- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140814833
感想・レビュー・書評
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公開講義の再編なので、著者自らが内容を特定の結論に導きだすことはしない。出席している学生に、考えさせるのが目的であり、充分にその目的を果たしている。テキスト的な物を期待して読むより、課題を提議する書として、選択するのが適当。
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SPECIAL LECTURE ON JAPAN EARTHQUAKE WITH MICHAEL SANDEL
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000814832011.html -
大震災を受けて地球の裏側の人との連帯感を深められるか?
2011-03-11に起きた東日本大震災の1か月後に行われ,「究極の選択」と題されたテレビ番組としても放映されたサンデルの特別講義の議事録と,ハーバード大学で行われたシンポジウムでのサンデルの基調講演が収録されている。
書籍自体は60ページと量はそんなにない。しかし,震災後発生した避けられない問題について熱く議論している。
1. 原発処理などの危険な作業は誰が負担するか?
2. 原子力と人間との関わり方
そして,最後に震災を受けて,「地球の裏側の人に対しても連帯感が持てるか」という問いが人類に投げかけられているとサンデルは主張している。
情報技術の発達により,昔とは異なり地球の裏側のことも瞬時に知ることができるようになってきた。グローバル化により,国境を越えた人類という共同体としての連帯感が必要になってきていると感じた。
今回の震災でサンデルが日本に対して,気にかけてくれたのはありがたかった。
短い本だがその分値段も安く入手しやすい。震災で発生した問題を道徳的にどう考えるかというよい視点が得られた。 -
大いに考えるきっかけを投げかけてくれるサンデル教授の本です。でも結論はどこにあるのでしょうか?といつも思ってしまいます。特別講義なので、限界があるのでしょうか。
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NHKの番組「マイケル・サンデル 究極の選択」の、震災直後に震災をテーマにして放送された二つの特別番組を、書籍としてまとめたものらしい。
たまたま図書館で見かけて手にしたのだが、立ち読みするうちに読了するくらいの60ページ程度のごくごく薄い冊子。
震災直後の収録なだけに、特に日本人にとってはまだまだ現在進行形の災害なんだなということを、3年以上経過した今読むとより強く感じる。だからこそなのだろうが、サンデル氏も、他の白熱教室に比べるとやはり突っ込みが甘くも見える。
ただやはり、ここでも強く考えさせられたのが、原子力発電について。
リスクを取って原発を使い続けるか、生活の質を落としても代替エネルギーに移管していくのか、原発を使い続けるなら何かあったときの作業員はどのように確保するのか、どんな人がどのように行うべきか、報酬は、公平性は、原発はそれだけのリスクを引き受けるに値するものなのかどうか。生活の質を落とすとするなら、現在発展途上の国の人々がより豊かな暮らしを求めることにはどう対処していくのか、そのことに先進国がどう責任をとれるのか。
一つ原子力発電といっても、結局その当時国にとどまる問題にはならず、国際社会という視点で様々に考えていかなければならない問題であるという提言もあり、非常に考えさせられた。
簡単に結論はでないのだろう。
東日本大震災という世界をも震撼とさせる大災害が、国際社会の在り方を見つめなおすきっかけにもなるのかもしれない。 -
面白い!
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2011年03月11日、東北地方太平洋沖地震と津波が発生しました。その大混乱の中で、日本人の秩序だった行動を海外のマスメディアは強い関心を持って伝えました。この本は、このときの震災に遭遇した被災者の行動と、世界各国の反応をテーマにしたNHKでの番組を文章に書き落としたものです。
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石田衣良さんの発言に共感
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サンデル博士の本を2冊読んで、お、これはまだ読んでないと思ったけど、これはリアルタイムでテレビで見ていたのだった・・・。地震の1ヵ月後という超スピードで議論が行われたことが貴重で、この本はその記録という意味で存在価値がある本だけど、議論されている内容は他のサンデル博士の本の内容と比べると、やっぱりちょっと物足りないと思わざるを得ない。ま、すぐ読めるから、一読する価値はあると思います。