- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140814543
作品紹介・あらすじ
ネットを通じたコラボレーションとコミュニティによって、持続可能な経済=シェアリング・エコノミーが始まった。"所有する"から"利用する"へ。ソーシャルネットワークが可能にした、Facebook時代の新しい経済。
感想・レビュー・書評
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映画「ファイト・クラブ」の台詞「結局所有物に所有されることになっちまう」。。。
私達は過去50年間に、それ以前の全ての世代を合わせたよりも多くのモノとサービスを消費してきた。しかし、幸せや人生の意義はショッピングモールやパソコンのクリックでは見つからない。そんな中、アリストテレスの「持つことより使うことに、はるかに大きな豊かさがある」を実践する消費者は増えつつある。カーシェアリング、無料交換、スキル・シェアリングなど。インターネットの力も大きい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フリーの続編というより、そもそも、世の中、ビジネスがフリーのモデルからシェアのモデルへの時代が変わってきていることを示唆するものだと思います。
帯によると、本書では、シェアのモデルとして、シェアを「コラボ消費」として、以下の3つのモデルを記載しています。
製品をシェアするサービス(プロダクトサービスシステム)
物をリサイクル・リユース(再配分市場)
ライフスタイルのシェア(コラボ的ライフスタイル)
それぞれの、海外での実例のビジネスが記載されており、知らないことばっかりで驚きでした。
車や自転車のシェアは聞いたことがありますが、物々交換、銀行を仲介しない直接のお金の貸し借り、スキルの提供など、さまざまな分野での「コラボ消費」がすすんでいます。
それらを実現しているのがIT、SNS、そして信用を担保する形で、ユーザの評価システムでカバー。といったところかと思います。
自分自身で置き換えてみると、所有へのこだわりの部分と、シェアでいいじゃんって思う部分とあるので、そのシェアでいいじゃんと思う部分や人の割合が増えていくのだろうなって思います。しかしながら、製品のシェアや物のリサイクルは受け入れられますが、コラボ的ライフスタイルまでは、受け入れられません。
このコラボ消費の根幹には、性善説というか、相手を信頼する、互いに助け合うということがポイントかと思います。正直、今の日本では、成り立たないのでは?って思ってしまいます。(要は自分自身が、相手を信頼できません。きっぱり)
私って、心の狭い、新しいことが受け入れられない人間なのでしょうか…
最後に、ものつくりの人間として、「コラボデザイン」から引用
デザイナーの役割は、パターンを見つけ、一見関わりのないもの同士をつなげ、解決しなくてはいけない問題がどれかを判断し、人々が何かを使う理由と使わない理由を見分け、ウォンツとニーズを発見し、考え方を方にし、未来を創造することだ。
メモしておこう! -
『シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略』
http://booklog.jp/users/jwtdream/archives/4140814543
著者:レイチェル・ボッツマン,ルー・ロジャース 監修: 小林 弘人,翻訳: 関 美和
日本放送出版協会 / 単行本 / 2010-12-16
「所有する」から
「利用する」「シェアする」
「シェアリング・エコノミー」の最先端。
あらゆる物件がシェアできるP2P市場、エアビーアンドビー・ドットコム事例。
「コラボ消費の二一世紀には、評判や、属するコミュニティ、何にア
クセスできるか、どうシェアするか、また何を手放すかが、人を定
義するだろう」
「同じような目的をもつ人たちが集まり、時間や空間、技術やお金と
いった、目に見えにくい資産を共有する──これがコラボ的ライフ
スタイルモデルだ」
「コラボ消費のさまざまな例を見てゆくと、どのサービスにも、その
根底に四つの大切な原則があることがわかる──それは、「クリテ
ィカル・マスの存在」「余剰キャパシティの活用」「共有資源の尊
重」、そして「他者との信頼」だ」
「コミュニティのために役立つことをすれば、それによって自分の社
会的な価値が高まることを、私たちはデジタルな経験をとおして学
びつつある」
-目次-
パート1 新しいシェアが生まれるまで
第一章 もうたくさんだ
第二章 ハイパー消費の時代
第三章 「私」世代から「みんな」世代へ
パート2 グランズウェル
第四章 コラボ消費の登場
第五章 所有よりもすばらしい──プロダクト=サービス・システム
第六章 因果応報──再分配市場
第七章 みんな一緒──コラボ的ライフスタイル
パート3 何が起こるか?
