赤ちゃんの科学 ヒトはどのように生まれてくるか

  • NHK出版
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140814291

感想・レビュー・書評

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  • 子供のいない私にとって赤ちゃんは宇宙人だから、ちょっと垣間見てみたかった。

    赤ちゃんの“科学”なんて難しい題名がついているけれど、とっても易しい。
    著者は小児科医で、リスクのあるお産に立ち会う場面が多く、その経験をもとにユーモアも交えて書かれている。

    赤ちゃんがお母さんのおなかの中で、外の世界をどのように感じているか。
    ヒトが進化する過程で、どれだけ分娩が大変になってきたか。
    赤ちゃんが狭い産道を身をよじって産まれ出てくる。
    お母さんの陣痛の痛みをどのように軽減するか。
    産まれ出てから自分を育ててもらうために、お父さんのホルモンバランスにも影響を及ぼす、赤ちゃんの戦略。

    人間の赤ちゃんって、とても頼りなくて何にもできないように見えるけれど、なかなかどうして。
    したたかなのだった。

  • 三葛館医学 495.7||SL

    母のお腹の中で成長し、生まれてくることの不思議・・・。
    出産時の痛みとの戦い、妻が妊娠すると夫の体内で起こる驚くべき変化、立会い出産の力、生まれたばかりの赤ちゃんの不思議な反応など、人々がたどってきた出産の歴史とともに生まれることのまわりにあるさまざまな不思議について書かれています。どうして人間の出産だけがこんなに大変なのか、答えられますか?
                                  (ゆず)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=59634

  • これからお母さんになる人も、お父さんになる人も、おじいちゃんやおばあちゃんになる人も、どんな人もその昔は赤ちゃんだった。小児科医の書く赤ちゃんの話。

  • 面白かった。昔は帝王切開もほとんどが死んじゃってたが、最初に成功した人はバリー医師、実は女性だった!というのは驚いた。アメリカンジョークがちりばめられていて、楽しく読める。
     陣痛の痛みはどうにもならないが、昔からクロロフォルムとか麻酔とか色々工夫され、用いられてきた。でも、産婦のまわりで応援してくれる人たちの存在が、なんとか乗り切らせてくれる、とのことだった。
    赤ちゃんは生まれると、おなかに置かれても自分の力でおっぱいまで這い上がってくるらしい。おっぱいから、羊水のにおいがするのだそうだ。
     そして、赤ちゃんは生まれてくると、その家族に、ほとんどはとても幸せな変化を永遠にもたらす、と締めてあったので、とても感動的だった。

  • 出産についてのあらゆる知識が付いた感じ。
    特に前半が読んでいて面白かったと思いました。
    昔、帝王切開は危険なお産の最終手段だったのが、今は痛くない出産の方法として出産法の選択肢に加わっている事や、
    痛くない出産方法としてもたくさん種類がある事。
    これから出産を考えている人には読んで損はないと思います。
    後半は赤ちゃんが生まれる時、妊婦本人やそれを取り囲む周りの人の心と体の変化についても書かれています。
    これを知っていると、自分でも説明できない自分の心の変化や行動に
    納得なのでは無いかと思いました。

  • 購入からずいぶん時間が経ってしまったが、無事読了。
    事前にレビューは一切読まずに直感で手に取ったのだが、
    読んで正解だった。

    妊娠・分娩・出産のあらゆる事柄について
    人類の祖先まで遡り、時には他の哺乳類と比べて
    母親、父親、胎児または新生児、周りの人々の視点から
    語られている。

    歴史を順に追っておく中で多少難しい話になっても
    著者の体験や感じた事をジョークとユーモアをふんだんに交えながら
    話が進んでいるため、飽きもせずに楽しく、
    しかし知識を得ながら読み進めることができた。

    全ての章が面白かったが、私が特に興味深かったのは、
    母親が妊娠中に起きる父親の身体的変化や
    胎児の五感、アプガー・スコア誕生である。
    講義の中で少し触れたところ(または完全にスルーされていたこと)が
    さらに掘り下げられていた。
    これからは関係する単語に触れる度、
    この本で紹介された、発見者や開発者のことを思い返すと思う。

    "生まれる"ということはヒトがヒトである前から少しずつ変化しながら
    続いており、昔の人たちが試行錯誤してきた。
    それにより胎児、新生児、母親だけでなく父親やその他の人たちにとって
    より安全に築き上げられた現在のお産が築かれ、
    自分も家族もきょうだいも友達もその他の知らない人もみんな
    その歴史の一端となって、今ここに存在しているのだと思うと、
    目頭が熱くなったと同時に、
    生まれることの神秘さに畏敬の念を抱かずにはいられない。

  • 単純に面白い本だった。出産前に読むのがいいと思う。

  • 資料ID:W0158539
    請求記号:493.7||Si 9
    配架場所: 本館1F電動書架C(千葉)

    決勝戦進出

  • 正直言って、最初の数章、読んでて、おなかが痛くなりました・・・。

    お産の歴史やら、赤ちゃんが胎盤から血液をもらう仕組みなど、実際に出産を経験したわたしにとっては、ちょいとばかりグロテスクに感じる内容。

    でも、アマゾンの書評なんかを読むと、お産を経験した人や妊婦さんが安心したと書いているから、そう感じるのは私だけなのかも?

    この本のすばらしいところは、思想的なことにはあまり触れられていないところ。

    たいていの育児書やら妊娠ガイドブック(?)を読むと、説教くさいことが書いてあるのだけれど、本書は淡々と歴史や事実が述べられているところがよいと思う。筆者の考えは、考えであると明記しているところに好感を持った。

    胎児の様子から、お産の歴史、そしてお産のさまざまな形について幅広く述べてある。帝王切開や、無痛分娩についても詳しく書いている。ただ、筆者は、「安全性は確保されているものの、今後どんな長期的な問題(赤ちゃんの将来的な健康や精神における問題)がおこるかは不確定として、押せ押せムードに釘を刺している。

    最後まで読み終わって、「この本を妊娠中に読みたかったなぁ。」と思った。妊娠中、まだ帝王切開になると確定していなかったので、お産のさまざまな形態について調査しまくった。たいていはネットで。その知識は、やはり思想色が強く、「お産とはこうあるべき」という内容のものが多かった。この本に関しては、お産のさまざまな選択肢を提示し、客観的にリスクと利点を述べている。たとえば、先述の無痛分娩については、「妊婦が痛みから逃れられるすばらしい技術であるが、痛みを経験しなかったことを後悔する母親も多いので、よく考えて選択すべき。」と述べている。

    最初はちょっと気分が悪くなったりするかも・・・出産が怖くなったりするかも・・・だけど、ぜひ妊娠を考える人は、パパもママも読んでほしい本です。

    余談ですが・・・本書で、「お父さんもつわりがあったり、出産の時におかしな行動を取ったりすることがあるが、女性ホルモンの働きが強くなることがわかっている。原因はよくわかっていないが妊婦の近くにいるためにおこる変化なのかも?」だそうです。これは知らなかったのでおしろい雑学でした♪

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