乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館 迷宮への招待

  • NHK出版 (2011年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784140814734

みんなの感想まとめ

博物館の舞台裏や、そこに集う風変わりな研究者たちのエピソードを通じて、自然史の魅力を伝える一冊です。著者は長年大英自然史博物館で古生物学者として活躍しており、その経験を生かして、標本や研究者の個性豊か...

感想・レビュー・書評

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  • 『乾燥標本収蔵1号室』 - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/2453

    乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館 迷宮への招待 | NHK出版
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000814732011.html

  • ずっと読みたかった一冊。
    元学芸員が語る、大英自然史博物館の知られざるエピソード集。
    三葉虫が専門の著者。収蔵庫を舞台に繰り広げられたアカデミックな標本以外の珍品噺も収録されている。この本は、博物館の伝統を築き上げた人々の歴史と数々の逸話の標本箱でもある。

  • 2026年、ものすごく久しぶりの再読。

    大英自然史博物館の歴史と、そこに棲息する風変りな研究者たちを紹介した本。
    ユーモアのある文体で、読んでいて楽しい。にもかかわらず一気呵成に読み続けるのが難しいという不思議な本で、何度も中断しながら長期間かけて読了。初読のときもそんな感じだった。
    動物、植物、鉱物、化石、話題が広すぎて、その向こうに深い深い知識の気配だけはありつつも、かえって茫漠とした世界と感じられてしまうためかもしれない。大英自然史博物館そのもののようだ。

    著者は1970年に同館に入り、2006年まで勤務した古生物学者。職員でさえ全容を把握できない複雑な建物、そこに棲む変人の研究者、大量のコレクション。古の博物館や図書館に寄せられがちなロマンが実在していた。
    奇人エピソードも事欠かない。在職中一度も論文を発表しなかった化石研究者ベアストウ(p122)、超プレイボーイで、音楽上の大発見もした魚類研究者ホワイトへッド(p185)、大酒飲みのクジラ研究者パーヴィス(p213)、セクハラ常習犯の植物学者ロス(p257)など。
    良く言えば懐の深さ、悪く言えばガバナンスの欠如。

    本書第8章・9章では、比較的近年の館のガバナンスと社会的な役割の変化を述べる。自然や研究者のエピソードを語る章の生き生きした筆致と異なり、あまり好まない話題について言及しているような印象が色濃く感じられる。が、読み手としてはこれはこれで興味深い。
    館長職はもともと権威ある科学者が務めてきたが、次第に行政の人が就任するようになる。1976-1988年に館長を務めたヘドリーは科学者館長の最後の人物。この期間に大英自然史博物館は、リサーチカウンシル(研究資金を配布する側)の位置付けから、芸術図書館局に組み入れられた。つまり研究施設からミュージアムとなった。これにより展示や広報といった「見せ方」重視に舵を切ることとなり、外部助成金を得るため研究の方向も変化することになった。
    「博物館に政治力はないが、政治的措置に影響を与えることはできるはずだ。かくして博物館の役割は、世界中のものを集めて収蔵するという初期のものから、変わりゆく世界のために、そのコレクションをアーカイヴとして活用することへと完全に変化した。(p410)」

  • ふむ

  • 大英自然史博物館で長らく古生物学者として働いてきた著者
    が、博物館のバックヤードとそこに「棲む」人々を紹介した
    本である。読み物としてとても面白く、あっという間に読み
    終えることとなった。博物館の舞台裏を紹介する本という
    のも確かなのだが、その実「博物学」あるいは「自然史学」
    の素晴らしさと重要性を訴える本であった。どの分野でも
    そうなのだろうが、地味な基礎的研究に予算が割り当てられ
    ないのは大問題であると私も思う。

  • 大英自然史博物館の舞台裏
    大英自然史博物館は、大英博物館の一部として成立した。
    この本では、著者が勤務する博物館の歴史とそこで活動する人々の姿と業績に焦点を当てて紹介している。内容は著者の専門分野である古生物学や生物学、鉱物学の様々なエピソードを集めたものです。博物館の多くの職員は、自然に存在するものを研究し、分類するのが主な仕事です。数十年に渡って、ひとつのテーマを研究する人もおり、意欲と根気が必要な職業です。そういう人達の中には、いろいろ変わった人も多くて、エピソードに事欠かないようです。著者は多くの先輩や同僚達を紹介していますが、ほとんどが一般には無名の人達で、読んでいて映画のスタッフを一人一人紹介されているような印象があった。まあそれも悪くはないのだけれど、読み終わったら誰が誰なのか全く名前を覚えていなかった。(さすがに歴史に残るオーエンやハリソンの名前は知っているが)博物館の舞台裏の紹介は面白いテーマでエピソードの楽しめるのですが、もう少し系統立てて仕事の中身を紹介して欲しいと思いました。