第八章 コラボ・デザイン
第九章 コミュニティはブランドだ
第十章 シェアの進化
日本語版解説 小林弘人
内容紹介
<所有する>から<利用する→SHARE>へ
車や自転車、工具のシェアからモノのリサイクル、リユース、そして、お金や空間やスキルのシェアまで、インターネットとソーシャルネットワークによって今、かつてない多様なシェアビジネスが始まっている。大規模なコラボレーションとコミュニティが生みだすフェイスブック時代の新しい〈シェアリング・エコノミー〉が、21世紀の社会と経済のルールを変えていく!
<無料>経済に続く 新しいビジネスチャンスを示唆
出版社からのコメント
ベストセラー『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』が提示した<無料>経済に続く、デジタル革命による新ビジネスモデル、<共有>経済の可能性に迫る一冊。
著者について
■[著者]レイチェル・ボッツマン Rachel Botsman
ビジネス・コンサルタント。最新のインターネットとテクノロジーを通したコラボレーションやシェアの可能性と、それによってビジネスや消費、そして人々の生き方がどのように変化するかについて、各地でコンサルタントや執筆、講演を行っている。オックスフォード大学で美術の学位を優秀な成績で修得後、ハーヴァード大学の大学院課程に学ぶ。現在、ブランド力、イノベーション、サスティナビリティといった分野を横断する形で、世界中の企業のコンサルティングを行っている。ウィリアム J. クリントン財団の前理事長。イギリス、アメリカ、アジア、オーストラリアで活躍。
■[著者]ルー・ロジャース Roo Rogers
アントレプレナー。ニューヨークのベンチャー会社Redscout Ventures代表取締役。起業家として現在OZOlab, OZOcar, Drive Thru Pictures, UNITYTV, Wenite の5つのスタートアップ企業を成功させる。企業戦略およびベンチャーキャピタルの専門家であり、同時にメディア、運輸、飲料といった消費セクターでも活躍。コロンビア大学文学士号を、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジで経済学修士を取得。現在はニューヨーク在住。
■[監修・解説]小林弘人 Hiroto Kobayashi
株式会社インフォバーンCEO。1994年ワイアード誌の日本版を創刊して編集長を務める。98年に株式会社インフォバーンを設立し、月刊『サイゾー』を創刊。06年には全米で著名なブログメディアの「ギズモード」の日本版を立ち上げるなど、ITメディア界の仕掛け人として多方面で活躍。著書に『新世紀メディア論──新聞・雑誌が死ぬ前に』(バジリコ)、監修・解説にクリス・アンダーソン著『フリー──〈無料〉からお金を生みだす新戦略』(NHK出版)がある。2010年4月より東京大
学大学院情報学環で非常勤講師を務める。
■[訳者紹介]関 美和 Miwa Seki
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。電通、スミス・バーニー勤務の後、ハーヴァード・ビジネススクールでMBA取得。モルガン・スタンレー投資銀行を経てクレイ・フィンレイ投資顧問東京支店長を務める。現在は、ベビーシッター会社のメイ・コーポレーション代表取締役。ダイヤモンド・ハーヴァード・ビジネス・レビュー誌などの翻訳を行う。主な翻訳書に、ハワード・ビーハー/ジャネット・ゴールドシュタイン著『スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則』(日本経済新聞社)、デビッド・マギー著『ジェフ・イメルト──GEの変わりつづける経営』(英治出版)がある。 -
先日ライフハッカーの元編集長の方と飲んでいた際に、「この本がきっかけでカウチサーフィンを東京で始めてみたんだ」と教えてもらった1冊。人のその後の行動を変える力のある1冊として確かにその力を感じました。社会や価値観の変化や、それを機会にしていくにはどうしたらいいのかとか、世の中には今どんなサービスが生まれてきているのかとか情報量がものすごい。そしてこの本が10年前に出ていて、今更少しずつ日本でも同じようなサービスが出てきていたことにもっと早く読めていたらまた動き方も変わってきたかなと思えた1冊でした。量はあるけどオススメの1冊。
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原題「What’s Mine Is Yours」。“わたしのものはあなたのもの”でしょうか。副題「<共有>からビジネスを生み出す新戦略」とし、過去の大量生産・大量消費が生み出した惨状と、シェアの現在と今後を論理立ててしっかりと説明してくれます。
