの侵略でそれはほとんど破壊され残っていないが、今でもペルーの一部でひっそりとミイラ信仰が残っている。
    ミイラが安置されてるその家には、遠くの村からも人々がやってきてお参りしたり、ただ話をしたりしていくという。

    昔は死者をミイラにし、家にそのまま置いておいて生前と同じように接したという。
    日本で言う仏壇のようなものだろう。
    ミイラを生前と同じように名前で呼び、服を着替えさせ、世話をし、悩みを相談したりする・・。
    遺体が生前のようにきれいに残る地域は、完全に骨になって地に帰る私たちとは死の捉え方が違う。

    今もペルーのイロでたくさんのミイラが見つかり、謎の解明のために研究が進められている。
    もっとたくさんの謎が解けると面白いだろうな。

  • アンデス展に行って、ミイラに関するビデオを見て興味をそそられたので。
    実は恩田陸が書いてる。びっくり。

    展示の内容、ほぼそのまま。
    ミイラと暮らす人々=仏壇と暮らす日本人、という考えが面白かった。

  • 最新のミイラ情報。アンデスの高峰の上で見つかった少年少女のミイラの話もあり。
    後で気付いたが、昨日の昼にNHKBSで当番組の再放送をしていた。録画し損ねたのが残念。

  •  恩田陸さんが旅行記の雰囲気で書いているミイラの話。

     なかなか興味深い。写真が豊富だから、文章は流してしまったが、インカ文明やマヤ文明のことが少しは理解できたかな。

  • かなりおもしろかった。
    新しい研究結果、暮らしに溶け込んで、現在も残るミイラ文化についてバランスよく載っている。写真も多いので軽い読書向き。

  • 豊潤な予算で組まれた番組を豊潤な予算で単行本化しました。売れようが売れまいが特に関係はないのだ。
    でも、中身は面白いのがまた悔しい。もうちょっとその豊潤な予算で突っ込めたはずなのに。

  • 中南米の古代文明を特集したNHKスペシャルの特集ノベライズ、「マヤ」と「インカ」に次ぐ、「アンデス」を取り上げた一冊だ。
    他の二作と同様に、作家の恩田陸が寄稿していて、その他、プロデューサーや学者などがそれぞれの視点から失われた文明についての考察をしている。
    タイトルにあるとおり、ミイラに関する記述がほとんどだ。
    アンデスでミイラが発見され、話題になった記憶はあったけれど、ミイラがこの文明を語る上でこんなに重要な、不思議な存在だとは知らなかった。ミイラと共に生活し、相談をしたり、お願いをしたり、当たり前のように信仰の対象として日常にある文化、というのはおもしろい。
    アンデス、という土地に対するイメージがまた少し変わった。

  • ジャガイモの原産地である古代南米の諸文化について復習のつもりで読んだ.あいにく食文化からの視点は無いのだが,豊富な写真から大凡の風土は推察出来る.
    これは私の妄想なのだが,16世紀の東北日本がジャガイモとキヌアを受容していたら……というのは楽しい歴史の IF である.ジャガイモの原種と現在の改良品種の収量差から推して,キヌアを300年間品種改良を閲しつつ盛んに栽培していたら…… -そしてそう出来るだけの気候適合性や農業技術は存在した-
    何せジャガイモは言うに及ばず,キヌアもNASAお墨付きの近未来有望な作物なのである.そうであったら東北日本の近代史はどう変わっただろうか.

  • どう積み上げられたわからない高度な12角の石。かしずかれ宴会に出かけていくミイラ王。「ハイ!今日はね…」と庭の先祖に話かける人々。砂に散らばる骨を見て反射的に分析モードに入る人類学者。世界は不思議

  •  「インカ・マヤ・アステカ展」を見に行き、衝撃を受けたので復習をかねて。 ミイラを埋葬するのではなく、祀り、あるいはともに暮らす。死の後も近しい者がそばにいるという感覚は我々にとって不自然なものではないけれど、物理的に体があるとないでは、その死生観も大きく違ってくるのではないかと思うのだ。異なる文化に、異なる考え方に、想像の力が及ばなくて、自分の小ささを知る。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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