  • 博物館の研究員たちの人間描写が面白過ぎる。

  • 博物館に保管されている標本、
    そこで働く人たち、
    それらを含む大英自然史博物館の歴史と今。
    著者が経験してきたエピソードを多数紹介。

    ゲノム解析を筆頭とした科学技術の進歩。
    "稼ぐ"ためにテーマパーク化される博物館。
    理解と感謝を示しつつ、
    古き良き時代として昔を懐かしみつつ、
    著者のちょっぴり複雑な心境も伝わってくる。

    軽妙な文章なので読みやすくはあるが、
    あくまで「著者自身のアーカイブ」の紹介であり、
    分類されているようで、
    全体としてはまとまってはいない印象を受ける。
    まさに、自然史博物館らしいのかもしれない。

    一番印象的だったエピソードは、
    「ラセンウジバエとの戦い」だった。
    遺伝子操作で不妊化したオスを大量に放つことで、
    集団としての繁殖力を失い絶滅させる。
    生物学者からすれば普通なのかもしれないが、
    私にはとても斬新な発想に感じて新鮮だった!

  • 大英自然史博物館の学芸員である筆者がその裏舞台で活躍する、してきた人たちとその人たちを取り巻く政治的な、社会的な変化を書いた一冊。 学芸員という仕事に興味があるので読み始めたが、長期的な目では大変必要な仕事であるにも関わらず、短期的な利益を上げられないため、境遇が悪い状態であるのは悲しいことだ。日本ではキュレーターの仕事も学芸員に含まれているので余計に仕事は多いだろう。 いつか分類学の長期的研究が必要であると理解を示してくれる社会がやってくるのであろうか。

  • (欲しい!) やくみつる

  • 著者いわく博物館の魅力は収蔵品ではなく、来館者に見えないところで働く人々で決まるそうだ。プロフェッショナルの世界には変わり者も多く、熱心が故の奇妙な行動の数々から博物館の裏の歴史を垣間見ることができる。

  • 大英自然史博物館で働く学者・研究者のレジェンドが盛りだくさん。世の中、いろんな人がいる。

  •  本書は、「大英自然史博物館の磨き込まれた扉の裏側で起きていること」を、同博物館で30年を過ごした著者が語り下ろした一冊。
     「長い目で見れば、博物館の魅力は収蔵しているものではなく、来館者に見えないところで働く人々によって決まる」と言うように、本書では、外からは見えない、同博物館で起きている物語の一端が、ウィットに富んだ形で紹介される。
     タイトルとなっている乾燥標本収蔵1号室は「雑多なものの倉庫であり、すっかり忘れられている場所」である。けれども著者はこの場所が、自分の頭の中のようだと思えてならない。「ばらばらな記憶が無秩序にしまい込まれている脳のなかが、そのまま形になったように思える」のだ。
     自らの住む<世界>への、全幅の信頼と憧憬に彩られた、緻密で壮大なアーカイヴ。

  • 大英”自然史博”物館の舞台裏の話。 ずっと挑戦しているが、読み進められず、とりあえず断念。レビューを見ると、面白いらしい。 最初の山を越えてなかったのだろう。いずれまた。

  • 大英自然史博物館に巣くう、浮世離れした研究者たちを語った本。
    キリンの頭がずらり15本くらい並んだバックヤードの写真とか、〝送られてきた標本を包んでいた紐〟まで取っておいた学者の話とか、どこを切り取っても興味深い話ばかり。
    イギリスらしい皮肉も効いてて面白かった。

  • 大英博物館ではなく大英「自然史」博物館。
    ちょっとなじみが薄いので全体に無味乾燥に感じるが、飛ばし読みして雰囲気を感じるだけでも、博物館の品質が国家の品格であることが理解できる。
    国立科学博物館は大好きなのだが、もっと欲張って欲しい。

  • 博物館の舞台裏、学芸員の生態を描いたもの。博物館というと見せ物的な施設だと考えがちだけれど、本書では研究施設としての側面を大きく取り上げている。

    魅力的な、少なくとも興味をそそる、異才と異彩の持ち主の列伝。

    もとより非常に面白い本であり、生物の分類学についての知識があればより楽しめるかも知れない。

  • 博物学への愛、つまり「分類したい」という欲求が深い人なら、★がもう2つ上がると思う。博物館と、その研究員についての本であり、生物学や進化論の本と期待すると、ちょっと方向を間違える。というか、私がそうでした。

  • ミステリか?と思わせるタイトルがよすぎ!ちょっと(どころじゃないけど)イッてる、プロフェッショナル達のおはなし、とか。

  • 博物学とそれを研究する人間への鋭い観察眼とユーモア溢れる視線で展示室の奥に隠された世界を見せくれる。財政を理由に切り捨ててはいけない研究はいっぱいある。

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