まず、海上に流れ着いた大量のプラスチックごみについて。太平洋ゴミベルトと呼び、その「プラスチック・プランクトン・スープ」と呼ぶ毒が、今も漂流し、拡大しているという事実。太陽光線を浴びボロボロになるが決して分解されきれず、粒子を含んだ餌を生物が食べ、食物連鎖の末に、人間がその毒を口にする。何ともおぞましい状況です。プラスチック製品の害悪についてようやく企業もReduceの方向に動き出しますが、このひどい状況は一刻も早く世界中の国々が認識し、対策せねばならないでしょう。何ともひどい。
そういった大量生産、大量消費が多くのゴミを生み出し、また、作って買っても活用されない「元・資源」を大量に在庫し眠らせてきましたが、遠い昔からシェアという考えはあり、局所的に共有されてはきました。そこへインターネットの登場により、爆発的にかつ広範囲で「シェア」が活用されるようになります。ネットを使って余剰資源を有効に活用すれば良いのという気持ちで「シェア」のサイトを作り始めた人々。環境問題を解決しようとして作ったのではないけれども、シェアをする=新しいものを無闇に買わない=大量生産・大量消費からの脱却=環境保全、という流れを起こすのに十分なポテンシャルを持っていました。
すでにモノを所有するということ自体は古い価値観となり、他人とシェアするという考え方は一般的になっています。古い時代の価値観を引きずったままの商品開発やマーケットリサーチでは、到底市場に食い込むことが出来ない時代となっています。
これからのビジネスモデルを考えるにあたり「シェア」というキーワードは外すことはできません。未読の方は今からでも遅くありません。すぐにこの本を持っている友人を探すか、図書館に行ってみて手にとって見て下さい。良書。 -
シェアがメインカルチャーになるかという話。
消費のマインドセットが次の時代にうつっていると感じることができる。
すでに世界で起きている事例をまとめている。
コミュニティがブランド化する。 -
・「すばらしいアイデアはみなそうだが、一つひとつの事例は小さいことでも、その可能性は驚くほど広い。ネギを育てたいグリーンさんと、庭を耕してほしいブラウンさんをつなぐことはあっと驚くようなことだとは思えないかもしれない。しかし一方で、スーパーマーケットが私たちの食生活の中心にあるのも、日々の小さな積み重ねの結果なのだ。ランドシェアはより多くの人々をその環境の外に踏み出させるものだ」
・私たちが享受する自由の大部分は、「モノを持つ権利」によって実現されてきたし、何をするかによって自分のアイデンティティをつくりあげてきた。だが、ミレニアム世代、つまり作家ジョン・ポールフレイが言う「生まれたときからデジタル」な最初の世代では、この自己と所有との強いつながりが壊れつつある。そして所有ではない新しいチャネル―パソコンやi-Phoneさえ持っていれば他に何も必要としないチャネル―を通して、していること(ツィッター)や読んでいる本(シェルファリ)、趣味(ディグ)や所属するグループ(リンクトイン)、そしてもちろん友人(フェイスブック)もシェアしている。
→そうか、フェイスブックに今一はまらないのは、シェアする友人が少ないからか・・
Airbnb (エアビーアンドビー).、日本でもやってる!! -
とても刺激的で面白いないようでした。
僕たちの社会に無くてはならない「お金」という価値観がどんどん剥げ落ちていくような感覚に襲われました。
詳しい内容は本書を読んで貰いたいのですが、この考えの先にある社会は、「人が生きていくのにそれほど多くのお金が必要なくなっていく」んじゃないかと実感させられました。
この「シェア」という考え方の基本にあるのは、「他人への信頼」をどのようにデザインしていくか?
をネット社会の延長線上にどう築いていくか?がとてもポイントになるような気がしました。
本のタイトルに「ビジネスを生み出す新戦略」と書いているけど、もうこの先の未来には「お金を儲けるためのビジネス」という発想が古いものになっていくようです。
そして、この「シェア」の土台になる他人への信頼をどのよう「に見える化」するかがおおきなポイントになってきますね。
フェイスブックに代表されるような、匿名性のないプロフィール。
個人が人生で何をして、どんな人間で、どんな友だちがいて、社会からどのように評価されているか?がひと目で分かるような社会が出来上がりつつあるんじゃないか。
そんな風に考えると、これからの世の中、もし大不況になって、お金の価値がなくなって、もう一度リセットしなくてはならない状況になったとしても、はじめは少し大変かもしれないけれど、もともとリアルも含めて他人との繋がりが深く多い人は、それをベースにラクラクと生活を再建できる世の中になるんだろうな。
ネット社会を通して巨大な物々交換市場が出来上がる。
「物々交換」というと石器時代に逆戻りしたみたいだけど、そもそも、昔の物々交換のデメリットは、自分の持ち物と、自分が欲しいものとが、必要な時に交換できないところがNGなだけですよね。
そのデメリットをカバーするために生まれたのがお金という価値で、それが物の流通をオイルのように循環させているだけで、その必要がなくなれば自然とお金の意味も変わっていく
そう遠くない未来は「お金」と「評価、評判」に対する価値観が徐々にスライドしていく
そんな社会になりそうですね。
著者プロフィール
レイチェル・ボッツマンの作品





