- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140814857
作品紹介・あらすじ
歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。金融グローバル化や新興国の台頭に対応できない「漂流国家・現代日本」-その要因を1989年→1982年→1955年→1951年の"日米関係"のなかに見出す。
感想・レビュー・書評
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冷戦終結日本の試練:ベルリンの壁 湾岸戦争 カンボジアPKO 経済国家日本の敗北 戦後政治の総決算:巨人orひよわな花 瞑想する鈴木内閣 中曽根内閣・サミットでの存在感 小さな政府という時代錯誤 経済国家ピーク 成功→足かせ 55年吉田路線の選択:党人派政治家・鳩山一郎 吉田と鳩山 55年体制 普通の国家 日米政府の思惑 日ソ国交回復 騎士と新安保条約 核時代の安全保障 政争→経済の時代 吉田なき吉田路線 戦後の原点:講和と安保 吉田茂 占領政策 社会党連立政権 講和交渉開始 朝鮮戦争→天気 吉田とダレス
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戦後のターニングポイントがわかりやすく書かれている。登場人物の思想、政略がその後の歴史にどう影響したか、興味深く読み進められた。
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
最も新しい年代が1989年(平成元年)なので昭和の終わりからさかのぼっていくこととなる。
この巻では昭和の終わりから1945年の終戦時までが扱われている。この本に書かれた内容はほとんど学んだことのない時代なので、面白く読むことができた。
終戦を迎え、戦後復興から経済成長と戦後もいろいろな出来事があったのだと感じた。ぶっちゃけ、学校の授業で最も学ぶべき時代だと思うが、当事者及び関係者が多く存命でいろいろと問題になるから避けているのだろうか。
私が感じたことはこの時代に日本が避けていたことが時代が移り変わり、避けがたくなっているということになるのだろうな。先進国としての役割を世界で果たしていくことが必要になるのだろうな。 -
歴史のTerning Point。現在の日本になってしまった理由。戦後の政治、経済情勢を解説する。
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再読
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戦後日本史をきっちり論じる。
岸信介や中曽根康弘のような、主義主張をもった人が、どういうスタンスで政策をすすめ、妥協せざるをえなかったのかわかりやすかった。 -
TVシリーズだったみたいなんだけど、TVは見たことなし。時間をさかのぼって描かれる歴史シリーズらしく、面白そうだなと図書館で借りてきた。
日本史全般、特に戦後についてあまりよくわかってないことを自覚していたので、へーそうなんだ!って面白く読んだ。特に、バブル以後の日本の雰囲気が戦前の雰囲気に似ていると記載されているところに興味を持った。「歴史をアナロジカルに読む」というやつにも通ずるのかな。
このシリーズ、続けて読んでみようかなと思う。 -
(2014.01.28読了)(2014.01.24借入)
NHKの番組テキストを単行本化したもののようです。番組が放映されていた時、時々見ていました。図書館の書棚に並んでいたので、読んでみようかと借りてきました。
一冊が120頁ほどなので、気軽に読めそうです。
通常歴史の本は、古いほうから新しいほうへと書き進めて行くわけですが、この本は、現代から過去へとさかのぼりながら、現在こうなっているのは、過去のこの時点のこれのため、という形で書き進められてゆきます。各巻で区切られた時代の中で、四つのポイントを取り上げて解説していますので、詳細な事実が知りたければ、別の本を読むことになるでしょう。とりあえずポイントをつかむにはいいのではないでしょうか。
各章の扉ページにポイントが書いてありますので、拝借しておきましょう。
第1章、ターニングポイント1989年冷戦終結
冷戦後の世界の大変動に古い戦略しか持ち合わせず流されつづけたことが、「失われた20年」を生みだした。
第2章、ターニングポイント1982年中曽根内閣発足
現代日本の〝漂流〟を生んだ中曽根政権時代のあまりにもうまくいき過ぎた成功体験とは?
第3章、ターニングポイント1955年保守合同で自民党誕生
中曽根首相が総決算をめざしたものの、変更できなかった「吉田なき吉田路線」とは?
第4章、ターニングポイント1951年対日平和条約・日米安全保障条約調印
鳩山・岸首相が打倒を掲げたものの、逆に定着させてしまった「吉田路線」とは?
【目次】
はじめに
第1章 冷戦終結 日本の試練―1989年(平成元年)
第2章 〝戦後政治の総決算〟のゆくえ―1982年(昭和57年)
第3章 55年 吉田路線の選択―1955年(昭和30年)
第4章 戦後の原点 講和と安保―1951年(昭和26年)
参考文献
年表
●日本の安全保障(28頁)
冷戦後も日米安保に頼るのか、日米安保体制解消に向かって自主防衛を目指すのか、あるいは国連中心の国際安全保障活動にかけるのか、そこを考えあぐねる日本は、やはり先にあげた「漂流」を免れていないと思うのです。
●ひよわな花(42頁)
日本はきれいに咲いているけれど、温室栽培の花のようだ。それは自分で安全保障を確保できないということと、自前の資源を持たないという二つの点だ。
●行財政改革(59頁)
中曽根政権においても、臨調(第二次臨時行政調査会)の答申を受けて行財政改革に取り組みました。電電公社・専売公社の民営化、国鉄の分割・民営化は成功した例ですが、各省庁の激しい抵抗の前に、手付かずで終わったものも多く残りました。
●自主防衛へ(78頁)
保守合同の四か月前、鳩山首相は、重光葵外相をアメリカに送り、安保条約を日米対等の相互防衛条約にすることや、将来的には在日米軍基地を撤退させることを提案します。在日アメリカ陸軍は六年以内に、海空軍はその後の六年以内に米軍が日本から全面撤退すること、その間、日本の基地使用は相互防衛に限ることなどの要求をダレス国務長官に提示しました。
●平和条約(115頁)
一九五一年九月四日から七日にかけて、アメリカ・サンフランシスコのオペラハウスに五十二ヵ国の代表が集まって講和会議が開かれ、八日には日本をふくむ四十九カ国が対日平和条約に調印しました。しかし、ソ連・チェコスロバキア・ポーランドの三ヵ国は調印を拒否しました。
この条約の締結によって日本は、翌年四月二十八日、七年ぶりに再び独立を回復することとなりました。オペラハウスでの平和条約の調印に次いで、同日、金門橋近くの公園プレシディオにある将校クラブにおいて、こちらは吉田が全責任を負うとして一人出席し、日米安全保障条約に調印しました。
☆関連図書(既読)
「昭和時代」日本経済新聞社、日本経済新聞社、1989.02.23
「昭和は遠くなりにけり」爆笑問題著、幻冬舎、2003.07.25
「昭和天皇とワシントンを結んだ男」青木冨貴子著、新潮社、2011.05.20
「敗北を抱きしめて(上)」ジョン・ダワー著・三浦陽一・高杉忠明訳、岩波書店、2001.03.21
「敗北を抱きしめて(下)」ジョン・ダワー著・三浦陽一・高杉忠明・田代泰子訳、岩波書店、2001.05.30
(2014年1月28日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。金融グローバル化や新興国の台頭に対応できない「漂流国家・現代日本」―その要因を1989年→1982年→1955年→1951年の“日米関係”のなかに見出す。 -
(漂流国家・日本)をつくりだした日米関係という呪縛
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親米、経済優先、軽軍備。改めて吉田茂は日本の戦後の方向性を定めたのだと認識。